～向日葵が咲いて～
真夏の太陽を追いかけ
痛いほどの陽射しにも負けないで
田園を埋め尽くし咲いている
向日葵の花
黄色の衣か花びらは
まるで絨毯 敷き詰めたように
どこまでも染めて広がり
何故か天を仰ぐ
山並みは黙って見ていて
風は雲さえ呼ばず
雨は大地を濡らさなくとも
実をつけた花弁はミドリ葉を守りながら
仲間とともに育っていく
季節外れのトンボが声をかけ
畦道から野花が声かけても
気にもかけないで
たくましい姿を見せつける
いつか
涼風が吹く頃は
畑には何も残らないけど
ただ ひと夏を輝いて終えた向日葵を
人は忘れはしない
