大きな衝撃と共に出会ったのは、5年前。
普段は合わせる事のないBayFMを、あの日聴いていなければ。
きっとあの衝撃はなかったと思う。
出会う事すらなかったかもしれないとも思う。
幻惑。
耳に残る声と詞と音。
バンド名を知りたくて、最後まで番組を聴いた。
発売前だった幻惑を聴きたいがために、毎週雑音だらけのBayFMに合わせた日曜日の真夜中。
20代半ばで久しぶりに出会った、私にとっての“本物”だった。
音源を買い漁ったのも、ライブに行ってみたいと思ったのも。
インディーズバンドに熱を入れたのも、狭いハコでライブを観たのも。
全部が久しぶりで、全部が新鮮だった。
共感出来過ぎて痛いぐらいの詞。
抉られる感覚。
艶声。
儚さとやるせなさ。
綺麗ごとじゃない、大人の世界。
生々しさと、優しさ。
メンバー4人が作り出すライブ空間。
4人じゃなきゃ作り出せない音と、煌めき。
その中でふと垣間見える、素顔。
その全てが私を魅了して止まなかったから。
抉られるような詞に、だけどそこにたくさん救われていたから。
痛みを伴いながらも、その言葉に何度救われたか知れない。
だから。
椿屋四重奏が大好きだった。
今でももちろん、変わる事なく大好きだから。
中田くん、永田くん、良ちんの抱えた苦悩と葛藤を受け入れなきゃいけないと思いながら
今はまだそれを受け入れられない自分がいる。
失って気付く、大切過ぎた存在に。
あまりにもやりきれない。
こんなカタチで消えてしまうなんて、悲しくてやりきれない。
…悲しい、今はただただそればかり。
♪:幻惑