私は長年NHKのラジオテキストで英語や英会話を楽しく聞いている。
8月号の高校生から始める「現代英語」では昨年12月のノーベル賞
受賞式後の 晩餐会でイシグロさんが話されたスピーチの全文が取り上げられていて感動した。
それによるとイシグロさんは、日本で幼い頃、畳に寝そべってノーベルの伝記絵本を
母上に説明を求めながら見入っていたそうだ。絵にある大きな西洋人の顔の
ノーベルが、白い煙の爆発物ダイナマイトを発明してその後、その使われ方について
懸念を持って「ノーベルショウ」というものををつくったということを母上から
聞いたそうだ。そしてその「ノーベルショウ」は母上によると「ヘイワ」を促進する
ものだった。
そして彼は「ヘイワ」が何か大切なことでそれがないと恐ろしいことが世界に起きる
ということも子供なりに理解されたそうだ。そして彼はノーベル賞はどこの国の人が
とったというより、共通の人類の努力に意義深い貢献をすることと捉えているそうだ。
そして彼は受賞の知らせを受けた数分後に当時91歳の母上に電話を掛けられた。
それにしても5歳数か月までの長崎での生活経験からの出来事を授賞式の
スピーチで世界に向けてに語られたイシグロさんの日本人としての
アイデンティティに心から敬服した。
まさに「三つ子の魂百まで」「The child is the father of the man」
ではなかろうかと感じた。これから先百歳過ぎても英国にあられて、
日本人のアイデンティティを持ち続けて活躍されることを期待したい。