星くず雑記

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花總まりと夢華あみ

2021年10月02日 12時45分21秒 | OSK・宝塚(OG含む)
二人の共通点は、
『生え抜き娘役スターを蔑ろにする形で
ゴリ押しされた』ことにあります。

お二人とも、とっくの昔に退団され
東宝ミュージカルを主にご活躍中ですが、
優波慧の退団や、朝月希和の娘役トップ就任を期に、
改めて歌劇の理念に反する事案を風化させたくないな、と思いました。

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96期事件は、いじめにより宝塚音楽学校を退学に追い込まれた○さんが、96期の本科在学時に裁判を起こし、夢華あみや優波慧をはじめとする96期生が裁判所で証言する事態となりました。最終的に和解に至りました。

○さん側の提訴以降
•96期生×の下品ブログ発覚→×も退学
•夢華あみの異様抜擢→黒歴史化
•○さんのアダルトビデオ出演
•96期から4人のトップ娘役輩出
という、なんとも後味の悪い結末を迎えています。

なぜあの時、劇団が何ごともなかったかのように96期を入団させて、夢華を抜擢したか理解に苦しみます。
しかし10年以上経過し、優波が退団を惜しまれ、朝月のトップ娘役就任が歓迎されているのは、入団以降、彼女達が努力し、この事案の抵抗がないファンの評価を勝ち得た結果でしょう。

誰が責任を取るべきかといえば、それは宝塚音楽学校と母体の宝塚歌劇団に他なりません。
未成年の少女が在学する学校法人でありながら、中学高校の教員免許保有者がいない等、指導管理面で不十分な態勢だったことも明らかになっていました。

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宝塚はショー『ビジネス』ですから、綺麗事ではない、経営的な事情もあるのは当然のことです。
旬が短い娘役は、受験~音楽学校の時点で、将来が見極められているであろうことも、想像に難くありません。

さて、夢華あみは、
雪組生え抜き娘役の舞羽美海とWキャストで大劇場ヒロインに抜擢されました。
ファンの反発が大きく、夢華は途中休演。まだ10代の少女が『体調不良で休演』(※)したことを多くの人が喜ぶ、又は安堵する異様な事態でした。
(※休演理由のポピュラーなもので、宝塚歌劇団も過去にスキャンダルで休演した場合にも用いている)

この後、舞羽が正式にトップ娘役に就任しました。Wヒロインは無かったかのような扱いになりました。
夢華は新人公演ヒロインを複数回しましたが、平凡な娘役スターとして、宝塚でのキャリアを終え、その後は本名で女優として活躍しています。

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ここで、話をさらに遡り、花總まりに致します。

花總まりは星組配属、90年代前半にあっては大柄な娘役でした。
雪組に異動し、
①『ブルボンの封印』『二人だけの戦場』
トップ娘役の紫とも(退団)を
蔑ろにした異様抜擢
②『風と共に去りぬ スカーレット編』
さすがにスムーズに就任できなかったが、
新人公演で異例の主演(スカーレット編のスカーレット)
③『雪之丞変幻』
か細い側室役、2番手高嶺も女役
④『JFK』以降は、通常のトップ娘役
⑤『エリザベート』以降は姫、令嬢役者で特別扱い
でした。

私は、花總まりが13年トップ娘役だったことは、
今でも『おかしい』と思っています。
退団後、和央ようかのマネージャーでしたが、決別して女優復帰し活躍しています。
しかし、姫、若い王妃/女王、令嬢役が中心な上、過去のジェンヌと円満な交流があまりなく、また顔立ちの変化を繰り返している(※)ことも、悲しいなと思います。
(※トップ就任時は一重まぶたですから、以降の写真を比較すれば、公然の事実です。)

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紫ともは、雪組『風と共に去りぬ』が初舞台で雪組配属、新人公演で杜けあきや一路真輝と組み、月組娘役スターを経て、少し遠回りしつつ、古巣の雪組トップ娘役に就任しました。
70期唯一のスターとして、期待を背負っていたでしょうし、返り咲きで『幼馴染み』杜や一路の相手役になったことは、非常に好意的に受け止められていたそうです。

退団公演では、芝居ショーとも、主人公に振られる役。ショーは主人公が目の前で花總への愛を告白し、デュエダン無し&階段下りの羽無し&歌無し。芝居は花總まりが、原作のヒロイン役なので、どう作り替えても無理がある脚本。
紫ともの薄幸感は稀有(※)とは言え、退団の餞に相応しくないのは明白です。
(※トップ娘役就任後は薄幸の役所が際立つが、元々は愛嬌のある役も似合った)

宝塚と東京公演の間には、一路と花總が共演したバウ公演『二人だけの戦場』。悲しいことにこれが傑作で、一路も好きだった役に挙げていた。

組ファンからしたら、よその組から来た下級生の娘役の異様な抜擢で、ほぼ生え抜きが『蔑ろにされる』姿を観るのは悲しいでしょう。
私は、スターの小部屋再放送で観た、紫ともさんの退団挨拶の映像で、とても『清々しい』『達成感』とは言えない、悲しい涙、そして一路真輝の肩にもたれ抱き寄せられ、二人で涙する姿の異様さが忘れられません。

そこまでして、一路真輝から紫ともという相手役がいた事実を上書きしようとしたこと。何故、そこまで花總だけが厚遇されるのか?

花總まり個人に責任があるかどうかは、全く分かりませんが、生徒個人や演出家レベルでどうにもならない異様さを招いた劇団(重役やプロデューサー )の責任は大きいでしょう。

救いがあるのは、紫ともさんが堅実に女優やCM出演を重ね、杜さんや高嶺さんらとも交流があること。

そして、花總まりが、一定の実力と、13年間休演ゼロの心身の強靱さで、(私のようなしぶといマニア以外からの)高評価を勝ち取ったことでしょう。

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舞羽美海は、雪組生え抜き娘役でしたが、音月桂と同時退団。松竹系の女優として活躍しています。
Wヒロイン発表のとき、事件の悪評高い夢華への反発と反比例し、舞羽を応援する声が、SNSや掲示板で相当あがったのを覚えています。

音月桂も、雪組生え抜き、それも近い期にライバルを作らない雪組伝統の『一人っ子政策』で育成されましたが、その割には短命なトップでした(4作)。

彩吹真央が2番手で退団して騒然となる中、彩吹を追い抜く形で就任したことで、組ファンは複雑でしたでしょう。追い討ちをかける、夢華の異様抜擢、問題作『仮面の男』といった、音月個人ではどうにもできないネガティブ要素。
劇団側の想定より短命になったことを、責めることは出来ません。

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花總まりの異様な抜擢は、『エリザベート』『仮面のロマネスク』『激情』を生みました。
(※1998年頃に退団して女優転身していれば、「宝塚のトップ娘役」としての評価はより高かったでしょう)

夢華あみの異様な抜擢は、何も生まなかった。
96期生は、結果としては多数のトップ娘役を輩出したが、そこに夢華はいない。○さんも、堅実な生き方から外れてしまった。

『ジェンヌ自身やファンが傷つく』異様な抜擢で、何も生み出さないのが、一番情けない。
花總も夢華も、外部で大活躍しているからこそ、もったいない。

つくづく、宝塚歌劇団と宝塚音楽学校の責任は大きいと思います。
特に、雪組は、古参ファン離れを生む行為が繰り返されていて、本当に残念です。

いま退団の優波慧を惜しむ声があるのは、96期事件以降の彼女が、舞台に真剣に取り組んだ結果だと信じています(私は観に行ったことないので)

努力したジェンヌが報われるのはもちろん、ファンの支持を忘れないで、育成•抜擢をして欲しいです。
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