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詩人ブロークの記念像

2010-01-17 | ★文学★
「銀の時代」、そしてロシア史上「最も詩人らしい詩人」であるアレクサンドル・ブロークの続きです。

モスクワの中心。優雅な静けさに包まれた一角。
スピリドーノフカ通りの6番の前に、まるでこの一角を覆う静寂を支配しているかのような、大変雰囲気のある記念像があります。



詩人アレクサンドル・ブロークの記念像です。
彫刻家コモフが限りない愛情を注いでつくりあげたと言われるこの記念像は、ブローク自身が持っていた雰囲気だけではなく、ロシアの人々がブロークに対して抱いている感情や、どのようにブロークを見ているかという「ロシア人のブロークに対する眼」というものも、とてもうまく伝えていると思います。

同時代の人々の回想録を読むと、皆一様にブロークの「大理石でできたギリシア彫刻のように」端整な顔立ちと、生まれながらにして供え持っている物静かな気品を称えています。ブロークの詩に対して好意的であった人も、そうでなかった人も、その点は変わりません。
また、ブロークと同時代に生きた人々は、口をそろえてブロークのことを「詩人そのもの」と形容しています。

「ハンサム」で有名であった詩人(例えばエッセーニン)や、殊更「詩人」らしい振る舞いをしてきた詩人(例えばマヤコフスキー)など色々いるのですが、存在そのものがまるで「詩」であるかのような人というのは、ブロークをおいて他にはいませんでした。

ブロークほど「敵」にも「味方」にも人間的に尊敬されてきた詩人、「敵」にも「味方」にも「理解」していると思われ、「共感」を持って受け止められてきた詩人はいないと思います。
また同じくらい「敵」にも「味方」にも恐れられ、歪められ、利用され、「理解されてこなかった」詩人もいないのではないでしょうか。

日本では全くといってよいほど知られていないアレクサンドル・ブロークですが、実は、彼は時代の中で置き去りにされたロシアの一部、時代の一部をそっくりそのまま体現していると言えます。

ロシアの人々が心の中で大切にしている「ロシア」そのものを・・・。

それがいったいどんな「ロシア」であるのかを知るためには、ブローク自身のことをもう少し詳しく知るのがベストです。


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