昼休みに庭の草取り。
汗が噴き出てくる。汗をかくのは爽快だし、その後の水も美味しい。
しかし、若いころとは何か違う。
疲れやすくなったことと、発汗で脱水になりやすい。
そのせいか、汗をかくと頭痛が・・・。
結果、職場でシャワー。
5時前に来たワンコ。
子犬で2回目の混合ワクチン。
1回目はペットショップで打ってあった。
1回目が早かったので、3回接種したほうがいいと言われたのだそうな。
子犬のうちの混合ワクチンは最後の接種時に生後3カ月未満だと不完全らしい。
つまり、母犬から貰った移行抗体がワクチンの邪魔をするから。
でも、できれば2回で済ませたい。
経済的・・・?
この子もそうだった。飼主さんは2回で終わらせたい。
二日後がちょうど3カ月齢だ。
「今日でもたいして変わらないのでは・・・?」と提案した。
最終判断は飼主さん。
結局、6種混合ワクチンを打った。
帰宅後に頭や身体をこすりつけて痒がっているとのことで電話あり。
「やばい・・・。」
「すぐに連れてきてください」と返事した。
アナフィラキシー!!!
すぐに、ステロイドを注射。
「経過観察のために後3時間ほど預かります・・・。」
痒みはすぐに止んで、良かった。
こんなことはあまりないが、皆無ではない。
僕自身、すごいストレスだった。
アナフィラキシーで死亡することもあるからだ。
我が院での経験では顔が腫れる、いわゆるムーンフェイスや涎だけだった。
他院では死亡例もあると聞く。
交通事故のようなもので、こればっかりは注射してみなければわからない。
ロシアンルーレットみたいで、予防法はない。
接種前に体温を測ったって意味ないし、聴診でワクチンアレルギーがわかるものでもない。
できるだけ多くの時間をさいて問診をすることしか・・・。
それも、やっぱり、責任逃れの口実か・・・?
実際に、重篤な症状に発展したら、もう謝るしかない。
謝ったって、許してくれる飼主さんは少ないだろう。
命を預かる仕事はこんなもんで、逃げ場がない。
ストレスと隣り合わせだ。
何年か前に、これはワクチンではなかったのだが・・・。
ネコの避妊手術で術中に死亡したことがあった。
そのネコは分娩後2カ月ほどたっていただろうか。
早くしないとまた妊娠してしまうのでと催促されていた。
もう産後の肥立もいいだろうと、手術の日がきた。
全身麻酔をかけた。
なんだか、弱っているようにも見えたがそうでないようにも。
腹部を切開して、左右の腎臓が異常に大きいの気づいた。
避妊手術では普通は腎臓まで見ることはない。
不思議にも、子宮が見つからない。
やっと見つけて、いざとという時になって、呼吸が止まった。
心音も弱い。
モニターの「ピー」という音だけが室内に響き続けた。
蘇生措置と同時に大至急腹膜を縫合して皮膚を縫合するうちに、舌が紫色になった。
急激に酸素濃度が低下して、心停止。
出来うる限りのことはやったつもりだが・・・。
飼主さんに電話した。
「すみません、いま手術中なんですが、急に呼吸が止まって心停止してます。大至急、来ていただけますか」
「てめえ、どういうつもりだ?だだじゃあすまねえぞ!おお、!!」
しばらくして、来院された。
もう謝るしかない。状況を説明するにも、納得されない。
それも当然だろう。僕が逆の立場だったら、同じ心境だ。
土下座して謝った。
何時間もそんなことで押し問答が続いた。
やっと、許してもらえた時には外はもう暗かった。
手術を始めたのは昼過ぎだった。
結局、釣銭やら何日分かの収入やら五千円札と千円札で三十万ほどあったろうか。
全額差し出した。
後でわかったことだが、そのネコは前日にシャンプーをしていた。
そのストレスもあったのだろうか・・・?
手術前には血液検査やらワクチン接種やらで何度か来院を課する病院もあると聞く。
しかし、何度も病院へネコを連れて来ることはネコにとってもストレスだ。
それに加えて、検査費用もかかる。
避妊手術は「テレフォンショッピング」に例えられる。
あちこちの動物病院に電話して料金を比較して考えるのだという。
料金に統一性がなければ、それもありだ。誰でもそうするだろう。
それゆえに、避妊手術の料金を上げることは動物病院の死活問題でもある。
まー、とにかく、予測不可能な事態が起こるのは、命を預かる上でしかたない。
僕の「うつ」ももとはといえば、この「命に関わるストレス」が原因だ。
この職業を選んだことを後悔することもある。
が、しかし、そんで今の妻と出会えたのだから、後悔よりも感謝かな・・・?
唯一、この時の事態で救われたことは、
僕も実際に予測不可能なことだから、いくら気を付けたってまえ起きるだろう・・・。
「もし、許していただけないなら、僕はこの動物病院を明日から閉院します。」
それは本気だった。予測できないことにオドオドして仕事はできない。
「閉めることはない。」男は言った。
耳を疑った。
さっきまで泣いていた連れの女性が、帰り際に、僕の傍を通る時に、「頑張ってください。」
胸が熱くなった。
許されるはずがないのに。
お金で済むことではないし、もうあのネコは二度とこの世には帰らない。
獣医も人間で神様じゃないから失敗もする。
だからといって許してもらえるはずもない。
汗が噴き出てくる。汗をかくのは爽快だし、その後の水も美味しい。
しかし、若いころとは何か違う。
疲れやすくなったことと、発汗で脱水になりやすい。
そのせいか、汗をかくと頭痛が・・・。
結果、職場でシャワー。
5時前に来たワンコ。
子犬で2回目の混合ワクチン。
1回目はペットショップで打ってあった。
1回目が早かったので、3回接種したほうがいいと言われたのだそうな。
子犬のうちの混合ワクチンは最後の接種時に生後3カ月未満だと不完全らしい。
つまり、母犬から貰った移行抗体がワクチンの邪魔をするから。
でも、できれば2回で済ませたい。
経済的・・・?
この子もそうだった。飼主さんは2回で終わらせたい。
二日後がちょうど3カ月齢だ。
「今日でもたいして変わらないのでは・・・?」と提案した。
最終判断は飼主さん。
結局、6種混合ワクチンを打った。
帰宅後に頭や身体をこすりつけて痒がっているとのことで電話あり。
「やばい・・・。」
「すぐに連れてきてください」と返事した。
アナフィラキシー!!!
すぐに、ステロイドを注射。
「経過観察のために後3時間ほど預かります・・・。」
痒みはすぐに止んで、良かった。
こんなことはあまりないが、皆無ではない。
僕自身、すごいストレスだった。
アナフィラキシーで死亡することもあるからだ。
我が院での経験では顔が腫れる、いわゆるムーンフェイスや涎だけだった。
他院では死亡例もあると聞く。
交通事故のようなもので、こればっかりは注射してみなければわからない。
ロシアンルーレットみたいで、予防法はない。
接種前に体温を測ったって意味ないし、聴診でワクチンアレルギーがわかるものでもない。
できるだけ多くの時間をさいて問診をすることしか・・・。
それも、やっぱり、責任逃れの口実か・・・?
実際に、重篤な症状に発展したら、もう謝るしかない。
謝ったって、許してくれる飼主さんは少ないだろう。
命を預かる仕事はこんなもんで、逃げ場がない。
ストレスと隣り合わせだ。
何年か前に、これはワクチンではなかったのだが・・・。
ネコの避妊手術で術中に死亡したことがあった。
そのネコは分娩後2カ月ほどたっていただろうか。
早くしないとまた妊娠してしまうのでと催促されていた。
もう産後の肥立もいいだろうと、手術の日がきた。
全身麻酔をかけた。
なんだか、弱っているようにも見えたがそうでないようにも。
腹部を切開して、左右の腎臓が異常に大きいの気づいた。
避妊手術では普通は腎臓まで見ることはない。
不思議にも、子宮が見つからない。
やっと見つけて、いざとという時になって、呼吸が止まった。
心音も弱い。
モニターの「ピー」という音だけが室内に響き続けた。
蘇生措置と同時に大至急腹膜を縫合して皮膚を縫合するうちに、舌が紫色になった。
急激に酸素濃度が低下して、心停止。
出来うる限りのことはやったつもりだが・・・。
飼主さんに電話した。
「すみません、いま手術中なんですが、急に呼吸が止まって心停止してます。大至急、来ていただけますか」
「てめえ、どういうつもりだ?だだじゃあすまねえぞ!おお、!!」
しばらくして、来院された。
もう謝るしかない。状況を説明するにも、納得されない。
それも当然だろう。僕が逆の立場だったら、同じ心境だ。
土下座して謝った。
何時間もそんなことで押し問答が続いた。
やっと、許してもらえた時には外はもう暗かった。
手術を始めたのは昼過ぎだった。
結局、釣銭やら何日分かの収入やら五千円札と千円札で三十万ほどあったろうか。
全額差し出した。
後でわかったことだが、そのネコは前日にシャンプーをしていた。
そのストレスもあったのだろうか・・・?
手術前には血液検査やらワクチン接種やらで何度か来院を課する病院もあると聞く。
しかし、何度も病院へネコを連れて来ることはネコにとってもストレスだ。
それに加えて、検査費用もかかる。
避妊手術は「テレフォンショッピング」に例えられる。
あちこちの動物病院に電話して料金を比較して考えるのだという。
料金に統一性がなければ、それもありだ。誰でもそうするだろう。
それゆえに、避妊手術の料金を上げることは動物病院の死活問題でもある。
まー、とにかく、予測不可能な事態が起こるのは、命を預かる上でしかたない。
僕の「うつ」ももとはといえば、この「命に関わるストレス」が原因だ。
この職業を選んだことを後悔することもある。
が、しかし、そんで今の妻と出会えたのだから、後悔よりも感謝かな・・・?
唯一、この時の事態で救われたことは、
僕も実際に予測不可能なことだから、いくら気を付けたってまえ起きるだろう・・・。
「もし、許していただけないなら、僕はこの動物病院を明日から閉院します。」
それは本気だった。予測できないことにオドオドして仕事はできない。
「閉めることはない。」男は言った。
耳を疑った。
さっきまで泣いていた連れの女性が、帰り際に、僕の傍を通る時に、「頑張ってください。」
胸が熱くなった。
許されるはずがないのに。
お金で済むことではないし、もうあのネコは二度とこの世には帰らない。
獣医も人間で神様じゃないから失敗もする。
だからといって許してもらえるはずもない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます