65歳を過ぎてもできる

ブログは、癌の治療の開始2020年2月からスタート。癌は完治。コロナや災害、事故など心配は尽きないが、私は動く。

女心と秋の空

2021-09-23 07:55:00 | 日記
英語学校も決まり、入学の手続きを済ませた。日本人のオーナーと何度かメールのやり取りをし、必要な費用も日本の銀行に振り込むだけで、それほど難しくはなかった。
成田空港からマニラまで、の飛行機の中。初めてのひとり旅でドキドキしていた。フィリピンへの入国の書類は、隣の人に教えていただきながら記入した。やらなきゃ、わからない。
迎えに来てくれるというスタッフとマニラの空港で待ち合わせをすることにしてあった。無事、マニラに到着した時はホッとしたが、さてこの広いマニラの空港でそのスタッフと会えるのか。不安な面持ちで待つ私を、「タクシーはこっちよ」と日本語で誘導する年配のおじさんやおばさん。彼らには私が慣れていないとわかるらしい。あちこちキョロキョロしていると今度は若いお兄さんが声をかけて来た。
「英語学校のスタッフですが、日本からいらっしゃった生徒さんですか?」
「あ~良かった。会えた・・・」
胸のドキドキはやっと止まった。

自己紹介のような、当たり障りのない挨拶をお互いにかわし、私はスタッフに聞いた。
「ここから、学校まではどのくらいかかるのですか?」
「えーと、だいたい10時間から12時間くらいでしょうか。バスで」
私は自分の耳を疑った。
「嘘でしょう・・・そんなに時間がかかるの?なぜ?」

バギオがフィリピンのどこに位置するのか、私は知らなかった。知らないのに、学校を決めてしまっていた。

フィリピンのバスに初めて乗車。バスのチケットはスタッフが購入してくれていた。座り心地が悪い硬くて隣のスタッフと触れそうなほど狭いシート。外は雨がしとしと降り、いろんな匂いが混じるバスの中。この状態に10時間以上…耐えられるのか。考えても状況は変わらない。早く目をつぶって寝てしまおうと思った。

しかし、私にとって、もっと耐えられないことがあった。
それは・・・”寒さ”・・・
バスの中のエアコンがどれだけの温度に設定しているのか想像ができないほどに寒い。
スタッフに尋ねると、笑って
「フィリピンは暑いので、ガッツリ冷房を効かせることがサービスだと思っているんです。デパートやレストランも冷房が効いていますよ」
寒い、寒い、寒い・・・
ガタガタ震えながら、ひたすら早く着く事を祈った。

舗装がされている?疑問になるほどデコボコな道を結構なスピードで走る。バスのドライバーは慣れているんだなぁと、変な感心をしたが、すぐに不安の方が勝ってしまった。狭いくねくね曲がった山道とその両側の下は切り立った崖で怖くて見ていられない。ガードレールもないその道をバスはすごいスピードで走る。おしゃべりのキャッチボールは止まった。もう、私には考える余裕も話す余裕も、聞く余裕もなかった。

早く着いてほしいと思ったばっかりなのに、いや、そんなに早く着かなくてもいいから、ゆっくり走って。安全が第一だから。女心はすぐに変わる。

追記
トップ画像は、本日購入したふりかけ。おもしろい〜両極端な女心。