ヒラリーさんとGerry

さっきおフロ行く前にパラパラとチャンネルガイド見てたら、「ミリオンダラー・ベイビー」やってて。なんか何度も遭遇すんだよね。
で、毎度観ると、マギーああーーーーーーー（涙）な場面なんですよ。
後はもう見ていられない辛さ。自分が辛いわけじゃないのに、身を切られるように波状で押し寄せる苦しみ。拷問のようなんですよ。
つくづくヒラリーさんはすげえなと、この映画自体は好きじゃないのに（辛すぎるから）引き込まれてしまうんだな。なんせわたしの中学時代のヒーローはイーストウッドさんでしたから。でも彼の監督作品は好きじゃないのよね、観てるのもこれくらいだし。暗くて重すぎっぽい。硫黄島も観てない。
でも、ヒロインのマギーは決して暗くなく、貧しくて苦しいのに前向きで、辛い生活をひとのせいにしないで懸命に生きている。その痛々しいまでのまっすぐさが下手な同情など寄せ付けない強烈さで心に訴えかけてくる、そういう映画です。
でもだめ、悲しすぎ。

ヒラリーさんは顔立ちの凛々しさと、役どころの強さもあって、どんなことでもはねのけるパワーがあるように思えます。
彼女の映画はわたしは「ボーイズ・ドント・クライ」と「マリー・アントワネットの首飾り」と「ミリオンダラー・ベイビー」しか観てないのですが、まぁ見事なまでに全部幸せにならない。
首飾り...は、ベルサイユのばらでいうところのジャンヌの役だったはずよねー、ありゃ稀代の悪女でしたんで、映画でもなんか不幸なんだけど悪いっしょみたいなのでダメでしたが、ボーイズとミリオンダラーはあまりにも過酷な人生を懸命に生きるという点ですんごい強いキャラクターでした。

Gerryもちょくちょく悪だったりするけど、たいがいはまっすぐな生き方で、それが正しかろうが誤っていようが（おっとファントムさん）、とにかくド直球。滅びの道もまっしぐら、絶対振り返らないスパルタン。
そしていつも不幸...。

ヒラリーさんとGerry、共通項が多いような。
ふたりとも演技力、役作りの徹底ぶり、誰だかわからなくなったりしちゃう変貌ぶりと、濃度が似ているし。
"P.S.I Love You"、ミリオンダラー・ベイビーとスパルタ王が夫婦かよ！というむきもなくもないが、それは化けるのが上手いおふたり、ご既承のとおり、とぉっても素敵なカップルになっておりますね。
きっとふたりとも「強い」キャラクターから一旦離れて、穏やかな役をやりたくなったんでしょう。ヒラリーさんは「フリーダム・ライターズ」から監督も同じで、主演が決まっていて、Gerryはそのあとキャスティングされたそうですものねー。

楽しみだなーん、がらっと今までの雰囲気を変えてのおふたりの共演。
ゲリーは死んでしまうけれど、ホリーの幸せをどこかで見守っているのね。
千の風かしらん。