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モスクワ市庁舎のレーニン

2009-11-16 | ★歴史★
トヴェルスカヤ通りは、クレムリンとサンクト・ペテルブルクをつなぐ大街道の一部です。このトヴェルスカヤ通り、クレムリンを背に、クレムリンから約600メートルくらい位置までくると、左手に赤い建物が現れます。

この建物の真ん中部分には8本の白い円柱が鮮やかに浮き上がり、また白、青、赤の三色に彩られたロシアの国旗と、戦いの聖人ゲオルギの騎馬像が龍を蹄で踏みつけている姿が描かれている赤い旗が見えます。
モスクワ市の旗です。
見るからに歴史のありそうな、意味深げな建造物。

この赤い建物が、モスクワ市行政府が入っているモスクワ市庁舎です。
1782年に有名な建築家M.カザコフによって建設された大変歴史のある建物で、この建物のベランダから、ロシア革命のリーダーであるレーニンが重要な演説を幾度かしました。
建物の壁に設置された記念板は、このモスクワ市庁舎の建物と、レーニンやロシア革命との関係の深さを物語っています。



ちなみにここは現在のようにモスクワ市庁舎と呼ばれる前は、モスソヴェトと呼ばれていました。

1937年、トヴェルスカヤ通りの道路拡張・整備計画がはじまります。
この時小さな建物は壊され、建築史上価値があると判断された大きな建物はそのまま移動されました。

モスクワ市庁舎もこの道路拡張整備計画の一環で、1939年に13.6メートル、基盤からそっくりそのまま移動されています。そして更に、1944年から1946年にかけて、2階分上に建て増しされています。つまり以前は3階建てだったのが、5階建てになったのです。

尚、そのまま移動された建物というのはこのモスクワ市庁舎だけではなく幾つかあり、トヴェルスカヤ通り6番の23000トンの建物など、何と中庭の方に50メートルも移動されています。
それも、中に500名以上の住人が入ったまま移動されたそうです。
このような事がどのように可能なのか想像もつきませんが、この出来事を検証したドキュメンタリー映像がありますので、興味のあるかたはどうぞ。
こちらから観られます=第1部(動画21分25秒)第2部(動画21分28秒)。("Gorodskie Legendy" TV-3)
尚、第2部の冒頭で、モスクワ市庁舎の移動について検証しています。

トヴェルスカヤ通りに面している建物のアーケードの中を覗いてみてください。美しい装飾が目立つ問題の建物が今でも移動された位置に建っています。



12月4日(金)チャイコフスキー『四季の世界』のコンサート情報はこちらです。

児童文学作家チュコフスキー

2009-11-15 | ★文学★
こちらはロシアの児童文学作家の巨匠コルネイ・チュコフスキーが書いた有名なお話し「ハエの”ツォコトゥーハ”」のイラスト。
ハエの”ツォコトゥーハ”はお誕生日会の最中、クモに襲われ、危機一髪というところを勇敢な蚊に助けられました。(二匹はめでたく結婚します)

このお話しを書いたチュコフスキーは、1939年から没年の1969年までの間トヴェルスカヤ通りのモスクワ市庁舎の向かい側あたりの建物に住んでいました。その建物には記念板が設置されています。



チュコフスキーといえば、ロシア(だけではなく、旧ソ連圏の国々全て)ではその作品に触れたことがない人はいない!というくらい有名な児童文学作家です。
幼稚園で先生に読んでもらったり、家で両親や祖父母に読んでもらったり・・・テレビのアニメで観たり・・・。

チュコフスキーの作品はすべて、詩のようにきれいな「韻文」で書かれていて、子供は何度も聞かされている内に、まるで歌を覚えるように自然とその詩行を覚えていきます。

顔や手をを洗わない子を叱ってタワシなどに号令を与えて強引に顔や体を洗わせる「洗面台たちのリーダーであり、タワシ達の隊長である”モイドディール”」と、上述のハエ「ツォコトゥーハ」、ロシア版ドリトル先生の「アイボリート(直訳すると”ああ・痛い”)先生」などが特に有名です。

これが洗面台「モイドディール」。イラストはこちらから。



1954年のアニメ「モイドディール」は、今でも大人気のアニメでロシアのテレビで繰り返し放映されていますし、ハエ「ツォコトゥーハ」のお話しは、ほとんどの人が暗誦できます。

ちなみに1954年版のアニメ「モイドディール」はYouTubeで観られます。
YouTubeの動画は2部にわかれており、第1部(動画10分02秒)はこちらから、第2部(動画6分36秒)はこちらから観られます。

内容はロシア語ですが、ストーリーが単純なので眺めているだけでも充分楽しめます。
音楽の使い方がとても芸術的なのが特徴的です。

ロシアの子供たちが全く退屈する様子なくバレエを鑑賞したり、オーケストラのコンサートを聴いたりするのを見て、外国人(特に日本の人たち)が驚くことがよくありすが、この「モイドディール」のようなアニメを日々観て育っていれば、バレエ・オペラ鑑賞も、クラシックの演奏会も、子供たちにとってはこうしたアニメの延長に過ぎないのだと納得です。

チュコフスキーは児童文学作家であったばかりでなく、大変優れた文学評論家、翻訳家、そして児童言語心理学者でもありました。

児童言語心理学者というと、とても難しそうに聞こえますが、その研究をまとめた『2歳から5歳まで』という本は、子供の「いい間違い」や子供が作り出した愉快な表現などに焦点をあて、事例を沢山集めて論理的に説明している大変面白い本です。全然難しくありません。

「全然難しくない」ことを証明するように、この本をベースにしたアニメまであります。ご覧になりたい方は、こちらへどうぞ。(動画7分23秒)

ハエの「ツォコトゥーハ」のイラストはこちらから。

12月4日チャイコフスキー『四季の世界』のコンサート情報はこちら。