「九月の雨」の歌詞をあらためてながめてみた。これは「たんぽぽ」と関係あるのかなぁと思った。「たんぽぽ」では、あなたの声が聞きたくて電話をかけたら話し中だった、だれと話し中なのだろうかと考え始めて不安になってゆく....というような個所がある。「九月の雨」では、さすがに話し中くらいで不安にはならないが、電話から漏れて聞こえてきた女の存在におびえている。ほかにも「たんぽぽ」では公園を見て目隠しをされたことを思い出しているが、「九月の雨」ではたぶん公園にある椅子を見て、二人でその椅子に座ったことを思い出している。
う~ん。関係があるようなないような....ま、あってもなくても、「たんぽぽ」と「九月の雨」では決定的に大きな違いがある。「たんぽぽ」では不安に襲われながらもただ「どうぞ あなたのはずむ声で涙けして下さい」と乞い、「そんな小さな花のようにそばにおいて下さい」と願うだけだったのに対して、「九月の雨」では雨の中タクシーをとめ、彼の家へと向かう。
荒井由美作品の「青い傘」をのぞけば、松本隆作品に登場するほとんどの女性はいつも受身で、男側からの行動に対してリアクションをすることはあっても、自分のほうから行動することがなかった。せいぜい別れの電話をかけてみるくらいだった(青いサングラス)。それが「九月の雨」ではみずからの愛のため行動を起こしている。アルバム6枚目にして初めて行動する女性が登場したのだ。パチパチ(笑)
シングル「たんぽぽ」が発売されたのが1975年4月21日(太田裕美20歳)で、シングル「九月の雨」が発売されたのが1977年9月1日(同22歳)。その間、2年と4カ月ほど。現時点の2年半ほど前というとWindows Vistaが発売されたころで、年をとって月日がたつのが早くなったせいか、つい最近のように思える。太田裕美をWindowsにたとえるのもなんだが、Vistaが発売されたころ「たんぽぽ」を歌っていた少女が、いまでは「九月の雨」を歌っている。裕美ちゃんも大人になったわけだ。
と思ったが、シングル発売直前に「夜のヒットスタジオ」で「九月の雨」を歌う太田裕美の姿をYouTubeで見ることができた。たぶん1977年8月29日放送分で、司会の井上順と「歌いすぎでちょっと傷めた」(太田)、「ポリープができた」(井上)、「ポリープはできなかった。できる寸前に治った」(太田)というやりとりをしている。その話し方がやはりまだ幼いというか若い。人間も50歳を過ぎると、22歳も26歳もたいして変わって見えないが、この時期の太田裕美に「九月の雨」の世界はちょっと荷が重いんでねぇの? と素朴な感想が出る。
とにかく、だれかが(たぶん松本隆が)急ハンドルを切った、というよりアクセルをグッと踏み込んだようだ。かつて私はそれで振り落とされてしまい、「いいやいいや」と引きこもりしてしまったが、今度は振り落とされないようついていってみよう。「九月の雨」はもう一度とりあげたい。
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:筒美京平
車のワイパー透かして見てた
都会にうず巻くイリュミネーション
くちびる噛みしめタクシーの中で
あなたの住所をポツリと告げた
September rain 九月の雨は冷たくて
September rain 想い出にさえ沁みている
愛はこんなに辛いものなら
私ひとりで生きていけない
September rain 九月の雨は冷たくて
ガラスを飛び去る公園通り
あなたと座った椅子も濡れてる
さっきの電話であなたの肩の
近くで笑った女(ひと)は誰なの?
September rain 九月の雨の静けさが
September rain 髪のしずくをふるわせる
愛がこんなに悲しいのなら
あなたの腕にたどりつけない
September rain 九月の雨の静けさが
う~ん。関係があるようなないような....ま、あってもなくても、「たんぽぽ」と「九月の雨」では決定的に大きな違いがある。「たんぽぽ」では不安に襲われながらもただ「どうぞ あなたのはずむ声で涙けして下さい」と乞い、「そんな小さな花のようにそばにおいて下さい」と願うだけだったのに対して、「九月の雨」では雨の中タクシーをとめ、彼の家へと向かう。
荒井由美作品の「青い傘」をのぞけば、松本隆作品に登場するほとんどの女性はいつも受身で、男側からの行動に対してリアクションをすることはあっても、自分のほうから行動することがなかった。せいぜい別れの電話をかけてみるくらいだった(青いサングラス)。それが「九月の雨」ではみずからの愛のため行動を起こしている。アルバム6枚目にして初めて行動する女性が登場したのだ。パチパチ(笑)
シングル「たんぽぽ」が発売されたのが1975年4月21日(太田裕美20歳)で、シングル「九月の雨」が発売されたのが1977年9月1日(同22歳)。その間、2年と4カ月ほど。現時点の2年半ほど前というとWindows Vistaが発売されたころで、年をとって月日がたつのが早くなったせいか、つい最近のように思える。太田裕美をWindowsにたとえるのもなんだが、Vistaが発売されたころ「たんぽぽ」を歌っていた少女が、いまでは「九月の雨」を歌っている。裕美ちゃんも大人になったわけだ。
と思ったが、シングル発売直前に「夜のヒットスタジオ」で「九月の雨」を歌う太田裕美の姿をYouTubeで見ることができた。たぶん1977年8月29日放送分で、司会の井上順と「歌いすぎでちょっと傷めた」(太田)、「ポリープができた」(井上)、「ポリープはできなかった。できる寸前に治った」(太田)というやりとりをしている。その話し方がやはりまだ幼いというか若い。人間も50歳を過ぎると、22歳も26歳もたいして変わって見えないが、この時期の太田裕美に「九月の雨」の世界はちょっと荷が重いんでねぇの? と素朴な感想が出る。
とにかく、だれかが(たぶん松本隆が)急ハンドルを切った、というよりアクセルをグッと踏み込んだようだ。かつて私はそれで振り落とされてしまい、「いいやいいや」と引きこもりしてしまったが、今度は振り落とされないようついていってみよう。「九月の雨」はもう一度とりあげたい。
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:筒美京平
車のワイパー透かして見てた
都会にうず巻くイリュミネーション
くちびる噛みしめタクシーの中で
あなたの住所をポツリと告げた
September rain 九月の雨は冷たくて
September rain 想い出にさえ沁みている
愛はこんなに辛いものなら
私ひとりで生きていけない
September rain 九月の雨は冷たくて
ガラスを飛び去る公園通り
あなたと座った椅子も濡れてる
さっきの電話であなたの肩の
近くで笑った女(ひと)は誰なの?
September rain 九月の雨の静けさが
September rain 髪のしずくをふるわせる
愛がこんなに悲しいのなら
あなたの腕にたどりつけない
September rain 九月の雨の静けさが