やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

【メトロでフランス語】 portes palières 「ホームドア」

2013-10-29 | メトロでフランス語
portes palières (名・女複) 「ホームドア」

フランス語では portes palières もしくは façades de quai といいます。
porteは「ドア」。
あまり聞きなれない palière という語は「踊り場と同平面の踏み板の」という形容詞(『スタンダード仏和辞典』)。
つまりここでは「ホーム面の」ということになります。


ホームドアに掲げられている注意
Ne pas se pencher
Ne pas descendre sur la voie
Danger de mort
「よりかからないこと
線路に降りないこと
生命の危険あり」
(文法的に、不定法は、
命令法よりも強い命令の意味を持ちます)

ホームドアの設置は、転落事故や自殺の抑止に効果があり、
近年では世界中の都市鉄道で進められています。

パリのメトロでは3つの路線に設置されています。


まず、1998年に開業した14号線は当初より自動運転となっていますが、
それを見越して、フルスクリーンタイプのホームドア(半密閉式)が全駅に設置されています。
日本では東京メトロの南北線などで見られるものです。


(Châtelet 駅 14号線ホームにて)


次に、13号線には、まず2006年に Invalides 駅に
可動式ホーム柵タイプのホームドアが試験的に設置されました。
これは、13号線の各駅への設置に先立つのと同時に、
1号線の自動運転化によるホームドア設置を見越した試験でもありました。
2009年から2012年までに12の駅に設置され、
さらに13号線全駅への設置も検討されています。

(Champs-Elysées - Clemenceau 駅 13号線ホームにて)

13号線は自動運転ではありませんが、パリのメトロの中でも最も混雑の激しい路線です。
例えば、ラッシュ時の Saint-Lazare 駅は、
フランスとは思えないすさまじいものがあり、ホームドア設置前は大変危険でした。
ホームドアの設置によって、
ラッシュ時間帯において電車がホームへ進入する速度を上げることができ、
列車本数の増加や、ダイヤが乱れたときの回復に寄与しています。

1号線には自動運転化に先立って2011年より可動式ホーム柵の設置が始まりました。


(Bastille 駅 1号線ホームにて)
現在では全駅に完備されています。
2011年末より自動運転がスタートし、
2013年初頭にはすべての列車が自動運転化されました。


(Champs-Elysées - Clemenceau 駅 1号線ホームにて)


Franklin Roosevelt 駅のホームドアは、
フレームが黒く塗られて、ムーディーな駅にマッチしています。

日本では、都市の地下鉄や新交通システムなどでホームドアの設置が進んでいますが、
ようやくJRでも山手線(東京)やJR東西線(大阪)のような
単一の車両で運用される路線に設置が始まりました。
複雑な列車種別や、ドア数のバラエティーなどで設置には困難がありますが、
技術革新が進むことによって解決法が見えてきているようです。

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