レオパレス２１はまだマシか

更新を怠っているにもかかわらずアクセス数が上昇し続けているのは、「レオパレス２１　倒産」でググると拙ブログがトップに表示されるからなんでしょう。たしかに先日の半端ねー大幅業績下方修正が嫌気されて売りが殺到、連日の東証１部下落率トップ銘柄になるなど株価も急落中であり、オーナーの方々にも不安が広がっているようです。

いつもお邪魔している不動産銘柄ウォッチャーのコチラ様がわかりやすく解説されておられますが、中期計画を読んでも明るい展望がないなあというのが正直な感想です。これまで賃貸を「建てさせすぎた」からなんですが、どこかの時点で自転車操業のスパイラルに陥っていたと考えられます。

入居率が下がり賃貸事業の逆ザヤで赤字
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後先考えずに受注し、建築と新築時の免責期間で荒稼ぎして一息つく
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でも新たな不採算物件がここに誕生
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また受注に走る

出版社の危機とも構造が似てるというか全く同じですね。

本が売れない
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出版点数を増やす
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取次から入金があり一息
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と思ったら返本の山
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また新刊を投入する

ともに斜陽であり、他の業種のように国内市場がシュリンクしてから海外に活路を見出すのが難しいドメ産業であることも共通点です。

今回の中計でレオは当面手荒なことはしない（１０年未満の契約賃料には手をつけない）と宣言しましたが、裏を返せば１０年超過の物件は容赦なく引き下げをしていくという意味でしょうし、経営企画本部の下に「家賃管理部」などという部署を新設したのもその証左ではないかと。

でも、家賃を下げられたとしても定額賃料が毎月入ってくるわけだし、こうやって上場企業としてのＩＲ義務から詳細な開示（内容はともかくとして）がなされるだけ、レオオーナーはマシなのかもしれません。先のエントリーのコメント欄で「地方の惨状」に言及している方がいましたが、私も先日行った東北地方の政令都市の状況を目の当たりにして、それを強く感じました。住宅地である実家の周囲の賃貸物件は１０年前から既にダブつき気味でしたが、いっそう空室が目立ちます。

ガキの頃によく遊んだ従兄弟の家に不幸があり久しぶりにお邪魔したのですが、この親戚は５～６年前に某大手プレハブメーカーの甘言に乗せられ、自宅の離れにワンルームを４戸建てたのですが、しばらく入居者１室のみの状況が続いているといいます。掲げられた「入居者募集」の金赤文字看板よりも、南面の４室のうち１室しか部屋にカーテンがかかっていない寂しい光景の方が余計気を重くさせます。他人でさえそうなのですからオーナー本人は毎日憂鬱でしょう。しかもここは家賃保証でなく一般管理なので、アパートの借入金の返済に追われて青息吐息です。自宅のローンなんて大昔に終えていて、老後は角地の広い庭を眺めながら悠々自適の生活のはずだったのですが、一転して火の車なのですから大誤算でしょう。建てる前に相談してくれれば良かったのですが・・・。かように「家賃収入」とか「権利収入」（アムウエイの代表的なセールストーク）という甘美な響きに人は弱いものなんですね。

建ててしまったものは今更どうこういっても仕方ないのですが、ＢtoＢと違って素人さんを巻き込んだ転貸ビジネスというのは罪だなあと、つくづく思います。