鳥とパイプと日本酒のおっさんメモ

おっさんの日々の散歩における鳥たちの写真と、好きなパイプタバコの感想
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Peter Heinrichs - Dark Strong Flake (Special Selection)

2020年06月29日 | パイプタバコ
2020年 6月

今回は Peter Heinrichs - Dark Strong Flake (Special Selection)

peter-heinrichs(ピーター ハインリッヒ) のブレンドとしては 3作品目となりますが
どうも SPDC の在庫状況を見ると このブレンドの人気が一番高い様です
(お手軽ラインとしては) なので 良く品切れを起こしていますが 最近は潤沢に入荷があるようで その際の購入となりました。

ちなみに これまでのラインとしては
 1 Curly Special (Special Selection)
 2 Golden Sliced (Special Selection)
 3 Dark Strong Flake (Special Selection)


すべて スペシャルセレクション というシリーズになっておりますが
バカ高い Curly Block(80㌦/250g) を除いて このラインがこちらのブランドの人気商品たち
ということになります。

ピーターハインリッヒブレンドは 委託製造ですから 1 に関してはおそらくマクバレンが
2と3 に関しては オーリックの製造となっており
TRDC の評価が一番高いのが 2の 3.³ということになります
1と3に関しては その評価が 2.⁹ という事ですからあまり高いわけではありませんね

その原因として考えられるのは 一つは 委託製造が原因かと思われます
オーリックの看板商品のゴールデンスライスド とダークストロングケンタッキーは
いずれも評価が 3.³ なのですが こちらの ダークストロングフレイクはそれに比べると
ずっと低い評価となっております 味わいは少し異なるのかもしれませんが
むしろ こちらのブレンドは お気に入り度も高く オーリックのそれよりも高くなっています。


オーリックのそれと比べてどのように味わいが違うのかは 今回は分かりませんが
どうやら トッピングの モラセスとリコリスの含有量の違いによる差 と考えることで
説明がつくかもしれません・・・
まあ そんなことを頭に入れながら このブレンドを味わってみようと思います。


さて このシリーズ 冒頭の写真のように 全く同じ体裁の 100g缶に入っていますね
ドイツのタバコではお馴染みの ペンキに使う缶で 気密性の高い缶になっています
ですから パッコンと蓋をすると湿気がほとんど抜けません
いつもの様に空いた2㌉缶に小分けして喫うのですが


本体の方は 横に Dark Strong と書いてあるだけの同じ体裁です


蓋を開けると目を引くのは

この様に厚く小さく裁断された ツートンカラーのフレイクが入っています
黒っぽいのと 茶色の明るい目のフレイクが混ざっているのですが


取り出すと

その差は歴然としていますから
明らかにケンタッキーの部分のフレイクと バージニアの部分のフレイクの混合体となっていることがわかるのですが

そのやり方としては キャベンディッシュタイプのバーレィ・ケンタッキーのフレイクに
バージニアのフレイクを重ねて圧縮熟成をかけてのち
スライスしたものと思われます
(バージニアのフレイクには あらかじめバーレィなりケンタッキーなりが入っているのかもしれません レッドバージニアの存在はあまり感じませんが 色が黒めなのでそうおもいました)

ですからその接合部分で このようにばらけてくるのですが
黒い所と 茶色の部分との配合比率は同じになります

見た目はかなり違うフレイクの混合体になりますが あまり気にせず適当にこれらのフレイクを 解して詰めるのですが あまり違いは出てこないようですし逆に味が変わればそれも面白い所になります。


ただ揉み解すとき 黒い方のフレイクに少しベトツキを感じますので
そちらの方にモラセスやら リコリスのケーシングかトッピングがなされているのかと感じます


葉組を見ると
Kentucky, Virginia となっているのですが
フレイバーが
Other / Misc と書いてあります

一方 オーリックの Dark Strong Kentucky の方は
葉組が
Kentucky, Virginia なのは一緒ですが
フレイバーが
Licorice, Molasses となっています

ブレンドの説明を見ると
A spicy, danish cake-mixture from Virginia and Kentucky
Aged cakes of red Virginia and fire-cured dark Kentucky tobaccos give this full- bodied, flavorful flake an unusually rich and naturally spicy taste
.
この様に書かれているのですが
先に述べたフレイクの作り方が書いてあるようです

同じく DSK の方は
Blending fine black cavendish with the irresistible qualities of Kentucky burley gives this flake a look, taste and feel uniquely its own.
この様に書かれていて おそらく黒い方のフレイクは
バーレィとケンタッキーのブラックキャベンディッシュ になるのかと思われます。


そしてフレイバーの方は 書き方は違えど 
どちらも モラセス(糖蜜)と リコリスが入っているのだと思われます 。


さて 感想 になります

少しベトツキがありますので 少し乾燥させたほうが火がつき易いです(10分位)

このタバコ Dark Strong という名前ですから 相当きついタバコを想像したものですが
全くそんなタバコではなく ニコチンも強いわけではなくストロングテイストのケンタッキー
という訳でもなく 実に甘味の強いながら マイルドな口当たりの
とても喫いやすいタバコですね。

ちょっとドライで 少しナッティーで少しチョコレートを思わせる風味があり
それにバージニアのアーシーさとシトラス が加わります

さらにはトッピングのリコリスの あんこの様な甘さと 
ラタキア好きにはお馴染みの Russ Ouelletteブレンドの ベンガルスライス、あるいは
フュージリアーズレイション  また GLPの ガスライトなどの生薬の胃薬のようなアニス風味
を思わせるような味わいがとても病みつきになるブレンドになります。


点火と伴にまず起ちあがるのは バージニアのシトラスの香りになりますが
ブライトバージニアがメインの甘さがあるようです
しかしそれよりも強くこのブレンドを支配するのは ケンタッキーの味わいになります
少しドライでストロングなケンタッキーがすぐにやって来ますが
驚くほどマイルドでガツンと来るいつものケンタッキーのイメージとは違うようです

味の強さはほどほどに モラセスとリコリスのまったりとした甘さが全体を支配して行きます
バージニアの甘さというものよりも この甘さがメインになりますが
意外なほどしつこくなく ケンタッキーバーレィと美味くマッチして
あっさりとしていながらコクのある甘さを作るようです

ケンタッキー バーレィのもつ チョコレート ココアのような風味の甘さを感じますが
リコリス由来の あんこの様な甘さを感じますが これが落ち着きを与えるようです
私はこういう感じの甘さは嫌いではありません

リコリスというと 同時にいつも 生薬の様な 胃薬の様な独特のバーヴの薬臭さを
感じさせるのですが このブレンドでも開缶直後は その香りを強く感じます

何度も吸い進むうちに その香りは次第に消えて行くようですが
この香りはリコリス由来の物だと思われます
この部分が先にも述べた ブレンドにも感じられる部分なのですが
少し気になります

そこで少し調べてみると
リコリスというのはスペインカンゾウというこれまた馴染みのない甘草の根のことで、それとアニスオイルで味付けされたものの総称をリコリス菓子というようです。 ... これまた調べてみると中華料理で使うスターアニス(八角)とは別物ということだが、両者とも似た香りでアニスの代用品としてスターアニスが使われることもあるらしい。


アニスの香りや味
アニスのスパイスを食べると甘く爽やかな香りがしてきます。スッキリ系の胃腸薬の匂いにも似ていなくもないですが…
香りの主成分はアネトールで、フェンネルなどと同じ成分です。オイルにした場合は約90%がアネトールです。


どうも独特の香りの部分は アニスオイル由来のアネトールからくるとおもわれ
甘さの方は 甘草の根の部分に含まれる グリチルリチンから来ると思われます

グリチルリチン
グリチルリチン (glycyrrhizin) またはグリチルリチン酸は甘草の根に含まれる有効成分である。スクロース(砂糖)の30から50倍の甘みを持つといわれる。

グリチルリチンの甘さは砂糖より遅く立ち上がり、後に引くため、砂糖の甘さとは異なる。また、特徴的な甘草の味があるため、砂糖の代用としてそのまま使用するには不適当である。高熱下でも安定している点が人工甘味料のアスパルテームとは異なる。
アメリカ合衆国においては安全性の認められた調味料ではあるが、甘味料としてではなくキャンディーや薬、タバコの味付けに用いられる。


とまあこの様な事が書いてあるのですが
なかなか日本ではなじみがないのがこのリコリス アニス ということになります

でもこの香りと味わいは 慣れてくると病みつきになるところがあるようです
その独特の風味に ケンタッキーのドライなスパイシーな味わいと旨み
バージニアのこれとは別の甘さと風味が合わさって このブレンド独特の味わいを作っているのを感じます。


このブレンドに使用されている葉っぱは何処の物かは明記されていませんが
Golden Sliced には オールドベルトのバージニアが使われています

その所を考えると やはりその辺りのバージニアと お隣のケンタッキーはテネシーあたりの
バーレィが使われているのかもしれません・・・

しかし ケンタッキー自体にはさほど特徴的なものは無く バージニアとて特別なものを感じるわけでもありません・・・
あまり複雑な味わいもある訳ではなく いたってシンプルなブレンドなのですが
出来上がったブレンドとしては強さも丁度よく 独得の甘さもあり 実に喫い易いブレンドになっていますね 

騙されたような気がする実に美味いブレンドかと思います
売れ筋ランキングではオーリックの方ではやはり バージニアの ゴールデンスライスドの方が高いのでしょうが  ピーターハインリッヒの方では逆に こちらの ダークストロングフレイクの方が高いところがよくわかりませんが
私としてはある意味わかるような気もします 後発品という事ですから・・・
まあそれだけ美味いブレンドだという事でしょうか



ケンタッキーも強すぎないので ラタキア党にとってもかなり好きなブレンドタイプになっていると思います。
ついつい手が伸びる気のおけないブレンドです
お勧めします

それでは また
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