わが輩も猫である

「うらはら」は心にあるもの、「まぼろし」はことばがつくるもの。

「解散を」という理由=与良正男

2008-03-30 | Weblog

 「早期に衆院解散・総選挙を」と書くと必ず次のような反論を受ける。

 民主党が過半数を取って民主党政権が誕生すれば基本的に衆参のねじれは解消されるが、過半数に至らない可能性が高い。一方、自民、公明両党も大幅に減らし、衆院での3分の2を確保するのは難しい。与党は衆院再可決の手段を失い、国会は今以上に何も決まらず混乱する。

 まあ、そういう人の多くは「民主党政権なんてとんでもない」と考えているのだが、衆院解散は与党にとっても活路を開く手でもあるのだ。

 例えばこんな方法がある。与野党ともにマニフェストで掲げた(少なくとも)上位10項目程度の政策については、選挙で勝利した方の考えに他党も従う。それを事前に約束して選挙に臨むのである。

 そうすれば各党はもっと真剣にマニフェスト作りに取り組むだろう。政策の優劣が政権の選択に直結するのだから有権者も従来以上に厳しい判断が求められるし、政治への参加意識も高まる。本来、マニフェスト型選挙とはそういうものだ。

 さてガソリン税。私は一般財源化には大賛成だが、ここで暫定税率が期限切れを迎えるのは、混乱のリスクがあまりに大きいと思う。与野党が泥縄式で対応しているのは明らかで、想定外の事態が相次ぐのを恐れる。

 社説が提案しているところだが、ここは暫定税率を1年だけ延長して、その間に総選挙をし、有権者の判断に委ねたらどうか。そう、先ほど書いた方法で。道路=公共事業をどうするか。政権を争うのに十分なテーマと思う。(論説室)




毎日新聞 2008年3月27日 東京朝刊


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