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まさかのここに来てヅカオタ状態、日々叫んでおります、ほかにジョジョ、初代ガッチャマン等好きです。
管理人 Masayo

「ファントム」鑑賞。

2006-09-17 20:38:50 | GERARD
昨日、東京宝塚劇場にて花組公演「ファントム」を観て参りました。
ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」をベースにしていますが、ロイド=ウェバー版とは大きく異なり、ファントムの「怪人」的要素は殆どなく、顔の醜さゆえに世間から隠れることを余儀なくされながらも、美しいクリスティーヌに想いを寄せ、歌を教え、見守る青年といった趣でした。
母から愛され、のちに父とわかる人物との交流もあり、いわゆるゴシック・ロマン的な雰囲気もあまり無く、甘美に美しい感じでした。ラウルに当たる人物もいるにはいるのですが、比重は軽く、殆ど目立ちません。とはいえ、脚本も何もかも異なるので、これはこれで成立する作品でありましょう。
シャンデリアやキャンドル、ファントムのボートなどはロイド=ウェバー版と酷似しているのですが、全体に軽やか。ファントムも哀しさはあるが、痛々しさが無く、クリスティーヌとも相思相愛的であまり気の毒感はありませんでした。
わたしは約18年もの間、ロイド=ウェバー版に浸りきっているため、今回の宝塚版の楽曲は印象が薄く、キメとなる音楽に欠けていたように感じました。フィナーレでは、プッチーニのオペラの名曲アリアを日本語歌詞(各オペラとは無関係な歌詞)にアレンジした曲でつないでいたのも、「ファントム」内で流れる曲が作品を貫くテーマとは成り得ていなかったからではないかと思いました。
ファントムは、宝塚らしく美しくて、わたしは「エリザベート」のトート的なピカレスク要素を期待していたので、ちょっと違和感ありでした。
一応「ファントム=怪人」としてモブでは恐ろしいと歌われていますが、ブケーは殺されていたけど、怪人の邪悪さは出されていませんでした。
ファントムとクリスティーヌが森でピクニックなんていう可愛い場面もあって、乙女なのねと思ったり。
好みは分かれるかと思いますが、楽しめましたし、劇場は満員でした。

個人的には、「わたしはアンドリュー・ロイド=ウェバーの『あの音楽』が鳴り響く、「オペラ座の怪人」のあの世界が好きなんだ」と改めて再認識した次第です。
マリア・ビョルンソンの美術・衣装による、濃厚なビジュアルと妖しい地下世界。
天才でありながら脅迫者・殺人者である禍々しい「怪人」である悪としてのファントム。「音楽の天使」としてクリスティーヌを導きつつ叶わぬ恋へ、そして嫉妬と絶望に満ちた狂気へと転じて行くファントムの複雑さが好きなのだなとしみじみ思いました。

結論。「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」に勝るものなし。

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