今回訪れたのは、栃木県日光市足尾の備前楯山です。あと1回残っていた青春18きっぷを利用して行ってきました(足尾に通じるわたらせ渓谷鉄道では使えませんが…)。
足尾といえば銅山。この備前楯山はまさに足尾銅山そのものといった山で、山中には多数の坑道が掘られています。
そしてもう一つ、足尾といえば日本における公害の原点でしょう。山を削って行われる銅の採掘と、採れた銅の精錬に使用する燃料としての木々の伐採、精錬所から排出される有毒の煙による煙害で植物が枯れて育たずといった理由から、銅山周辺の山々は地表がむき出しになっています。植物の育たない斜面は大雨の度に表土を流失し、山地の荒廃に拍車をかけるのです。
山自体はわたらせ渓谷鉄道・間藤駅からは1時間30分程が林道歩きで、登山道入口からは45分程度で山頂です。行きも帰りも林道歩きがつらかったです…。
山頂からパノラマ写真風に。鉱山閉鎖から数十年、これでもだいぶ緑が戻ったとのことですが、まだまだ緑の根付かない土の部分が目立ちます(この日は霞んでいたために山の荒れ具合は分かりにくいですが。男体山も見えませんでした)。
精錬所の廃墟ですな。周辺には鉱山関連の廃墟と痩せて荒廃した山ばかりの風景でした。ただ、いたるところで自然復元のための作業が行われていました。いずれは緑の山が復活することでしょう。
私の暮らす埼玉県和光市から、わたらせ渓谷鉄道終点の間藤駅まで片道4時間30分。長かったぁー。