やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

TGV の LCC!?OUIGO で Oui, go !

2015-06-20 | SNCF(フランス国鉄)

2013年、フランスの新幹線 TGV にも、徹底的な価格破壊が訪れました。
SNCF(フランス国鉄)が専用の子会社を作り、
飛行機と同じようなローコスト・キャリア(LCC)を目指したのが、
このOUIGOです。

変動制の価格、インターネットからでしか買えず、
自らチケットをプリントアウトするというところまでは
以前の iDTGV と同様ですが、
OUIGO ではさらにランニングコストを圧縮して低価格を推し進めました。
そのノウハウは、航空機のLCCと同様です。

早く買えば、パリ近郊の Marne-la-Vallée 駅から900km近く離れた
マルセイユやモンペリエまで、たったの10ユーロで行けてしまいます!
(1ユーロ=約140円、2015年6月現在)

ブログ主は、昨年7月にパリから、
古巣の南仏・エクサンプロヴァンスに出かけたときに利用してみました。
その時のレポートです。

パリ側のターミナルは、市内のリヨン駅などではなく、
パリの東、約30km離れた Marne-la-Vallée - Chessy 駅になります。
列車本数の少ない、都市から離れた駅から出発させることで
コストを削減するというのも、LCCと同じです。
RER A 線で市内から約40分程度。通常10ユーロ以上かかりますが、
今回はバカンス中のため、
パリ市内の定期券で Ile-de-France 地域圏の交通機関乗り放題の恩恵に預かりました。

パリからの RER は途中で、なぜか長時間停車があり、
Marne-la-Vallée - Chessy 駅に着いたのは OUIGO の発車30分前。
チケットには発車30分前までにゲートに来ないと乗れない、との記載があり、
ひやひやでした。


Marne-la-Vallée - Chessy 駅に到着する直前、
並行している TGV の専用線にOUIGOが入ってきました。
これがこのまま折り返すのです。
到着からわずか30分で折り返すというのは、
フランスの長距離列車としては短い時間です。
つまり、できるだけ折り返しを短くして
列車の運用効率(トレインアワー)を上げるという、
LCCの思想とまるっきり同じですね。




RER はA線の終点、Marne-la-Vallée - Chessy 駅に到着。
Disneyland Paris の最寄駅です。
一旦駅の外に出て、そこから OUIGO 専用ゲートに向かいます。




列ができているので、すぐにわかります。


駅の中をぐるぐると列が続いています。
係員が一人ひとり、プリントアウトされたチケットのバーコードを
専用の器械で読み取り、改札を行います。
大きな手荷物を持っていると追加料金が必要になるのも LCC と同じです。




ぐるぐる回り、ようやくホームです。


今までの銀色の TGV とは違い、水色とピンクのカジュアルな車体になった専用編成です。

折り返しの車内清掃はないようで、きちんとゴミは持ち帰るように、との記載。
折り返し時間の短縮と、清掃員の不配置という、徹底的なコストダウンです。


従来の2階建て TGV Duplex 車両を改造していますが、なんと、
もともとバー車両だったところにも座席が置かれています。
列車の全席が二等車で、一等車はありません。
この改造により、座席数が20%増えたそうです。
薄利多売です。


座席はリクライニングできません。最新の TER(地域急行列車)と同じものです。




車内の座席、掲示、そして外観と、
すべてテーマカラーの水色とピンクで統一されています。


予約の際にコンセントつきの座席も選べます。プラス2ユーロでした。

乗ってしまえば、普通のTGVと同じ時間で着きます。Aix-en-Provence TGV 駅までおよそ3時間。




~~~

数日後、パリへの帰りも OUIGO で。
OUIGO を待っていたら、数年前には見られなかった光景が。





スペイン国鉄 RENFE の高速列車 AVE が乗り入れてきました。
なんとマルセイユを出発して、地中海沿いをひた走り、
バルセロナを通ってマドリードまで行く列車です。
仏西両国の高速新線が結ばれたことで実現した列車です。


さらにはマルセイユからドイツのフランクフルトまで行く TGV も!
できたばかりのLGV Rhin-Rhône (ライン・ローヌ高速新線)を使う、新しい列車です。

これらの列車を立て続けに見送ったら、次は OUIGO です。
高速路線網も新しい時代に入ってきました。


帰りの列車は、これまた改造で一等車部分の座席を二等車用に換装している車両です。
元の取り付け台座や床面などの関係からか、1+3の4アブレストになっています。
1人掛けにあたったのでラッキーでしたが、3人掛けの真ん中だったら(泣)。
(座席位置、番号は選べません)


Marne-la-Valée まで帰ってきました。
さらにここから RER でパリ市内までです。
40分かかりますが、OUIGO の安さの魅力には勝てません。



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