文藝春秋
2020年5月 第1刷発行
2020年8月 第7刷発行
308頁
「男と犬」
東日本大震災で仕事を失い家族のために犯罪に手を染めた男
コンビニで拾った瘦せこけた犬は男の守り神になりました
【宮城県】
「泥棒と犬」
仲間割れを起こした窃盗団の男は守り神の犬を連れて故国を目指します
【宮城県~新潟県】
「夫婦と犬」
壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいました
【富山県】
「娼婦と犬」
身体を売って男に貢ぐ女性
どん底の人生で彼女に温もりを与えたのは犬でした
【滋賀県】
「老人と犬」
老猟師の死期を知っていたかのように、その犬はやってきました
【島根県】
「少年と犬」
東日本大震災のショックで心を閉ざし、家族と共に岩手県から熊本県に移り住んでいた少年は、その犬を見て微笑みを取り戻しました
【熊本県】
10年前に起こった東日本大震災で飼い主を失った“多聞”が5年もの旅を経て熊本に住む少年との再会を果たす物語
多聞と熊本に暮らす少年の強い絆が呼び起こした奇跡の物語です
そして、再会に至るまでに多聞が関わった5人との一話一話にも十分な重みがありました
第163回(2020年上半期)直木賞受賞作
馳さんはハードボイルドやノワール小説のイメージが強くこれまで手を出さなかったのですが、読んで良かったです
納得の作品でした
多聞が寄り添った人物が最終話を除いて全員死んでしまうのは何だかな、とも思ったのですが、きっと彼らは多聞の中に生き続けていたのだろうし、それを今度は少年が引き受けたのかもしれません
最終頁を読んでそんな思いを強くしました
いつも南を向いていたのですよね。
馳星周のデビュー作「不夜城」もいいですね。
金城武さんの主演で映画もよかったです。
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/28225921.html
これは犬へのラブレターですね。
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/c3e889632b38a63c972a53a62c95268c
でも苦手ジャンルなので手を出しませんでした。
犬の持つ潜在能力、凄いですね!
なにせ初だったので真っ白で読めたのが幸いしたのかもしれませんが良かったです。
これは愛犬家には堪りませんね!
他の愛犬ものを読んでみようかな♪