My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

ある人相占いのお話

2010-01-11 21:54:43 | 8. 文化論&心理学

私が大学生のときのこと。
たまたま、人相占いを職業とされてる方と数時間を共にしたことがあった。
時間が結構あったので、色々世間話をしたのが、彼女が語っていたことが印象的すぎて、今でも覚えている。

ちなみに私は、昔から占いというものはほとんど信じない性質で、自分に都合のよいことが書いてある時だけ当てにする程度。
なので、最初は表面的に聞いていた。
けれど、よく聞くと、なるほど、もしかしたら人生というものをなかなか言い表しているのでは、と思うところがあった。

彼女の言うには、その人間が幸せになれるかどうかは、顔を見れば分かるのだという。
顔は3つのパーツに分かれ、それぞれ年齢による性質をあらわす。
目の周りは、10代~30代前半の若い頃、その人が幸せになれるかを示している。
鼻の周りから頬骨は30代以降から中年まで。
口の周りは、老年以降に幸せになれるかを示しているのだという。

10代から30代前半にかけては、幸せをつかめるかどうかは、本人の能力、意志の力と運によると言う。
で、目の形や力から能力や意志の力があるかどうか、眉の形が運の強さを表すとか。

ところが30代後半過ぎると、自分の意志の強さや能力だけではどうしようもなくなり、人の力が重要になると言う。
男は、自分の能力と意思だけでは仕事は成功せず、人が引っ張ってくれ、協力してくれるかが、非常に重要になる。
女の幸せは、どの男に選ばれ、どんな友人が協力してくれるかで決まってくる。
(彼女は男は働き、女は結婚で幸せになる、という考え方だった。ここは敢えて反論はしない)
、鼻の形や頬骨が、どのような人をひきつけ、その人たちとどのような人間関係を持つか、というのをあらわしているか。

ここは分かりにくいので、彼女が私を評していたのを例として書くと、
鼻筋が通って高いのは、高貴さと素直さを、鼻のふくらみが小さいのは謙虚さをあらわしているとかで、
それが良い人々をひきつけて、多くの人に助けられる人生になるだろう。
ところが、私の問題は頬骨が高いことで、これは負けん気の強さをあらわしている。
せっかくいろんな人がが助けに寄ってきても、自説を曲げずに衝突を起こし、台無しにしてしまう可能性がある。
この負けん気の強さは生まれつきの性質で直らないので(笑)、常に自覚して注意しなさいとのことだった。
(この注意は当たっているので、結構驚いた)

最後に、老年期に入ると、自分の力、人の力でもどうしようもなくなってくる。
このころに幸せになるために大切になるのが、その人生をどのように受け入れるか、ということらしい。
で、口元がそれをあらわしているという。
彼女によると、状況に不平不満ばかり持つ人は口がへの字になっており、皮肉っぽく見る人は口元がゆがんでいる。
一方、物事をポジティブに見ようという人は、口角が上がっているとか。
彼女によると、私はそこは問題なかったが、老年になるまでどういう人生を送るかで、捉え方はどんどん変わる。
だから、常にポジティブにモノを捉えて生きるよう注意しなさい、とのことだった。

人の顔は、生まれつきの部分もあるし、眉が濃いか薄いか、鼻が高いかどうかなんて、本当に性格に関係あるのか?と思う。
それに私の欠点を当てたのもたまたまだと思ったけれど、
彼女の人生の見方にはそれなりに納得するものがあり、面白いと思った。

すなわち、若い頃は、自分の能力だけで何とかなるが、そのうち他の人にどう協力してもらうか、がとても大切になる。
それも老年期にはどうしようもなくなり、あとは自分自身が状況をポジティブに捉えられるかどうかが大切になる。
という考え方。

何でこんなことを突然思い出したかというと、今日が成人式で、街で若い人をたくさん見かけたから。
彼女に会ったとき私は二十歳で、まだ自分の能力で人生なんて何とでもなる、何でもできると信じていた。
でも今はそれだけではダメで、人の力がどんなに大切かを自覚している。

あと半年でMBAを卒業するが、社会に戻ると私は、彼女の言う、「自分の能力でどうこうする、より人の力をどのように活用するかが重要」な年代になる。
いや、前からそう感じることがおおくて、自分が人に協力してもらう能力と人間性に限界を感じていたのも、MBAに行こうと思った理由のひとつなんだけど。

そしてどんなに自分と人の力で人生を変えたとしても、
老いてからは、源氏物語の玉蔓(たまかずら)ではないが、自分の人生を如何に受け入れ、ポジティブに考えるかが大切になってくる、ということか。

普段は余り信じない占い師の言ではあったけれど、二十歳の時に受けた人生訓のひとつとして、今でも自分の中の教訓にしている。

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おひとりさまとIndependent

2009-07-01 09:09:02 | 8. 文化論&心理学

上野千鶴子が「おひとりさま」を言い始めてから、女性が一人で行動することが何でも「おひとりさま」といわれるようになってしまった。
もともとは、シングルの女性のライフスタイルのことだったはずだけど、今や何でも「おひとりさま」。
雑誌なんかでも「おひとりさまでも入れる店」特集とかあったりして。
日本でも、女性が一人で行動できる自由を(社会的に)漸く手にしはじめた、ということか。

そういう意味では、私は昔から「おひとりさま」を実践してきた変な人だ。
高校生のころ、一人でラーメン屋に入ってご飯を食べたことがあるのを皮切りに、
「女性一人では入りにくい」といわれるところは大体クリアしてきていた。

ひとりでも、どうしても食べたいものがあるときは、一人で行ってしまう。
ただの食いしん坊なのかもしれない。
こんな風に、一人だけで出張なんてしてるとなおさらだ。
いつもいつも、友人と一緒に食事ってわけにも行かないし、一人で外食が自然多くなる。

・ひとりで定食屋
・ひとりでそば屋
・ひとりで焼き鳥屋
・ひとりでとんかつ屋
・ひとりで寿司屋
・ひとりでバー

こういうところは女性だと行きにくいかもしれないが、カウンター席があるし、男性だと一人客もいるので気にしない。
特に、バーなんかはずっと行きつけのところばかりだから、一人で行っても「おかえりなさい」って出迎えてくれて、美味しいカクテルを作ってくれる。
彼氏や友人と行ってもいいけど、ひとりで行くのも楽しいのだ。
この前は、隣に座っていた中年のカップルに、「作家さんですか?」と聞かれた。
女性が一人でバーでお酒を楽しんでいるのは、作家っぽいんだろうか。

あと、なかなか男性でも実践しづらい「おひとりさま」も実践したことがある。
こういう店は、複数名で入ることが前提とされてるから、ちょっと入りにくいんだよね。

・ひとりで居酒屋
・ひとりで焼肉屋
・ひとりでもつ鍋屋

「一人でもつ鍋屋ってどうやって行ったの?」と友人に聞かれたことがあるが、何のことは無いです。
もつ鍋は二人前以上の注文なので、普通に二人前を注文する。
ビールを飲みながら、もつと野菜を食べておなかいっぱい。
美味いよ。

(とかいって、普通に質問に答えると、最後に雑炊とかうどんとか食べなければ、2人前でもいける)

焼肉は、普通に1人前からの注文が出来るので、問題なく。
最近は焼肉やさんにもカウンターがあったりして、広いテーブル席を一人で占拠せずにご飯が食べられるし。

ただ、昨日、居酒屋に入って夕食を食べようと思ったときは、流石に不便だな、とちょっと思った。

まず、ビールを注文。
そして、かつおのたたきと、寄席豆腐を注文。
とりあえず、これでいいだろう、と思って、若い店員さんの顔を見る。
と、もうすこし注文してよ、という顔をしているので、見つめあいながら、
「以上です」と言ってみる。

で、出てきた寄席豆腐を見ると、なんと一丁くらいある。
横のビールと比べると、いかに大きいか分かるんじゃないかと。

そんなに食べられるか?と思ったが、何とか一丁食べ終わった。
豆腐自体は割と美味しかったので。
途中でかつおのたたきをはさみながら。
もうおなかいっぱい。

ビールも一杯で十分って感じ。

ものの30分で食事を終えて、「お会計お願いしまーす」とさっきの店員さんに言うと、
「え、もう出るの?」みたいな顔をされてしまった。

そんな、店の回転率向上に貢献してるんだから、いいじゃん。
と思いつつ、お金を払う。

なんとなく、居心地の悪い「おひとりさま」だったので、行きつけの銀座のバーに行って気を取り戻してきた。

前に、アメリカ人の友人に、
「日本では女性が一人で行動するのは、社会的になかなかやりにくいことなんだよ。」
と言って、「おひとりさま」という概念を伝えてみた。

発音に苦しんでいたが(アメリカ人には発音しづらいらしい)、意味は分かったらしく、
「アメリカでは、そういう行動は Independent(自立している)と言われて、逆に尊敬される行動だと思う。
離婚率も高いから、老後をひとりで、とか女性の友人と一緒に過ごす女性も多くなっている。
一人でも気兼ねなく、自分がやりたいと思う行動が出来ることが尊敬される女性の条件だと思うわ。」
と言っていた。

日本の「おひとりさま」行動が、アメリカでは尊敬される女性の行動!
日本では、ちょっとそこまでは行かないと思うけど、「おひとりさま」という言葉が出てきてから、せいぜい開き直ることができるようになってきた。
そういう意味で、「おひとりさま」キャンペーンを張ってる上野千鶴子は偉い。
きっと日本もこうやってだんだん変わってくるに違いない。

それがいいのか、悪いのか、というのは賛否両論だけど、女性が優雅さを失わずに、普通に「おひとりさま」出来たら、素敵な世の中じゃないかと。

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