★ベルの徒然なるままに★

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映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』

2009年03月19日 | 映画鑑賞記
今日は、映画の感想を!
先日、見てきた『ジェネラル・ルージュの凱旋』のレビューです。

この映画は、血が苦手な心療内科医と、厚生労働省のエリート役人がコンビを組んで、病院で起きる事件を解決した『チーム・バチスタの栄光』の続編です。
『チーム・バチスタの栄光』の原作は、ミステリ小説としては非常に評判が高く「このミステリがすごい!」でトップにもなった作品ですよね。
私は、その原作は読んでいないのですが、「このミス」に取り上げられるくらいですから、きっと、原作は謎解き・推理要素のある、面白い小説なのだろうと思います。
が、映画『チーム・バチスタの栄光』の方は・・・というと。
推理要素もなく、微妙なサスペンス・・・という感じで、わたし的には「まぁまぁかな~(^0^;」だったのですが。
この続編、予告編の堺雅人さんの演技を見て、
「これは、見たい!!!!」
と思って、行ってきましたです~。

物語は、と言いますと。

チーム・バチスタ事件から1年。東城大学付属病院。
「愚痴外来」と言われる「不定愁訴外来」の担当医・田口の仕事は、相変わらずな感じでした。
そんな時、
「救命救急センター長の速水は、メディカルアーツと癒着している」
という、医師と医療機器メーカーとの癒着を告発する怪文書が、田口の元に届きます。
折しも、1年前、共にチーム・バチスタ事件を解決した、厚生労働省の白鳥が、骨折で東城大病院に入院することに。
こうして、凸凹コンビ再結成。
田口と白鳥は、救命救急センター長の速水を調べることとなりました。

この速水なる人物。
「ジェネラル」という異名を持ち、救命救急にかけては、天才。
しかし、どんなに忙しかろうと、人手が足りなかろうと、決して、受け入れを拒否しない独断のやり方で、同じ救命救急の現場からだけでなく、そのとばっちりを受ける他の部局からも、かなり恨まれている様子。
現場の医師達が、人手不足に疲弊しているにもかかわらず、どんどん、患者=お客を受け入れ、金を取る・・・。金の亡者という陰口を叩かれる速水だからこそ、医療機器メーカーと癒着し私腹を肥やしているという噂も、あながち無視できない状況。
そんな時、東城大病院に出入りしていた、件の医療機器メーカー、メディカル・アーツの職員が、病院の屋上から転落して死亡するという事件が発生。
彼は、癒着に関して自責の念に囚われ自殺したのか?
それとも、速水の行き過ぎた要求が呑めなくなり、どうにもこうにもならなくなって自殺したのか。
・・・はたまた、証拠隠滅の口封じで殺されたのか?

果たして、速水は、シロかクロか??


原作を読んでいないので、分かりませんが、『チーム・バチスタの栄光』は、沢山の容疑者の中に、誰か一人犯人が居る・・・という犯人捜しの物語でしたよね(映画では、あまり、推理要素は無かったですが)。
でも、今回の『ジェネラル・ルージュの凱旋』は、犯人当てというものではなく、純粋にサスペンスでして、非常に面白かったです。

田口や白鳥の元に届けられた、告発文。
医師と医療機器メーカーとの癒着。
そして、それに関わっていたと思われる医療機器メーカー職員の謎の死。
限りなく怪しい、救命救急医。
「果たして、彼は、犯人なのか、否なのか」というのが中心に描かれますが、その中には、現在の医療現場が抱える様々な問題、救命救急の在り方など、問題提起がなされています。

で。
前作では、一緒に犯人探しに奔走した、田口&白鳥ですが・・・今回は、活躍の場は、あまり無かったかな。
というのも、この映画の主役は、堺雅人さん演じる救命救急医でしょう!!と思わせるくらい、堺雅人さんの演技が良かったです。
っていうか、もう、田口も白鳥も、かすんで見えませんでした(笑)

救命救急にかけては、だれもが認める凄腕だけれども、人格的には、独裁的であったり、人使いが荒かったりで、決して、慕われるタイプの医師ではありません。それどころか、常に、挑発的な態度で、田口や白鳥だけでなく、病院側をも翻弄・愚弄するような態度すら辞しません。
「ジェネラル・ルージュ」つまりは、「赤い将軍」→「血まみれ将軍」とも言われていますが、まさしく、天才の狂気が見え隠れするような医師を、堺雅人さんがとにかく熱演でした。
もう、スクリーンに目が釘付けでしたがな~!!

そんな彼の異名、真実の意味での「ジェネラル・ルージュ」が分かるとき、彼の、救命救急に対する真摯なまでの想いが伝わり、本当に感動しました。

そういえば。物語のラストで。
速水が、自分の車に乗ろうとする駐車場のシーン。
彼の赤い高級車が止まっているスペースだけ、草ぼうぼうで、車も埃っぽくて・・・。
それを見ると、本当に、彼が何日も何日も帰宅せず、車を置きっぱなしで病院に詰めていたのか・・・が伺えましたよね。


サスペンスとしては、面白いですが、推理物としては・・・犯人というか黒幕は、すぐに分かっちゃうと思います(^^)
せっかくなら、もうちょっと、誰が犯人か分からないように、推理っぽく作ってくれた方が良かったような。
それでも、惹きつけられる面白さがあったと思います。

また、サスペンスというエンターテイメントの枠を越え、現在の医療現場の問題など考えさせられました。
一刻を争う救命救急の現場。
けれども、その一刻を争うはずの場が、設備不足だったり、人手不足だったりで、一刻を争えなくなっている・・・。
人間、いつ何時、どんな事故に遭うかも分かりませんし、どんな病で倒れるかも分からない。
自分や家族が、そんな時、搬送される先がなかったら・・・と思うと、本当に怖いです。

そして、映画『感染列島』でも描かれていましたが「トリアージュ」のシーンもありましたね。
物語の後半で、大規模な爆破事故が発生し、病院内に次々に、重症患者が運び込まれるシーン。
本来、命は平等であるものなのですが、緊急事態には、治療の優先順位がついてしまう。
まだ生きていても、助かる見込みのない人よりも、確実に救える命の方を優先する・・・。医師にとっても辛い選択で、家族にとっても辛い宣告だと思います。
映画の中で、トリアージュにより、夫を治療して貰えなかった女性が
「主人は、まだ生きてるんです!!!」
と泣き叫んでいる所など、胸が詰まりました。

サスペンスとしても楽しめますし、社会派な物語としても楽しめる・・・そういう作品だったと思います。
何より、堺雅人さんの「ジェネラル・ルージュ」は必見の価値ありだと思いました~。気迫の演技です!

これは、原作の小説が読んでみたいなぁ~と思いましたね!
原作小説は、「チーム・バチスタの栄光」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」以外にも、田口&白鳥コンビでたくさんシリーズが出て居るのですよね。
興味津々です。

あくまでも、このシリーズの主役は、田口&白鳥なのでしょうが・・・。今回の映画に関して言えば、主役は、速水ですよねp(^^)q

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2 コメント

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医療問題 (NAO)
2009-03-20 16:31:27
ベルさん、こんにちは。
前作に比べると、こちらのほうが見ごたえありましたよね。
それもこれも、速水センター長のおかげ?でしょうか。^^
堺雅人さん、ふわっとした雰囲気ですが
倫理委員会のシーンは、「男だ~」なんて思わせてくれ
緊張感ありましたね。

>映画の中で、トリアージュにより、夫を治療して貰えなかった女性が「主人は、まだ生きてるんです!!!」

これ、自分の家族がそうなったら、私も同じ行動に
出ちゃいますよね。
わかっていても、やっぱり・・・って。
で、この場面、ドラマ「コード・ブルー」にも
ほぼ同じような感じで出たから、あらら・・と
思っちゃいました。^^;
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面白かったですよね! (ベル)
2009-03-20 17:22:05
NAOさん、こんにちは~。
今回の作品は、前作より面白かったですよね。
やはり、これも、堺雅人さんMagicでしょうかね(*^^*)
堺さんって、NHKの朝ドラの『オードリー』とか、大河ドラマ『新選組!』の山南役で出ていらっしゃった頃から知っているのですが、穏和な中にもミステリアスな影があって、好きです。
不思議な色気のある俳優さんだなぁ~と。

なので、ラスト、看護師さんに、
「寒いところは嫌いですか?」
とプロポーズっぽいことを言うシーンも、格好いいvvと思ってしまいましたです。

そして、なんと言っても、見所は、倫理委員会のシーンですよね! 気迫を感じました!

もう最終回になっちゃいましたが、今クールだと、『トライアングル』というサスペンスでも良い演技を見せてくれました。
今回の凸凹コンビは、完全に、影が薄かったですねA^^;;

ホント、原作小説を読んでみたくなりましたです。

そうそう。
「トリアージュ」。
頭では理解できても、自分の家族がそのような状況になったら、絶対に理解できなくなっちゃうと思います。
すべて手を尽くして、それでも、助からなかったのなら、まだ納得のしようもありますが、治療されないまま・・・というのは。あまりにも・・・。
家族にとっても、激しい後悔が残りますよね。

「コードブルー」にも同じような場面があったのですか! 私は見ていないのですが、確か、救命救急のドラマでしたよね~。なるほどなるほど。

ではでは、ありがとうございました(*^^*)
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