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橋本紡「ひかりをすくう」

2008年09月23日 | は行の作家
父親への反抗心から大学進学と同時に上京し、グラフィックデザイナーの仕事をこなし続けてきた智子
頑張り過ぎてパニック障害になってしまう
その時そばにいてくれた哲ちゃんと、仕事を一切辞めてしばらく二人で郊外で暮らすことになる

哲ちゃんの優しさ、おおらかさに包まれながら暮らし始めて数ヵ月後
パニック障害の薬の量が減ってきて、「緊張のとけた優しい表情になったね」と哲ちゃんに言われるようになり、ありふれた日常の中、心からリラックスしていると気づく智子

智子のグラフィックデザイナーとしての才能を埋もれさすのは勿体無い
と復帰を諭す女性
哲ちゃんを、あなたの我儘に巻き込むな
と言いに来る哲ちゃんの前妻

前妻と智子の女の戦いは、おぉ~!でした



寝坊した智子がお布団から右手を出す
ふと見ると、緩く握った手のひらが椀のようになっていて、その窪みに光がいっぱいに溜まっていた
手を開くと、光は瞬く間にこぼれてしまった
けれど、もう一度指を合わせれば、再び光に満たされる
そうして何度も何度もわたしは光をすくった
飽きずに繰り返した

夫婦でもないのに主婦業までこなしてくれる哲ちゃん
やや現実離れした話かもしれませんが
最近、ストレスが…
って方にはお薦めかもしれません

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