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ベクマンベトフ監督ブロークの詩

2010-01-12 | ★文学★
ベクマンベトフ監督「スラヴャンスキー銀行」のCM「詩人シリーズ」の続きです。
マンデリシュタームの詩『森の中でクリスマスのもみの木が、金箔色に燃えあがる』と同じくらいインパクトの強い映像をもう一つ。

こちらも同じく「ロシア銀の時代」(19世紀末から20世紀初頭)を代表する象徴派の詩人アレクサンドル・ブロークの詩『若い娘が教会のコーラスで歌っていた』(1905年作)を題材にしたCMで、マンデリシュタームのものと同じように、とてもよく詩そのものの雰囲気、時代の雰囲気、アレクサンドル・ブロークという偉大な詩人その人がかもし出していた雰囲気を表現しています。


(ブロークの写真はこちらから)

プーシキンがロシアの「黄金時代」を代表する詩人であったのに対して、ブロークは「銀の時代」を代表する詩人です。
この、ブローク自身に関しては後日改めて触れたいと思います。

ベクマンベトフ監督の「スラヴャンスキー銀行」のCM「詩人シリーズ」・ブローク『若い娘が教会のコーラスで歌っていた』の動画はこちらです。(動画:1分15秒)

若い娘が教会のコーラスで歌っていた
Девушка пела в церковном хоре

若い娘が教会のコーラスで歌っていました。
異邦の地にいる全ての疲れ果てた人々について、
海の彼方に消えていった全ての船について、
自分の喜びを忘れてしまった、全ての者について。

彼女の歌声は高く、ドームに向かって舞い上がり、
白い肩には光がさして煌いていました。
教会にいるすべての者が暗闇の中から、
白いドレスの娘が光の中で歌うその様子に聞き惚れていました。

そしてその歌声を聴きながらみんなは思っていました。喜びが訪れるに違いないと。
彼方に消えていった船はきっと穏やかな入江に入ったに違いないと。
疲れ果てた人々は、異邦の地で
光に満ちた明るい人生を手に入れたに違いないと。

そして声は甘く、光は繊細で・・・。
ただ一人高く高く、天の門の前で
神秘を司る幼子が一人、
誰も戻ってこないことを悲しんで泣いているのでした。
Alexander Blok


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