身長の低い人

久しぶりに「朝まで生テレビ」を眺めていて、相手に対してアグレッシブな人というのは小柄なことが多いんだなあと改めて感じました。今さらですが、オープニングで渡辺＆長野に挟まれる田原総一郎の低身長ぶりが際立ちます。猪瀬直樹もどこかの視察で石原知事と並んで歩いているシーンを見たんですが、かなりの差がありましたし、信州つながりでいえば、あの田中康夫も実際は１６０センチそこそこしかないようです。ＴＶには出ませんが論壇で引っ張りだこの佐藤優も、近くですれ違ったら吃驚するほど小さかったです。（横幅は大きかったが。。）

先日も同僚が外回りの途中で、某百貨店で買い物を終えて車寄せに立って携帯電話で大声を出している（あの独特のダミ声の主だから目立つ）田中真紀子に遭遇したらしいのですが、「１５０センチもないんじゃないか」と、その体躯に驚いていました。私も彼女が小柄だというイメージがなかったものですから、ちょっと意外な感じがしましたが、ＴＶスターの要件を考えると、真紀子氏が小さくても不思議はありません。

ＴＶで活躍する売れっ子芸能人は、むしろ大きな人を探す方が難しく、ちょっと思いつくまま挙げてみても、中居正広、堂本剛、浜田雅功、水道橋博士など１６０センチ台前半の人が主流です。たけしやタモリも１７０センチ未満ですよね。かようにＴＶの世界では、身長の低い人が明らかに有利だと思うのですが、これは我々一般人もデジカメやビデオカメラを持つと実感できます。普段は子どもを撮ることが多いので、その感覚で大人を撮ろうとすると結構難しいものです。フレームからはみ出しちゃうからなんですが、芸能人はＴＶという枠の中で、いかに自分を大きく見せるか、つまり自らを最大限フレームアップすることを競っているわけで、元は大きくない方が都合が良いのです。

私は営業会社にいたことがあるので、セールスの世界では小柄な人が大成するというのを体験的に知っています。これはエネルギッシュな雰囲気が醸し出されることと、フットワークが軽いこと、何より相手に警戒心を抱かせないというのが大きいでしょう。この「警戒させない」というのは非常に重要で、対顧客はもちろん、社内政治的にもアドバンテージになります。だから偉くなる場合が多く、営業系の役員・支店長・所長クラスも大概小柄で、「小さな巨人」と怖れられている人も何人かいました。優秀で頭も良くガッツがあるので、社会人になってからは、低身長の方に尊敬できる人物が多かったように思います。

バブル時は３高とかいって、しきりに高身長がモテると喧伝されていましたが、実際はそんなことはなかったように記憶しています。周囲の女性に聞いても、相手の男性には、身長よりも顔を重視するという人が多かったです。まあ、異性から面と向かってこの種の質問をされた時の回答は、必ずしも額面どおりには受け取れないものですが、ネットの人生相談などを眺めてみても、身長が低いことにコンプレックスを持つ男性に対して、匿名で答える人の多くは、あまりこだわっていない感じです。

近頃は、またぞろ解散風を感じるようになってきましたが、政治家という職業も小柄な方がいいでしょうね。ＴＶポリティクス時代であるということもそうですが、リアルでも背が低い方がいいかなと。演説はどうせ高い所に登ってするものだし、友人の選挙運動を手伝ったときに感じたんですが、身長１８０センチ超の彼が有権者と握手しながらねり歩くには、腰を大きく折り曲げねばならずいかにも窮屈そうで、世のおばちゃんたちと同じ目線でお願いできるくらいの身の丈の方が親近感がわきそうです。日本の風土では、学歴と能力は高く、身長が低い人が候補者として最適かもしれません。