しかし、それにしてもアルバム「短編集」は太田裕美の生々しい歌声が収録されている。息継ぎの音まで収録されていて、あきらかにわざとそうしている。
ジャケット写真では、洋館の丸い部屋のレースのカーテンがかかった窓を背景に、白いピアノに座った白いドレスの太田裕美。窓からは樹木がうっすらと見える。これはどこだ。軽井沢あたりか。このイメージから「清楚」「可憐」などと語られてしまうが、声の生々しさからして、製作者たちには別の隠されたイメージがあったように思う。それは「性」だ。もちろんそれはむきだしのものではなく、かなりひそやかで悩ましい、うずきのようなものだ。
それを私が感じるのは、「回転木馬」。遊園地によくある回転木馬は、詩でもよく題材とされ、童話的なイメージに満ちている。この少女趣味的な題材で松本隆は、20歳の女性の体の奥深くにうずく性を巧妙に描いている。
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
まわれまわれ回転木馬
ふたりきりでくるくる
向い風よ さみしい愛の行方
邪魔しちゃいけない
黒い馬で逃げるあなた 白い馬で追うのよ
追いつけずにいるうち季節だけめぐるの
掴みそこねた倖せだって
めぐって来る いつかまた
だから涙を風にあずけて
今微笑って手を振るの
まわれまわれ回転木馬
浮き沈んで生きるの
夏の海が飛び去り
落葉みちをぬけても あなたと
この曲を聴いていて、ふと井上陽水の「二色の独楽」(1974年10月1日)を思い出した。
作詞・作曲:井上陽水
まわれまわれ 二色の独楽よ
色をまぜてきれいになれ
女はさみしい
男は悲しい
さみしい 悲しい独楽がある
まわれよ 止まるな いつまでも
止まった時 春も終るよ
どちらも「まわれまわれ」で始まっているが、「二色の独楽」はあきらかに性がテーマである。陽水はさらに続く「君と僕のブルース」で男女の性愛を歌う。しかし、太田裕美の場合は、このあと「木綿のハンカチーフ」がヒットしてしまったせいか、アイドル(っぽい)路線を踏み出せなかったのか、私にはわからないが、以降、性的なテーマをとりあげることはなかったようだ。
(かなり不確か。この項あとで書き直す可能性あり)
ジャケット写真では、洋館の丸い部屋のレースのカーテンがかかった窓を背景に、白いピアノに座った白いドレスの太田裕美。窓からは樹木がうっすらと見える。これはどこだ。軽井沢あたりか。このイメージから「清楚」「可憐」などと語られてしまうが、声の生々しさからして、製作者たちには別の隠されたイメージがあったように思う。それは「性」だ。もちろんそれはむきだしのものではなく、かなりひそやかで悩ましい、うずきのようなものだ。
それを私が感じるのは、「回転木馬」。遊園地によくある回転木馬は、詩でもよく題材とされ、童話的なイメージに満ちている。この少女趣味的な題材で松本隆は、20歳の女性の体の奥深くにうずく性を巧妙に描いている。
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
まわれまわれ回転木馬
ふたりきりでくるくる
向い風よ さみしい愛の行方
邪魔しちゃいけない
黒い馬で逃げるあなた 白い馬で追うのよ
追いつけずにいるうち季節だけめぐるの
掴みそこねた倖せだって
めぐって来る いつかまた
だから涙を風にあずけて
今微笑って手を振るの
まわれまわれ回転木馬
浮き沈んで生きるの
夏の海が飛び去り
落葉みちをぬけても あなたと
この曲を聴いていて、ふと井上陽水の「二色の独楽」(1974年10月1日)を思い出した。
作詞・作曲:井上陽水
まわれまわれ 二色の独楽よ
色をまぜてきれいになれ
女はさみしい
男は悲しい
さみしい 悲しい独楽がある
まわれよ 止まるな いつまでも
止まった時 春も終るよ
どちらも「まわれまわれ」で始まっているが、「二色の独楽」はあきらかに性がテーマである。陽水はさらに続く「君と僕のブルース」で男女の性愛を歌う。しかし、太田裕美の場合は、このあと「木綿のハンカチーフ」がヒットしてしまったせいか、アイドル(っぽい)路線を踏み出せなかったのか、私にはわからないが、以降、性的なテーマをとりあげることはなかったようだ。
(かなり不確か。この項あとで書き直す可能性あり)