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朝井まかて「実さえ花さえ」

2024年10月02日 | あ行の作家


講談社
2008年10月 第1刷発行
250頁

江戸・向島で種苗屋を営む二枚目ですが不愛想な新次と、独りで生きていくつもりでいたのが何故か新次と夫婦になったおりん
2人は人の心を和ませる草木に丹精をこらす日々を送っています

新次の修業先だった霧島屋の娘、新次の幼馴染夫婦、種苗の棒手振りから預かることになった男の子、太物問屋・上総屋のご隠居と若旦那、などなど
新次とおりんが周囲の人々を助けたり、助けられたり、また偉いお武家様とも繋がりが出来たり
2人の日常は、時に嵐がきても概ね平らかに過ぎていきます
著者のデビュー作とのこと
その後、数々の文学賞を受賞されるのも納得の力作でした

泰平の江戸時代に生み出された多くの草花や花きの新品種や改良種が、現代まで残っていることは知っていましたが、種苗、育苗に関わった人々の日々を読ませてもらい、大変お勉強になりました
江戸時代のガーデニングです
投機目的の品種改良や売買があったとは!
オランダのチューリップフィーバーほどではないけれど人の欲には切りがないのですねえ

異人の語る、この国ほど季節に恵まれた土地は他に見たことがない、という件
「先生のお庭番」にもありましたが、日本列島の地形や自然環境がもたらす四季の美しさと季節に合わせて育つ数多くの植物たちに恵まれた国に暮らせる有難みを忘れてはいけません
このところの夏の猛暑、冬の温暖化の影響が心配ですが…



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