幻冬舎
2016年9月 第1刷発行
2017年1月 第9刷発行
507頁
発刊から5か月で9刷ってすごい!
相性の良くない恩田さんですが、映画を観て興味惹かれ読んでみました
3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール
養蜂家の父と共に各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵、16歳
かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳の時の母の突然の死以来、長くピアノが弾けなかった栄伝亜夜、20歳
音大出身で今は楽器店勤務のサラリーマン、コンクール出場年齢制限ギリギリの高島明石、28歳
完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される、名門ジュリアード音学院のマサル・カルロス・レヴィ=アナトール、19歳
彼らと他、数多の天才たちが繰り広げる自らとの闘い
第1次予選から3次予選、本戦を勝ち抜き優勝するのは誰なのでしょう
構想から12年、取材11年、執筆7年という渾身の作品とのことです
とにかく、圧倒されました
クラシック音楽に詳しいわけでも、ピアノを弾くわけでもない自分でも、コンクール会場で一緒に演奏者たちの闘いを目の当たりにしていたような気持になりました
映画を先に観たのは正解
原作に比較して映画はいかにも商業的で、映画が後だったらかなりつまらなく思えたことでしょう
500頁越え&2段組
ついていけるか躊躇しましたが心配ご無用
頁を捲る手が止まりませんでした
思い切って読んで良かったです
確かに商業的で表面的にはなりましたが
なんといっても音楽を聴きながら観られるというのはよかったです。
私の本の感想はこちらです。
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/0c65aca83e8f0f958716d7a68b6327b9
そうですか・・・。私はこの本の感想に
作品中にある課題曲の解釈として「余白」というキーワードが出てきますが、恩田さんの文章にそんなものは有りません。全てを埋め尽くし、とにかく全方位からの濃密な言葉の洪水でコンテスタント達の演奏/音楽を表現しようとしています。それが成功と見るか失敗と見るかで、評価が分かれる作品の様に思われます。(中略)頑張っているのは良く判るのだけど、どうも途中から目が滑り始めました。
と書いてます。
もっとも星は5つ付けたし、その年のBest10にも入れましたが。
ちなみに私も恩田さんのはあまり相性が良くないのです(笑)
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/14818122.html
映画の鈴鹿央士君はピッタリでしたが流石に主役はね…。
原田マハさんの美術など、作家さんの背景を知ると『相性が悪いとか、文句言ってんじゃねぇよ~』でした(笑)