１７３．仕事の報酬を求め続けること（669字）

仕事に対する直接的報酬を、金銭や役職に求め過ぎると、
その原資やポストにも自ずと限りがあるため、全ての
対象者を充足させることはできません。

その代償として、仕事の報酬は次の新たな仕事（それは
規模が拡大し、難易度が高くなり、しかも挑戦しがいの
ある）であると、ソニーファウンダーの故盛田昭夫氏の
言葉として紹介しながら、以前、このブログでも書き
ました。

しかし、私自身、その後も吹っ切れず、何かもやもやと
した感じが残ったままになっていました。それは昨今の
低成長、最近ではハーフエコノミー（縮小経済）時代には
あてはまらないのではないかという疑問、悩みからもた
らされるものです。

そんな折、『仕事の報酬とは何か』という本に巡り合い
ました。著者である田坂氏は、一生懸命に働くということ
を通して、人間としての成長が得られ、それこそが「最高
の報酬」であると述べています。

そうです。人は自己の成長が感じられ、周囲の人たちに
認められ、社会に役立っていると認識できるとき、喜び
を最高度に感じ、幸せな瞬間であると言えます。

仕事のキャリアにおいて、仕事をこなすだびに目標の
達成感や充実感と共に、自己の人間としての成長を掴み
取って行けるならば、物理的な制約を受けず、他人を
ねたむこともなく、思う存分、この仕事の報酬を受け
られるのです。

誰にも制約を受けない報酬こそが、自分にとっての最大
かつ真の報酬であると考え続けて行けるように、これ
からも自己修練を重ねて行きたいものです。

著作の詳細はこちら
『仕事の報酬とは何か』（田坂広志著）ＰＨＰ研究所刊

仕事の報酬とは何か (PHP文庫) 田坂 広志 PHP研究所 このアイテムの詳細を見る