やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

【SNCF】Regio 2N (Z56300) PACA地域圏

2017-07-07 | SNCF(フランス国鉄)
大変ご無沙汰しております。生きています。
久しぶりに、今年の5月に出張でコートダジュールに行ってきた際の戦利品です。



SNCFのRegio 2N (deux niveaux:二階建て)です。制式型式はZ56300系です。

ボンバルディア社(Bombardier:フランスではボンバルディエ)が製造し、
2014年からフランスの各地に配備されてきていますが、
プロヴァンス=アルプ=コートダジュール (PACA) 地域圏には初お目見えです。
まだまだ新車の香りがしました。






一部二階建て、さらに連接車になっています。

では、乗ってみます。


ノーマルでっきから出入り口を見ます。広い!


出入り口から上下に向かう階段です。


1階です。


連接台車部分のノーマルデッキ部分


幌横にはごみ箱も備わっています。




座席は座りやすく、各席に220Vのコンセントが用意されているのが現代的です。


2階客室。天井が丸くなっています。


荷物置き場も備わります。


まだまだ増備されていって、これからコライユ客車やTERのステンレス客車を置き換えていくことでしょう。


【SNCF】 TGV Duplex OUIGO専用車両

2015-06-25 | SNCF(フランス国鉄)
SNCF の子会社 OUIGO が運行する TGV Duplex (オール2階建てTGV)です。



TGV Duplex を専用編成に改造していますが、全ての車両が二等車に改装されました。




元バー車にも、座席が置かれました。


車内の座席は座席はすべて同じタイプ。
TER の最新車両と同じものに換装されています。リクライニングしません。
回転しませんが、二人掛けの場合は背面テーブルが出てきます。
テーマカラーである水色とピンクがビビッドです。


元2等車とバー車部分の座席足元にはコンセントがあります。
予約時に2ユーロ払うと、コンセント付き座席を予約できます。
(コンセントなし席が満席の場合は、
自動的にこちらに割り当てられるので、そのときはラッキー!)


以前は1+2の3アブレストで座席の並んでいた一等車部分も、
OUIGOへの改造の際に二等車座席に換装されました。
ただし、座席台座や床部分の艤装の関係から、1+3の4アブレストになっています。
この元一等車の車両にはコンセントがついていません。


3列部分です。やはりリクライニングや回転はしません。
真ん中席はひじ掛もなく、
JR東日本・上越新幹線のオール2階建て「Max」の2階自由席みたいです。


デッキ、出入り口付近。ドア内側もテーマカラーのピンクに。


2階から1階デッキへのアプローチ。
基本デザインは従来と変わりませんが、
旅客案内表記がテーマカラーのピンクになっています。

TGV の LCC!?OUIGO で Oui, go !

2015-06-20 | SNCF(フランス国鉄)

2013年、フランスの新幹線 TGV にも、徹底的な価格破壊が訪れました。
SNCF(フランス国鉄)が専用の子会社を作り、
飛行機と同じようなローコスト・キャリア(LCC)を目指したのが、
このOUIGOです。

変動制の価格、インターネットからでしか買えず、
自らチケットをプリントアウトするというところまでは
以前の iDTGV と同様ですが、
OUIGO ではさらにランニングコストを圧縮して低価格を推し進めました。
そのノウハウは、航空機のLCCと同様です。

早く買えば、パリ近郊の Marne-la-Vallée 駅から900km近く離れた
マルセイユやモンペリエまで、たったの10ユーロで行けてしまいます!
(1ユーロ=約140円、2015年6月現在)

ブログ主は、昨年7月にパリから、
古巣の南仏・エクサンプロヴァンスに出かけたときに利用してみました。
その時のレポートです。

パリ側のターミナルは、市内のリヨン駅などではなく、
パリの東、約30km離れた Marne-la-Vallée - Chessy 駅になります。
列車本数の少ない、都市から離れた駅から出発させることで
コストを削減するというのも、LCCと同じです。
RER A 線で市内から約40分程度。通常10ユーロ以上かかりますが、
今回はバカンス中のため、
パリ市内の定期券で Ile-de-France 地域圏の交通機関乗り放題の恩恵に預かりました。

パリからの RER は途中で、なぜか長時間停車があり、
Marne-la-Vallée - Chessy 駅に着いたのは OUIGO の発車30分前。
チケットには発車30分前までにゲートに来ないと乗れない、との記載があり、
ひやひやでした。


Marne-la-Vallée - Chessy 駅に到着する直前、
並行している TGV の専用線にOUIGOが入ってきました。
これがこのまま折り返すのです。
到着からわずか30分で折り返すというのは、
フランスの長距離列車としては短い時間です。
つまり、できるだけ折り返しを短くして
列車の運用効率(トレインアワー)を上げるという、
LCCの思想とまるっきり同じですね。




RER はA線の終点、Marne-la-Vallée - Chessy 駅に到着。
Disneyland Paris の最寄駅です。
一旦駅の外に出て、そこから OUIGO 専用ゲートに向かいます。




列ができているので、すぐにわかります。


駅の中をぐるぐると列が続いています。
係員が一人ひとり、プリントアウトされたチケットのバーコードを
専用の器械で読み取り、改札を行います。
大きな手荷物を持っていると追加料金が必要になるのも LCC と同じです。




ぐるぐる回り、ようやくホームです。


今までの銀色の TGV とは違い、水色とピンクのカジュアルな車体になった専用編成です。

折り返しの車内清掃はないようで、きちんとゴミは持ち帰るように、との記載。
折り返し時間の短縮と、清掃員の不配置という、徹底的なコストダウンです。


従来の2階建て TGV Duplex 車両を改造していますが、なんと、
もともとバー車両だったところにも座席が置かれています。
列車の全席が二等車で、一等車はありません。
この改造により、座席数が20%増えたそうです。
薄利多売です。


座席はリクライニングできません。最新の TER(地域急行列車)と同じものです。




車内の座席、掲示、そして外観と、
すべてテーマカラーの水色とピンクで統一されています。


予約の際にコンセントつきの座席も選べます。プラス2ユーロでした。

乗ってしまえば、普通のTGVと同じ時間で着きます。Aix-en-Provence TGV 駅までおよそ3時間。




~~~

数日後、パリへの帰りも OUIGO で。
OUIGO を待っていたら、数年前には見られなかった光景が。





スペイン国鉄 RENFE の高速列車 AVE が乗り入れてきました。
なんとマルセイユを出発して、地中海沿いをひた走り、
バルセロナを通ってマドリードまで行く列車です。
仏西両国の高速新線が結ばれたことで実現した列車です。


さらにはマルセイユからドイツのフランクフルトまで行く TGV も!
できたばかりのLGV Rhin-Rhône (ライン・ローヌ高速新線)を使う、新しい列車です。

これらの列車を立て続けに見送ったら、次は OUIGO です。
高速路線網も新しい時代に入ってきました。


帰りの列車は、これまた改造で一等車部分の座席を二等車用に換装している車両です。
元の取り付け台座や床面などの関係からか、1+3の4アブレストになっています。
1人掛けにあたったのでラッキーでしたが、3人掛けの真ん中だったら(泣)。
(座席位置、番号は選べません)


Marne-la-Valée まで帰ってきました。
さらにここから RER でパリ市内までです。
40分かかりますが、OUIGO の安さの魅力には勝てません。



【SNCF】 TGV Duplex(オール2階建てTGV)1等車

2014-07-04 | SNCF(フランス国鉄)
SNCFの TGV Duplex (オール2階建てTGV)です。



2等車車内は以前に紹介しました。
http://blog.goo.ne.jp/miromes9-13/e/fc49b90deebcef16580e46e6a0f71b6b

今回は1等車の車内です。リニューアルされていない車両を取りあげます。
客車8両中、1等車は3両連結されていますが、いずれもオープン室で、
セミコンパートのようになっている席はありません。


入り口は1等車のテーマカラーのピンクになっています。


2階で車両間を行き来するのは、2等車と同様です。


1+2のシート配置になっています。シートは回転できません。


2人がけの向かい合わせシート。固定式のテーブルとテーブルスタンドが備わります。


4人がけの向かい合わせシート

リクライニング、テーブル展開状態


2人がけのシート


1人がけのシート

座席というよりもどっしりとしたソファーを目指したような作りとなっていて、
長時間乗車しても疲れ知らずです。


リクライニングは電動式で、前後のボタンを押すことで起こしたり倒したりします。


窓側各座席の壁にはAC220~240Vのコンセントが備わっています。


各席に読書灯が備わります。

アルザス地方 ミュールーズのトラムトレイン

2014-07-01 | SNCF(フランス国鉄)
5月末、パリでブログ主が所属する合唱団が、ドイツに遠征しました。
帰りは一人離脱して、寄り道しています。
フランス国内に入りました。

前回はこちら
http://blog.goo.ne.jp/miromes9-13/e/1e03c3d937379ab18392413f34f85648

アルザス地域圏 (Région Alsace) では、TER(transport express régional:地域急行交通)で珍しい試みを取り入れています。
例えば、コライユ客車で編成され、時速200km/h で都市間を結ぶ TER200などが挙げられますが、
ミュールーズ (Mulhouse) では、前日にドイツのカールスルーエで見たトラムトレインのシステムが導入されました。
(カールスルーエ・モデルについては前回を参照)

行きは通常の国鉄列車で、帰りは途中からトラムトレインに乗ってみます。

出発はミュールーズのSNCF駅。通常の鉄道車両であるディーゼルカー、1両です。


この列車の終点の Kruth 駅まで行きます。
途中まではアルザス地方を縦に貫く幹線を快走します。
トラム3号線の線路が途中からぴったりと横にくっついてきます。

通常、SNCFは左側通行ですが、
ドイツに近いアルザス・ロレーヌ地方の路線だけはドイツと同様の右側通行となります。

Lutterbach 駅から分岐し、Lutterbach - Kruth 線を行きます。
単線になりました。ずっと横を走ってきたトラム3号線もこの駅で合流して、
直通する列車はトラムトレインとなります。

途中のThann Saint-Jacques 駅までは電化されていますが、
私の乗っている列車はその先まで行くので、ディーゼルカーです。
車内はのんびりとしています。



終点 Kruth 近く、山岳的な風景になります。


Kruth 駅に到着。

折り返します。


途中駅で行き違い。


Thann Centre ville 駅付近にて。
渓谷沿いに瀟洒な建物が立ち並びます。



この列車(写真右)はThann 駅止まりです。
ここから、ミュールーズ市内に直通するトラム・トラン(tram-train トラムトレイン:写真左)に乗り換えです。


このトラム・トランは、
Tram-train Mulhouse - Vallée de la Thur (ミュールーズ~チュール渓谷トラムトレイン)と呼ばれる路線です。

ミュールーズ市外では国鉄の電車、市内では路面電車になります。


車内。

Lutterbach 駅からトラム専用線に入ります。

Musées (博物館)駅で降ります。
単線なので、行き違いの列車を待ちます。


行き違いの列車が来ると、やがて出発していきました。
国鉄列車と同様の、TER Alsace のデザインを纏っています。
車両は、パリ郊外のトラムT4線と同様の、シーメンス社 Avanto (SNCF形式 U25500系)。


路面電車用の車両しか止まらず、
ホームは路面電車用に低く、駅舎もありませんが、
しっかりとSNCF(国鉄)の駅です。
平行して走る幹線上には駅はありません。

続きは次回!

【SNCF】 TGV Duplex(オール2階建てTGV)

2013-12-02 | SNCF(フランス国鉄)


SNCF(フランス国鉄)のオール2階建て新幹線車両 TGV Duplex は、
1996年より運行を開始しました。
LGV「高速新線」(ligne à grande vitesse)のうち、
パリ・南東線(LGV PSE : Paris - Sud-Est)の混雑緩和を目的として、
最初はパリ~リヨン間に導入されましたが、
現在では地中海線、北部方面、東ヨーロッパ線など、
多くの路線で使用されています。

両端が機関車、それにはさまれた8両の客車の、10両固定編成です。
客車の内訳は、1等車3両、バー車1両、2等車4両です。座席定員は545名。
需要が旺盛な路線では、2編成併結の20両編成、定員1090名で運転されます(客車は16両)。
(高速列車で世界一の定員は、
JR東日本のオール二階建て新幹線Max E4系8両編成を2編成併結した1634名)

現在、内装のリニューアルを行った車両が出てきていますが、
今回のログでは、改装前の車両を取り上げます。


外観塗装を変更した車両が出てきましたが、
内装リニューアル工事とは連動していないようです。
画像の208編成も内装はオリジナルのままでした。

2等車は緑を基調とした内装。
階上室(2階)は、天井がドーム型。

車両間の通り抜けはすべて2階で行われます。
JR東海371系や小田急ロマンスカー20000形、元・特急「あさぎり」の2階建て車両の構造に酷似しています。
車両間の通行があることから、比較的車内に動きがあります。
そのため、iDTGV*運用では、
子供づれが騒いだり、ポータブルDVDプレイヤーやパソコンの音を出してもよい、
「iDzap」に割り当てられます。

*iDTGV : SNCFの子会社iDTGV社が発売を管理し、SNCFが運行を行う列車。
窓口販売を行わず、ネットのみの販売網によって、廉価を実現しているほか、
サイトより座席位置が選べたり、車内サービスも他のSNCF発売列車よりも充実している。
http://www.idtgv.com/fr/



階上、階下とも、客室に入るとすぐに大型荷物置き場があります。


階上室デッキ部分、トイレと客室入口の間に、補助席があります。
満席時、立ち席承知券 (place selon disponibilité)となってしまった際には、
こちらへ。

階段を下ると、デッキと階下室になります。



階下から階上を。

階下室(1階)は天井が平らなのが特徴ですが、他は階上室と変わりません。
各車両、片側が行き止まりになっているので、通り抜けがなく静かです。
それを生かして、iDTGV運用では「iDzen」
(日本では、山陽新幹線「ひかりレールスター」の「サイレンス・カー」に相当)に割り当てられます。


2等車座席です。

リクライニングボタンを押して、座面を前にスライドすると、わずかに倒れます。
シートピッチは日本の特急列車に比べると狭いですが、
足は前座席下に伸ばすことができます。バー式フットレストもあります。
窓割りは座席配置と一致していないので、真横が壁になってしまう場合もあります。
運次第。


1等車階上室。車内の基本構造は同じですが、
ソファーのようにどっしりとした座席と、赤を基調とした内装となります。

バーは1等車と2等車の中間にあります。
階下は機器室、階上がバーとなります。




"DEC 1996 première mise en service du TGV DUPLEX"
「TGV Duplex 1996年12月運転開始」
バー車カウンター横にあった掲示です。
指と先頭車の流線型をなぞらえています。