
くびの中央に
ポカリと穴があいている
人工呼吸器を外した跡である
いのちが助かった第一声は
「せ・ん・せ・い・あ・り・が・と・う」
こどものようにカタコトのお礼が
精一杯のことばでした

あなたは私の短くなって
消え入りそうになった炎が
燃え尽きないうちに
新しく取り替えてくれました
お陰様でもう一度
人生を続けることが出来ました
ご恩返しに
あなたに恥じない生き方を誓います

確かに努力だけでは
どうにもならないことは たくさんある
けれども 努力しかないことも 事実
「どうせ 駄目さ」と言うのは努力の放棄
一度や二度の失敗で 諦めるなんて
理由を付けて逃げているだけじゃないか
そうしていても なにも変わらない
前進しなきゃ!!
うさぎとかめの 競争 知っているよね
かめは決して うさぎに 勝つ自信が あった訳じゃない
ただ こつこつ かめらしく進んだだけ
「自分らしく」それだけで充分じゃないか
努力することの すばらしさは
変わらないのだから


最後の「うさぎとかめ」の詩は、2003年秋、
二回目の入院で同室になった70歳の女性に書いたものです。
いまも入院を続けられていますが、月一回、
パソコン絵手紙を持っていき、おしゃべりしてきます。
息子さんも遠く離れていて、土曜日にしかこられません。
長期の入院となると、どうしても心が沈みがちです。
でも私の声に笑顔で返事をしてくださり、
また来月ねといって別れます。喜んでもらえること、
何よりも嬉しく、こちらも元気になれます。