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やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

【メトロいろいろ】SIEL(オンライン情報システム)メトロ14号線バージョン

2013-12-10 | Métro いろいろ
SIEL (Système d'information en ligne)「オンライン情報システム」は、
イル・ド・フランス地方圏のメトロ、RERやバス、トラムに採用されている次列車(バス)案内装置です。
数種類のバージョンがありますが、今回のログでは、
1989年に開通した、パリのメトロで最も新しい14号線のバージョンを紹介します。



14号線では開通当初より、自動運転、ホームドアなどの新機軸が盛り込まれましたが、
このSIELも同様に、1989年の開通当初より設置されています。

1号線~13号線には後に、後付けで設置されましたので、
違ったものとなっています。
http://blog.goo.ne.jp/miromes9-13/e/eac1849e8c4db27c40bc458041818bb5

14号線バージョン

ブラウン管タイプのディスプレイです。
上方に現在時刻、
中央に次列車と次次列車の列車の行き先と、待ち時間が秒数(10秒刻み)まで表示されます。
事故や輸送障害などが何もない時、下の部分には、
"Les agents de la ligne 14
vous souhaitent
une bonne journée (soirée)"
(「よい一日(晩)をお過ごしください。14号線係員一同」の意)
と表示されています。



メトロ1号線 自動運転化 第一号編成

2013-10-27 | Métro いろいろ
昨日1号線に乗ったところ、
最後尾部分、前面ガラス前に、このようなプレートが。



Bienvenue à bord de la navette n° 1
PREMIERE NAVETTE
EN CONDUITE AUTOMATIQUE
MISE EN CIRCULATION
SUR LA LIGNE 1
LE 3 NOVEMBRE 2011

「第一号編成にご乗車、ありがとうございます」
「1号線自動運転第一号編成
運用開始2011年11月3日」


パリのメトロで最古の1号線の自動運転化が始まったのが2011年11月。
段階的に自動運転可能なMP05系に車両を置き換えることで、
2013年初頭には線内全列車が完全自動運転化されました。

この日乗車したのは、MP05系の501編成、
1号線が自動運転化される際に、一番最初に投入された編成です。

運転台(運転手の乗る部分)がないので、前から後ろまで全部客室。
先頭と最後尾からは展望が開けます。


パリのメトロには架線がない。

2013-10-25 | Métro いろいろ
鉄道車両のうち、「電車(「電動客車」の略)」「電気機関車」は電気の力で走ります。
発電所などで作られた電気を車両が集電して、
モーターを回すことで車両が走行するものです。


一般的には架線(「架空電車線」の略)(仏:caténaire) という電線を線路の上空に張り、
そこから車両の天井にあるパンタグラフという集電装置を使って走行装置に電気を送ります。
電化されている路線の大半には架線が張られています。


でも、パリのメトロには、線路の上空に架線がありません。
電車はどうやって電気を得ているのでしょう?


答えは、3本目のレールからです。

車輪が通る2本のレールの外側に、もう一本レールがあります。
このレールのことを、「第三軌条」(またはサードレール third rail)といい、
ここに電気が通っています。

この第三軌条に接する「集電靴」を台車に取り付けてあります。

これがパンタグラフと同様の役割を果たします。
そこを伝って電車は電気を得ます。

このような集電方式を「第三軌条(サードレール)方式」(仏:troisième rail) といいます。
第三軌条方式の利点としては、上空に架線を張らないため、
トンネルの高さを抑えたり電柱を立てるたりする必要がないため、
建設費を圧縮できるというものがあります。

ただし、世界でも多くの電化路線は架空電車線方式で電化されています。
第三軌条方式の欠点は、線路に侵入した際に容易に感電する恐れがあること、踏切を作りにくいこと、
そのために架空電車線方式に比べてかけることのできる電圧が低いため、
車両のモーターの出力を上げにくいというものです。
(日本やフランスでは架空電車線方式は直流1500Vまたは交流20000/25000Vであるのに対し、
第三軌条方式では直流600~750Vぐらいに設定されています)



Ne pas descendre sur la voie
Danger de mort
「線路に降りないこと 生命の危険あり」
電車が来ていなくても、落ちると感電の恐れがあり、
脅しではなく本当に危ないです。


パリではメトロ1号線~14号線の全線が、第三軌条方式による集電を行っています。
RERはSNCF(フランス国鉄)との乗り入れを考慮して、全線が架空電車線方式です。
フランスにおいては、その他の多くの都市内のメトロ(地下鉄)は第三軌条方式、
SNCF(2路線を除く)やトラム(ボルドー、ニースの一部区間を除く)は架空電車線方式です。

日本の鉄道においては、
多くは他線との乗り入れのない地下鉄での採用に限られ、
東京メトロ(銀座線、丸の内線)、横浜市営地下鉄(ブルーライン、グリーンライン)
札幌市営地下鉄(南北線)、名古屋市営地下鉄(東山線、名城線、名港線)、
大阪市営地下鉄の多くの路線、それと乗り入れる近鉄けいはんな線、北大阪急行
で全てです。
それ以外にも、
「ゆりかもめ」や「ポートライナー」などの新交通システムも第三軌条の応用形です。

乗車していたり、ホームで待っているとき、
電車の走行にともなって集電靴が第三軌条の継ぎ目などで発する
「カッカッ」という音を聞くことがあります。
これが一般的に見た第三軌条方式の特徴の一つといえます。


【Métro いろいろ】SIEL(オンライン情報システム)メトロバージョン

2013-09-29 | Métro いろいろ
SIEL (Système d'information en ligne)「オンライン情報システム」は、
イル・ド・フランス地方圏のメトロ、バス、トラムやバスに採用されている次列車(バス)案内装置です。
数種類のバージョンがありますが、今回のログでは、
パリのメトロ1号線から13号線に採用されているものを取り上げます。


通常バージョン。右上に現在時刻表示。
中央右側から、方面、1er train(次の列車)の待ち時間、2e train(その次の列車)の待ち時間

右横についている円筒がスピーカーになっていて、音声でも知らせます。
この写真の場合でしたら、
"Direction La Défense, prochain train dans 1 minute, le suivant dans 6 minutes."
(「ラ・デファンス方面、次の列車は1分後、その次の列車は6分後です」)と流れます。
次の列車が10分後、4分後、1分後のタイミングで放送されます。

パリのメトロは、起点と終点を行ったり来たりしているので(朝や深夜に例外あり)、
列車ごとの行き先を表示する必要もなく、すっきりしていますね。


7bis線の表示。列車本数が少ない場所や、
始発駅に近いところではこのように次の列車のみの案内になります。


途中で二股に分かれる7号線や13号線は、2段になっています。
次に来る列車の方に青い矢印がつきます。
(それにしてもびっくりするほどの待ち時間が表示されていますが、
これはこの駅の手前で工事をやっていたため、SIELが正確に機能していませんでした。
実際は2~3分で来ました)

この場合の音声放送は、例えば、
"Direction Ivry, prochain train dans 1 minute,
direction Villejuif, prochain train dans 3 minutes."
といったように、それぞれの方面の次列車のみの案内になります。


おまけ

次列車が2分後、次次列車が1分後!?
いえいえ。

異常時は**と待ち時間が交互に表示されます。
この後、車内の電灯を消した故障車が通過していきました。

RATPとJR東日本の相互協力

2013-06-03 | Métro いろいろ
国際公共交通連合(Union internationale des transports publiques : UITP)の総会が開かれたスイスのジュネーブで、
去る5月27日に、パリ交通公団 (Régie autonomie des transports parisiens : RATP)と、
東日本旅客鉄道(JR東日本)が、鉄道の運営、システムなどでの相互協力を行うとの覚書を交わしたとのことです。

JR東日本側のプレスリリース(PDF)
http://www.jreast.co.jp/press/2013/20130515.pdf
RATP側のプレスリリース(PDF, フランス語)
http://www.ratp.fr/fr/upload/docs/application/pdf/2013-05/cp-accord-de-cooperation-groupe-ratp-jr-eastfr.pdf


RATPは、パリ周辺のメトロ、RER、バス、トラムといった都市内輸送を中心に、
グループ会社を通じて現在世界十あまりの都市で都市内公共交通の運営に携わっています。


一方のJR東日本ですが、都市内、都市間、高速鉄道と様々なタイプの67線区の鉄道を運行しており、
日本はもちろん、世界最大の鉄道事業者でもあります。

この交流は、信号システムや輸送管理などといった技術の発展にまずは寄与するものと思われますが、
一利用者としては(趣味的に)想像も膨らみます。
両者の駅や路線図、サインシステムなどのデザインに影響を及ぼしあったり
先日のログに挙げたような翻訳も解消しやすくなります)、
ウルトラCとして、パリのメトロ駅に発車音楽が流れたり、
または、音が氾濫している東京の駅がパリのように控えめになったり。

フランス語に携わり、日本とフランスの鉄道を趣味とする者としては、大変楽しみなニュースでした。

駅で見つけた、おもしろくも怖い日本語表示

2013-05-31 | Métro いろいろ
知人(日本人)との話の中に、メトロの駅に変な表示があるのを見つけた、というものがあり、
心当たりがあったので、写真を撮ってきました。
コレです↓。(クリックすると拡大します)



「用心せよ」...
フランスで見るVowの世界です。じわじわきます。
「~せよ」と聞くと、数学の問題文や、
はたまたゴレンジャーなどの戦隊もので司令官が発する命令を思い出してしまうアラフォー男の子です。
この手のちょっと笑えるもの、日本にもフランポネがあるので、お互い様といったところです。
(Wikipediaの下のほうにある外部リンクをたどると、楽しいよ)

言語学的に見ると、文法的には正しいのですが、語用論(文の実際の使用法)的には?がつきますね。
戦前などはともかく、今となっては、日本語では利用客に対してあからさまな命令表現を避ける傾向にありますし、
ちょっと古くなった言い回しかもしれません。

それから、フランス語、英語の次に日本語が来ているのがすごい。
いかに日本人がスリの標的になりやすいかということを物語っています。

そういえば、RATP(パリ交通公団)管轄のメトロやRERの駅で流れる、
スリに注意の放送も、
「♪ Ne pas tenter les pickpockets, fermer bien votre sac et surveiller vos objets personnels - お客様にお願いします。すりに狙われないよう、お持ちのバッグは必ず閉め、貴重品の管理には、十分ご注意下さい。 - Be aware of the pickpockets...」
などと、こちらはフランス語の次に日本語が来ていて、英語を差し置いているのも興味深いです。

ところで、この表示、どこの駅にあるのでしょうか?
私は写真を撮った場所でしか見ていませんが、
あちこちのRATPの駅にあるとのことなので、見つけてみてくださいね。

というわけで、パリでは、すりに用心せよ!!