モスクワではクリスマスを前に大規模な反政府デモが繰り広げられる中、東京の渋谷では平和なデモが行われていたらしい。
「Xmasデートは恥だと思え!」カップルだらけの渋谷で"非モテ"がデモ-ニコニコニュース (2011/12/24)
15人の若者男性が、「リア充は爆発しろ!」「クリスマス商業主義に踊らされるな!」「モテないことは悪いことではない!」などとメガホンで主張して、渋谷を練り歩いていたそうだ。
主張がネタとして面白いから、きっと周囲で見ていた人たちはとても楽しかったに違いないし、彼らもそれをわかってネタとしてやっているのだろう。
いや、もしかしたら真面目な抗議だったのかもしれないが、全て含めてネタとしてやっているものと私は思っている。
(ただ人数がもう少し多ければよかったのに)
これとはちょっと違うかもしれないけれど、クリスマス前になると、街頭や空港など人の集まるところで、皆で「常識」や「規則」を覆すことをして、人を喜ばせたり楽しませたりする(そしてたぶん自分も楽しい)イベントが世界中で行われている。その辺にいる「普通」のはずの群集(mob)が、突如(flash)出てきて、何かを行うことから、Flash mobと呼ばれるのだけれど、ちょっと遅いけれど、クリスマスということで、皆様にお届け。
こちらの映像は、米国のミネソタ州のあるショッピングモールのフードコートで、去年のクリスマス前に行われたもの。
最初の40秒ぐらいは、ずっとただの雑踏なのだが、突然女性が歌い始めたのを合図にフードコートで座ってた一部の人たちが、皆突然歌い始める。実は、200名もの歌手がこのフードコートに集って行われたイベントなのだそうだ。周囲の多くの人たちは、普通の人たちなので、皆最初はびっくりしていたが、最後には拍手喝采となる。
こちらは、昨年のロサンゼルスの国際空港で、空港の職員が中心になって行われたもの。
アメリカンの職員?とおぼしき女性が、チェックインカウンターの上に突然立ち上がって、マライアのクリスマスの曲に合わせて踊り始める。それにあわせて他の航空会社の職員や、セキュリティの人たち、掃除のおじさんまでみんなで集まって踊り始める。曲が「マカレナ」とか「サタデーナイトフィーバー」など、アメリカ人なら誰でも知ってて踊れる曲なので(日本で言えばピンクレディみたいな感じか)、周りでチェックインを待ってるお客さんとかまで、みんなして踊り始める。最後にはサンタのご登場も。
日本の空港でやったら怒られるだろうなー。
大学でも。ミネソタ大学のミュージックスクールの学生たちが、同じ大学のビジネススクールに「攻めこんで」クリスマスプレゼント。まじめで勉強ばっかりして、ユーモアのセンスも乏しい(という印象が強い)ビジネススクールの学生たちを、からかってやろう、って感じなのかもしれないが、曲も踊りも完成度が高い。
Flash mobはクリスマスに限ったことではない。
世界で一番有名と思われるフラッシュモブは、2006年頃にNew Yorkの地下鉄で始まった「No Pants Subway Ride」かもしれない。これはズボンやスカートをはかずに、下はパンツ一丁で、みんなでニューヨークの地下鉄に乗るというもの。1月のニューヨークの一番寒い時期に毎年行われている。こちらは2011年のイベントの映像。
男も女もパンツ一丁。あるいは、地下鉄の中で突然ズボンやスカートを脱ぎだしてパンツ一丁になる。最初からパンツ一丁の人は、周囲の人に「どうしたの?」と聞かれたら「今日はズボンをはくのを忘れた」と答えるのが定番となっている。映像を見てると、子供を背負ったトランクス姿のお兄さんアリ、素敵なロングコートを着てるのに何故かパンティ一枚のキャリアウーマンあり、おへそまで出してる女子高生あり、元気にパンツ一枚のおじいさんありと、非常に楽しい。2011年は、ロンドンなど世界の48都市で同時開催がなされ(実は東京でも行われていたらしい)、3500名もの参加者がいたそうだ。
ニューヨークのアーティスト集団、Improv Everywhereが中心となって主催しているフラッシュモブで、彼らはこれ以外にもさまざまなフラッシュモブを仕掛けている。
2012年のNo Pants rideは1月8日。参加者はFacebookのページで募っているので、ご興味がある方は是非・・・→https://www.facebook.com/events/243316812362861/
ちなみにこれを始めた2006年には逮捕者が若干名出たようだが、ここのところはそういうことも無い様子・・・が自己責任でお願いします。
2009年にマイケル・ジャクソンが亡くなったときには、その追悼の意を込めて、世界中でマイケルの曲を踊るフラッシュモブが行われた。
こちらは、中でも比較的大規模な、ストックホルムで行われたフラッシュモブ。
こちらも、2009年に行われたフラッシュモブで、ロンドンのピカデリーで、突然100名の女性が服を脱ぎだし、黒のレオタードとハイヒールだけになって、みんなでビヨンセを踊りだすというもの。
こちらはアムステルダムの駅で行われた、サウンド・オブ・ミュージックのフラッシュモブ。T-mobileのCMに使われるために行われたものだったため、関わっているダンサーも非常にクオリティが高く、映像の完成度も高い。でも事前に予告されていなかったため、周囲の人は皆驚いて、喜んで、携帯電話でビデオや写真を撮ったりしている。周囲で見ているだけのはずの群集が、次々にダンスに加わって行き、普通の人たちが「えぇっ」て顔をしているのが面白い。(関係ないけど、世界中で人々が携帯電話で写真を取ってるのを見るたび、「これって日本が生み出した発明なんだよね」とか思う)T-mobileはこのCMが成功して味を占めたのか、その後もヨーロッパの色んな駅でフラッシュモブをやっている。
以上、一人でクリスマスを過ごすとしても、家族で過ごすとしても、見ていてなごむ、そして楽しい世界各地のフラッシュモブをお届けしました!