今日(5/31)の相場で目立った銘柄として、JASDAQのタカギセイコーが挙げられています。
日本経済新聞で、「金属並みに加工が容易な自動車向けの炭素繊維材料を開発することに成功した」と報じられた(リンク禁止なので張りません)のが材料視されたからです。
炭素繊維は軽量で強度が高いのが特徴で、航空機材料に取り入れられていることからも分かるように、輸送機器素材としての適性が高い素材です。
しかし加工やリサイクルが難しく高価であることから、自動車用としては、レーシング・カーをはじめとした、一部の車種に用いられてきたに過ぎません。
それが容易に加工できるようになり、大量生産でコストを引き下げることができるのであれば、高い期待が持たれても不思議はありません。
…それでも、今日の反応はちょっと大きすぎのような気がします。
“様子見”の雰囲気が拡がる中での数少ないポジティブ・サプライズ要素として、強く反応したものと思われます。
というのも、炭素繊維は有望な素材ではありますが、よいコトばかりではないのです。
炭素繊維の問題の一つが、耐衝撃性の低さです。
炭素繊維が使われている製品の一つに、スキーのストック(ポール)があります。かつての鉄やアルミ製より軽いので、ワタシも使っています。
ただし、派手に転んだりしてストックに強い力がかかったトキ、金属製のストックは「ぐにゃっ」と曲がるのに対して、炭素繊維製のストックは、ポッキリと気持ちヨ~く折れてしまいます。ワタシも一本、折っちゃいました(汗
自動車レースで事故が起こった際にも、ぶつかった車のボディ・パネルが割れて飛び散ることがよくあります。これは危険です。
従って、一般用途の自動車に炭素繊維を用いる場合、まずはボンネットやドアパネルなど、外板の一部への適用に留まることになるでしょう。
その際にも、シャシーやサイドインパクトバーの強度を上げることが必要になるでしょうから、その分の重量増加を考えると、軽量化効果は限定的であろうと思われます。
とはいえ炭素繊維は日本発の技術で、今回のプロジェクトのメンバーや、クレハや三菱樹脂といった日本企業のシェアが高い素材です。
日本企業が新興国メーカーの存在感に押され、原料としての鉄鉱石も新興国の資源メジャーに支配されることで、日本が主導できない分野になってしまった鉄鋼を炭素繊維が代替することを通じて、日本企業の存在感が再度高まることに期待したいところです。
貴方の“1日1クリック”を是非。もヨロしく!
日本経済新聞で、「金属並みに加工が容易な自動車向けの炭素繊維材料を開発することに成功した」と報じられた(リンク禁止なので張りません)のが材料視されたからです。
炭素繊維は軽量で強度が高いのが特徴で、航空機材料に取り入れられていることからも分かるように、輸送機器素材としての適性が高い素材です。
しかし加工やリサイクルが難しく高価であることから、自動車用としては、レーシング・カーをはじめとした、一部の車種に用いられてきたに過ぎません。
それが容易に加工できるようになり、大量生産でコストを引き下げることができるのであれば、高い期待が持たれても不思議はありません。
…それでも、今日の反応はちょっと大きすぎのような気がします。
“様子見”の雰囲気が拡がる中での数少ないポジティブ・サプライズ要素として、強く反応したものと思われます。
というのも、炭素繊維は有望な素材ではありますが、よいコトばかりではないのです。
炭素繊維の問題の一つが、耐衝撃性の低さです。
炭素繊維が使われている製品の一つに、スキーのストック(ポール)があります。かつての鉄やアルミ製より軽いので、ワタシも使っています。
ただし、派手に転んだりしてストックに強い力がかかったトキ、金属製のストックは「ぐにゃっ」と曲がるのに対して、炭素繊維製のストックは、ポッキリと気持ちヨ~く折れてしまいます。ワタシも一本、折っちゃいました(汗
自動車レースで事故が起こった際にも、ぶつかった車のボディ・パネルが割れて飛び散ることがよくあります。これは危険です。
従って、一般用途の自動車に炭素繊維を用いる場合、まずはボンネットやドアパネルなど、外板の一部への適用に留まることになるでしょう。
その際にも、シャシーやサイドインパクトバーの強度を上げることが必要になるでしょうから、その分の重量増加を考えると、軽量化効果は限定的であろうと思われます。
とはいえ炭素繊維は日本発の技術で、今回のプロジェクトのメンバーや、クレハや三菱樹脂といった日本企業のシェアが高い素材です。
日本企業が新興国メーカーの存在感に押され、原料としての鉄鉱石も新興国の資源メジャーに支配されることで、日本が主導できない分野になってしまった鉄鋼を炭素繊維が代替することを通じて、日本企業の存在感が再度高まることに期待したいところです。
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