トヨタの空色クラウンのテレビCMが、最近のお気に入りです。
冬の日本ではほとんど体験出来ない、柔らかい緑と突き抜けた青空のコントラストの中でのドライブシーンが、「いいなあアレ」感をおもいっきり喚起してくれます。
Hugh Jackmanはイイ声してるし、
英語版の歌詞もイイ。
クラウンといえばワタクシ、今週某靴屋さんの決算説明会に参加するトキ、街中で初めて、タクシーではない“
桃太郎”を見掛けました。
そのクルマに付いてたナンバーは「88-88」。おそらくオーナーさんは、派手好きな大陸系の方ですナ。
セルシオの登場からレクサス化を経て、すっかり“地味な選択”になってしまったクラウンですから、
若草色と合わせて限定販売される予定の空色クラウンも、同じようなコトになるかもしれませんネ。
その現行クラウンも発売時の好調が伝えられましたが、
昨年末に“発売”された燃料電池車「MIRAI」も受注が好調とのこと。
同時に「MIRAI」で用いられる
燃料電池車関連特許の無償提供が、大きな話題となっています。
無償提供の範囲がモジュール関連だけでなく、制御技術にまで及んでいるのは、正直驚きですネ。
ソレをうまく使えば、ライバル企業でも燃料電池車が作れちゃうワケですから。
…ただ、その「うまく」使う必要があるというのが、“肝”なんですょねぇ。
トヨタのハイブリッド車に関する特許は、2013年以降、順次期限切れを迎えていると言われています。
中核技術についての特許切れは2016年以降、というハナシもありますが…
日産がトヨタ方式に近い形式のシステムを搭載したハイブリッド車を投入したのが2010年10月ですから、そのあたりから少しずつ関連特許の期限切れが始まってるのではないか、と思います。
その日産がコンパクトカーへのハイブリッド展開の可能性を示したのが2012年末ですから、2013年には低コスト化の部分も含めて、ある程度まとまったモノの期限切れがあったものと推測されます。
…にもかかわらず、ハイブリッド技術でトヨタに追いつける企業は、未だ出てきていません。
日産のノート・ハイブリッドも、結局まだ出ていません(2015年1月初時点)。
ホンダがトヨタに伍しているじゃないか、と思われる向きもあるでしょう。でも、違うんですネ。
市場で競合するホンダのハイブリッドは、言ってみれば「電動ターボ」。主役のエンジンをモーターが助けるカタチです。
エンジンとモーターとジェネレータを複雑に制御するトヨタのハイブリッド・システムの方が、技術としては遥かに高度でイノベーティブです。
まぁ、それなのに同等の燃費を実現しちゃうホンダは、さすが「エンジンのホンダ」と言われるだけのコトはある、という感じでもありますがw
ワタシ自身、今どっちか買わなきゃならないとなったらホンダの方、VEZELあたりを選びますネ。
ワタシの嗜好はさておき、何でこういうトヨタ独走な事態が生じるかというと、自動車という工業製品が、単に部品を組み立てるだけで出来るものではないためです。
完成品を構成する個々の部品やモジュールの仕様、あるいは個別要素技術の使い方を、完成品の仕様に合わせて細かく細か~く、調整していく。
そういった工業を我々は「摺り合わせ型」と呼ぶワケですが、そのノウハウが自動車業界でも最も高度に蓄積されているのがトヨタである、と言って間違いは無いであろうと思います。
で、ハイブリッドみたいな複雑な構造の自動車だと、その差がこれまでより顕著に現れちゃう、と。
逆に言えば、摺り合わせのノウハウに優れるトヨタだからこそ、競合他社より複雑で高度な仕組みを実装できる、と。
構造がより複雑で安全性に対する要求も高い燃料電池車は、なおさら他社が追随するコトは難しいだろうと思います。
韓国政府が燃料電池分野への投資を行う方針を明らかにしましたが、そのタイミングからして、トヨタが公開した技術を利用する意向である可能性は高いでしょう。
でも、ソレで燃料電池モジュールなどは作れるかもしれませんが、2020年までの無償公開期限内に同国の自動車メーカーである現代・起亜が燃料電池車を市場投入できるかというと…
ワタシは首を傾げちゃいますネ。
それじゃあ、今回の特許無償公開に、燃料電池車の市場を育てる意味が無いかというと、さにあらず。
特許の中身を見て、自社での製品開発、さらに2020年以降の自社独自技術化が不可能だと判断したメーカーは、トヨタと提携して技術を継続的に提供してもらう“手”を選ぶでしょう。
かつて
日産がトヨタからのハイブリッド・システム供給を受けていたのと同じように。
その意味において、今回の特許“無償公開”は、トヨタにとってビジネス拡大のための“見せ玉”となるのではないかと、ワタシは思います。
仕組みとしては燃料電池システムを車体各所に分散配置するトヨタのモノよりも、従来のエンジンルーム相当部分にコンパクト化されたシステムを集中搭載するホンダのモノを欲しがるメーカーの方が多いのではないか(従来の車体設計ノウハウの流用が比較的やり易いでしょうから)と思いますが、先行しての技術公開は、ソレに対する牽制ともなるでしょう。
さて、どこがトヨタ製燃料電池システムを先に搭載してくるか…
まずは、現在でも提携関係にあるBMWあたりでしょうかねぇ?
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