鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

おっさんの日々の散歩における鳥たちの写真と、好きなパイプタバコの感想
好きな日本酒の感想、等を、写真でメモ

Sillem's - Commodore Flake

2021年08月28日 | パイプタバコ
2021年 8月

今回は Sillem's - Commodore Flake

Sillem ブレンドは ドイツのコールハスで作っていますが 一番有名なのはBlack というアロマチック
English になりますが 100g缶しかなく それを外して2ブレンド目のレビューとなります
1ブレンド目は London Blendでしたが ストーヴドバージニアの甘さが シアトルのブレンドを連想
させるようなブレンドでありなかなかのものかと思いました

このブレンドもあまり日本では認知されておりませんので手さぐりのレビューとなります

Commodore(コモドール)というのは
准将 とか 提督 という意味になりイギリス海軍の用語になります
分かりやすいのは 後者の日本語で 江戸幕府の末期に横須賀の浦賀に4隻の軍艦を率いて日本に開国を迫った黒船の あのペリー提督がまさにそれに当たります


そう思って蓋を開けてみると



この様に真っ黒な湿気のあるぼそぼそのフレイクが出てきて
まさにその黒船を思わせるような 圧倒的存在感のあるブレンドとなります

葉組の方は
Black Cavendish, Kentucky, Latakia となっており
バージニアは ブラックキャベンディッシュになると思うのですが
ラタキア ケンタッキー ともどもスチームによるプレスがかかっているみたいで
はしから端まで実に真っ黒で ほぐしても炭化した炭みたいな感じで 葉っぱの痕跡を見つけることが
とても難しいブレンドになっております


ですからこのように

軽くほぐすのですが 少し力を入れると粉々になってしまいそうです…
まるで練り物のような形態ですので これで本来の葉っぱのはじける味わいを感知できるのか
甚だ疑問を感じるところになりますが
それはおそらく作者の意図したところであり 求めるところが違っているようです…。

見た目もそうですが このブレンドには名前の通りの 圧倒的存在感と威圧感があります

TRDC のレビューをチラッと見ると このブレンドのニコチンの強さを指摘する方がいますが
私の感じたところでは ニコチンは弱くはありませんがさほどでもなく強さもほどほどに感じます
ラタキアの含有量は多いように思えるのですが いたって主張のないラタキアであり
そのラタキアよりもメインにこのブレンドの味を引っ張ってゆくのは
やはり ダークファイアードケンタッキー ということになります
それに バージニアのブラックキャベンディッシュが甘みをつけてゆくのですが

このブレンドの味の主張は なんといってもこのケンタッキーのメタリックでビネガーのような酸味を少し感じるチョコレータリィな味わいで それを周りから覆い包んでいるのがラタキアの役割かと思います
まさにペリー提督の黒船を思わせるような ケンタッキーとラタキアの織り成す 
くろがね のようなメタリックで威圧感のある味わいが
このブレンドの特徴になります



感想

このフレイク 掴むとポロポロと裂けてゆくのですが 湿気が思った以上にあって少し柔らかいです
しかし乾燥させなくともそのままで火が付きます

ほぐし方は 細かくほぐさず軽く雑にほぐして軽く詰めた方がいいと思いました
フレイク自体は練り物の様な感じがしますので 力を入れて解すと粉々になってしまいます
大き目の塊で詰めてやった方が酸味もありケンタッキーの強さがあまり強調されませんので良いかと思います
また なかなか点火はしずらいのですが 数度の点火でやっと火が付き いったんその状態になると
火が消えず静かに細く最後まで燃えてくれますので 素晴らしいクールスモーキングが出来ます


この特徴がこのブレンドの最大の売りで 静かなクリーミィな喫煙が楽しめるようです
この喫煙の瞬間は実に素晴らしく 何物にも邪魔されない静かで荘厳な世界がそこの広がるようです

またこのブレンド 大きなパイプよりも小さめのパイプの方が良いと思います
一つは火持ちが良いことと もう一つはやはり結構な強さがありますので小さ目のパイプでちょこちょことやった方が良いかと思いました 



点火とともに
まずやって来るのはラタキアの香りになります
スモーキーでウッディなラタキアの香りになりますが あまりスパイシーなところは感じないようです
その辺りは 含有量の割におとなしいラタキアである認識になります
すぐにケンタッキーが頭角を現しますが ラタキアよりも味わいはケンタッキーにシフトしてゆきます

最初はこのようなケンタッキーにつきものの リコリスのような甘さを感じたものですが
そうではなく その甘さはブラックキャベンディッシュにおけるバージニアの味わいになります
まろみがあって角のない柔らかで深みのある甘みになりますが
シトラスもヘイもない 穏やかでマイルドな甘みになります

安定した燃焼が進んでゆくと やはりケンタッキーの存在が抜け出してくるのですが
含有量の問題なのか ブラックキャベンディッシュのせいなのか あるいは
じっくりと加熱されて熟成されたせいなのかわかりませんが
ストロングな強さというものはなくスパイシーさも程ほどでとても穏やかなケンタッキーになります
これもこのブレンドのケンタッキーの特徴かと思います

さらにこのブレンドケンタッキー由来のものだと思うのですが
ビネガーの様な熟成された酸味を感じるので 少しペリクを思わせます
甘さはブラックキャベンディッシュによるところが一番ですが
ケンタッキーにつきものの チョコレートのような味わいを感じるところになります
酸味とチョコレートの味わいですが よく言うナッティな香ばしさはほぼ感じませんん

ウッディでスモーキーなラタキアに包まれ ブラックキャベンディッシュの甘さとともに
メタリックで独特のチョコレート風味のケンタッキーの味わいがこのブレンドを引っ張ってゆきますが
結構感じるビネガーのような酸味がこのブレンドのアクセントとなって
静かでクリーミィで重厚な味わいが飽きさせることなく最後まで続いてゆきます
静かに考え事をするにはいい瞬間ですね ケンタッキーが好きでない方でも
そういった意味において素晴らしいブレンドだと思います

ただし やはりそこはケンタッキーなので 少しやはりニコチンが強いかもしれません
なので 深く潜航すると後で額に汗を少しかくようなところがあります

それと フレイクの形態というか 練り物の様な具合なのでフレイクが均一なので
味が少し単調になるかと思います 味自体は素晴らしいのですが
味にはじけるところがなく複雑さはないようです

それにも増してなんとも圧倒させる味わいがあるのですが常喫には少しきついようです



このブレンドの味わいを表現するのに 似たようなところのあるブレンドを拾ってみました

① Samuel Gawith - Balkan Flake
② Mac Baren - HH Latakia Flake
③ Peter Heinrichs - Dark Strong Flake

④ Mac Baren - HH Old Dark Fired
⑤ Rattray - Stirling Flake


①と②に関しては ケンタッキーは入っていませんが
ラタキアという観点から連想したブレンドになります
どちらもフレイクになりますが ラタキアの感じが似ているのは①になるかと思います
さほど特徴のないラタキアであり ケンタッキーを連想させます その感じが似ていると思いました
②のラタキアはもっと主張があって美味いと思うのですが このブレンドもケンタッキーを少し連想させるところがあるようです 酸味がありますね


③ はケンタッキーということで連想するブレンドになりますがこのブレンドとオーリックのDSK は
どちらも似ておりリコリスの甘さが付いています ケンタッキーにはリコリスの甘みを使うのが一般的ですが ケンタッキーのフレイクという点で似た部分があります
こちらは軽めで喫いやすいブレンドであまり似たところはないようです


④ はMac Baren の人気商品ですが 素晴らしい甘さがあります ラタキアは入っていませんが
ビネガーのような酸味があり喫いやすいです ただしこちらのケンタッキーの方が少しストロングなところがあってきつく感じるかもしれません

⑤ は同じコールハスの製造になりますが やはりラタキアは入っていません
リコリスは入っているようですが ケンタッキーがより強く感じます 
独特のブレンドでこの中では一番きつい部分があります



ラタキアが入っていようといまいと ケンタッキーが力強く どのブレンドも似た部分があるのですが
ラタキアの質は ① が似ていると思われ
ケンタッキーとしては ④が一番近いのかなと感じます しかし当ブレンドのケンタッキーはもっと穏やかでラタキアの存在もあるかもしれませんしあるいはブラックキャベンディッシュのまろみのせいかもしれませんが もっと柔らかなものを感じるようです

タンバイトもなくとても喫いやすいと思うのですが ラタキアが嫌いな方にはダメですね
最初に述べたように 素晴らしいクールスモーキングが出来ますので いいタバコかと思います
こういったケンタッキーがメインのブレンドは ニコチンが強いので何かと難しいブレンドになりますが 少し強めで喫いやすいのは当ブレンドでしょうか
複雑さはありませんが面白いブレンドかと思いました
ケンタッキーがお好きなかたにはお勧めします

そんな感想となります
それでは また

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