p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

またまたまたまた、バーナンキさんにお願い(はぁと

2013-02-25 13:00:00 | 金融市場・経済全般
いやいや、先週末は勇者さんが予想外に多かったようで m(_ _)m

金曜の東証前場には、大人の個人狩りと思しき日経平均先物の売り浴びせがありましたが、そんな中でも続伸していたマザーズやJASDAQの状況にも見られる個人の買い意欲は旺盛なようで。
前引けちょっと前からグイグイ上がりーの、欧米時間でもジリジリ上げーので、上げきって週を終了と。
週末を持越した投資家さんも多かったことでしょう。臆病モノのワタクシには、持越しは無理でした。
で、週末にはイギリスの格下げというネガティブ・サプライズがあったことも無視して、今週のニッケイは跳ね上げて始まりました。
勇者様方、おめでとーございます。さて、押し目の気配も見えない状況で、自分の再エントリをどうすんべー。

しかし、今日・明日にはイタリア総選挙、週末にはアメリカの財政緊縮強制発動(予定)と、大きなイベントが控えているにも関わらずのこの強さ。
日本の個人マネーとアメリカの税還付マネーの株式市場への流入がリスクを押し流しているのか、去年の暮れから勝ち越してるんだから逃げるのは直前でいいやとリスクに鷹揚になっているのか、ベルルスコーニの勝ちやアメリカ財政緊縮発動は無しと踏んでいるのか。
いずれにしても、市場に溢れる楽観ムードは、気持ちいいですねw

ただ、この株高を牽引しているアメリカの景気回復の先行きが、少々気にかかるところではあります。
先週の2月分フィラデルフィア連銀製造業景気指数は-12.5と、予想外の悪い結果でした。特に、新規受注が悪いんですね。
好結果だったニューヨークとの違いは地理的なものであろうと想像されるところですが、全米のトレンドがフィラデルフィアに近い場合は、これはもちろん不安要素です。
3月初に財政緊縮発動の可能性を控え、企業が再度、投資を手控えているおそれがあると言えるでしょう。次回のISM指数にも、不安が残ります。
その場合、やはり好指標が相次いでいる消費は、資産効果に依るところ大であるという状況が、より一層明らかになるわけです。アメリカとしては、この株高を止めるわけにはいきません。

そんな中、今週は26-27日に、バーナンキFRB議長の議会証言が控えています。
アメリカの実体経済に不安が残る上、先週はFOMC議事要旨で世界同時株安を招いてしまったわけですから、
「引締めなんて微塵も考えていませんが、何か?…むしろ追加緩和もありえないハナシじゃありませんよ。」
くらいのリップサービスを期待したいところですw
前後して財政緊縮発動の再度の先送りが決まれば、相場は一安心して、もう一段上を狙えるでしょう。

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訂正

2013-02-21 22:15:00 | 金融市場・経済全般
前回エントリを書く前にカレンダーを確認した時に、目がそうとう疲れていたようで。
今週のヨーロッパのイベントは、ECB理事会ではなく、ユーロ圏財務省会合及びEU財務省理事会でした m(_ _)m
同じ「理事会」でも、重要度が全然違いますね。
それに、懸念していた円安に対する口撃が何も伝わってこないのは、少々意外なところがあります。
ドイツのジョイプレ財務相あたりは、また何か言ってくるんじゃないかと思っていたのですが。

一方で、衝撃は予想外の方向から来ました。
20日付けで公表された議事録で、先月末のFOMCにおいて出口戦略への転換が検討されていたことが明らかになると、市場は一気にリスクオフへ。
足下の株価上昇の要因としてアベノミクスへの期待が取り上げられることが多いのですが、それ以上にアメリカの景気回復への期待が大きいということを、改めて確認させられる結果となりました。

これを書いている東京時間22時現在、相場にはようやく下げ止まった観があります。
もうすぐ新規失業保険申請件数が発表されるので、その結果に期待した買いが入っているものと思われますが…
同時発表なのが、1月分のCPIなんですょねえ。こちらについては、昨年末に見られた、財政の崖問題のgdgdの影響が懸念されるところです。
ただ、仮にそれらの指標が悪くて、もう一段の下げがあったとしても、東京時間24時には2月分のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が出てきます。
こちらはさすがに好結果が予想されますから、悪くともそこで下げ止まると期待したいところです。

それでも週末から来週明けにイタリアの選挙が控えていることを考えると、あんまり強気に張る気にはなれませんねぇ。

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すーぱーまりお の こうげき again?

2013-02-18 09:30:00 | 金融市場・経済全般
先週の相場は、一進一退どころではありませんでした m(_ _)m
感覚的には、一進十退、みたいな感じでしたねぇ。
自分自身としても、なんとか損を出さないで済んで、ホッとしました。

一旦は「アベノミクス」に対するアメリカの支持を得たと見えたのが一転、G7では円安を叩かれたわけですから、仕方のないところでしょう。
それでも週の最後には、G20での円安批判回避と、アメリカの好指標というサプライズで元気よく上げて引けたのは、悪くない結果でしょう。
今週初の寄り付きも、その流れを受けて、いい感じです。

さて今週は、ECB理事会が控えています。
LTROの早期返済が今週も着々と行われ、ユーロは実質的な引き締めが進みます。
ユーロ安を望むヒト達にとっては、何らかの追加緩和が欲しいでしょうが、前回エントリでも取り上げたように、「欧州のお財布」の口は堅いわけで。
ドラギ総裁がタカ派なドイツを口説き落とすのは、難しいでしょう。
ECB前には緩和を一応警戒する動きが出るものの結局は無し、その後に反動で円安株高進行って流れを、今回は予想しておきましょうか。
その後、週末に控えたイタリア選挙での波乱を嫌って、週の最後はリスクオフになると思いますけどネ。

すーぱーまりお の こうげき!

は今回もあるでしょうが、続くG7/G20での日本袋叩きの可能性が考えられた状況であった前回ほどの衝撃にはならないだろうと思います。
前回はソレで世界同時株安を招いちゃったわけですから、口撃の程度も、少しは自重してくれるでしょうしw

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口撃の応酬(欧州)

2013-02-12 13:45:00 | 金融市場・経済全般
マーケットの流れは相変わらず、想像を絶する速さで進んでいます。
前回のエントリでヨーロッパからの危機煽りと日銀人事の応酬で往って来い、という予想をしたその晩から翌日にそれが実現したのは、正直言って驚きでした。
実は、ソレが今週くらいになるんじゃないかなあ、と感じていたのですが。

更に先週末の相場は円高株安が急進する、大荒れの展開になりました。

すーぱーまりお の こうげき!
にっけいへいきん は 350の ダメージを くらった!

てな感じでしたね。
ダメージくらったのは日経平均だけではなく、世界同時株安になっちゃいましたが。

しかしそれも週が明け、一日休みをはさんで東京市場に戻ってくるときには、すっかり元通り。
その流れのきっかけとされるのが、アジア開発銀行・黒田総裁の日銀追加緩和正当化発言を受けた円安進行です。
そういうのは、こっちの場が開いてからにして欲しいなあ、というのが正直な感想ではありますがw
日銀総裁候補と噂される同氏が正式に候補として挙げられることになれば、円安株高期待がさらに高まることになるでしょう。

今日になって円安株高がもう一段進行した材料として挙げられているのが、バイトマン・ドイツ連銀総裁の「ユーロは過大評価されてはいない」発言です。
ただしこちらは、少々不可解な面があります。
ECBの中では反ドラギ派の急先鋒で、ドラギ発言に反対すること自体が不思議ではないのは確かです。ユーロ高ではない=緩和が必要ないという論理で、これまでのタカ派な主張と合致するのも事実です。
でも、このタイミングでそれを発することで、ユーロ高加速が自国の輸出競争力低下に繋がりかねないことを理解できないようなヒトではないと思うんですょねえ。

さて、ここまでの流れの背景にあるのが、ユーロ高進行です。
昨年のユーロ危機からの回復という側面もあるでしょう。
ただし足下でそれが加速したのは、LTROの早期返済という実質的な金融引き締めの進行が、大きな材料になっているものと思われます。
今月末には、LTRO2の早期返済が始まります。放っておけば来週以降、さらにユーロ高が進行するでしょう。
これに対応するには、ECBによる金融緩和拡大が最も真っ当な策なのですが…
今回のバイトマン発言には、それを牽制することでユーロ不安を維持し、逆に中期的にユーロ安をもたらそうという意図があるのかもしれません。
今月末のイタリア選挙に来月のギリシャ債大量償還と、不安のネタには事欠きませんからねぇ…っていうのは、陰謀論に毒され過ぎかな?w

いずれにしても、今後も通貨安競争に絡んだ口撃の応酬は続くでしょう。
その一つのピークとなりそうなのが、今週末のG20です。
そこでの円安批判で、ヨーロッパが孤立するのか、日本が袋叩きに合うのか。それによって為替は影響を受けるだろうと思います。
そこに向けて、ヨーロッパからの口撃が強化される可能性が考えられます。

その前に日銀総裁候補の正式提案があるかどうか、微妙なところでしょうねぇ。
もしそれが無ければ、今日の東京時間のような一進一退が、週末まで続くかもしれません。

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次の“口撃”は

2013-02-04 12:00:00 | 金融市場・経済全般
さてさて2月相場も本格的に始まりました。

だいぶ前になってしまった前回のエントリで「日銀政策決定会合までは強気」との見方を示させて頂きましたが、その後も相場は強いですねぇ。
この強さは、正直言って想定外。
実を言うと、金融政策決定会合以後は材料出尽くしでアメリカの債務上限問題に引きずられてジリ下げ、その後債務上限引き上げ決定と共に「U・S・A!U・S・A!」と上がっていく、なんてシナリオもありかなぁ、とか思っていたのですが…
大外れ(苦笑
アメリカ議会は債務上限問題の期限を延長。危機は3ヶ月先送りとなりました。

さらに世界に拡がる景況感改善でリスクオンとなり、リスクオフの円高からの反転としての円安を背景に、進む日本株高。
輸出で競合する国からは、円安を牽制する声もあがるほど。
麻生財務大臣は「ソレは国内景気対策」とマジレスしてますが、アチラも馬鹿じゃないワケで、そんなことは百も承知でしょう。

景気を良くして自らへの支持率を上げるのが、政治家の目的の一つです。
ところが景気が改善すると円安になり、ドイツの輸出競争力が弱まる。それが景気回復の歩みを止めてしまうかもしれない。かといって、今までと同じように欧州危機を煽ってユーロ安に誘導すれば、また景気が悪化しかねない。
そんな、わざわざ支持率を下げる“手”は使えません。ドイツにとっては“打つ手無し”な、厳しい状況になりました。
9月に控える総選挙を前に、“前哨戦”で負けてしまったメルケル首相にとって、ジョイブレ財務相と共に口先介入するのが精一杯というところでしょう。屁の突っ張りにもなりませんでしたけどね。
まあ今後も、口先介入は散発的に続くんじゃないでしょうかネ。

2月に来るはずだったアメリカ発の波乱要因も先送り。円安を留めるヨーロッパからの実弾介入も想定し難い。
景気が底入れしたと見られる日本のお得意様、中国では春節に続き翌月には全人代。景気刺激策強化で成長復帰というシナリオへの期待が高まるでしょう。
そうなると、当分は強い相場の継続に期待したいところですが…
不安要素は、やっぱりヨーロッパです。

2月末に総選挙を控えたイタリアにおけるポピュリズムへの懸念が強まっているようです。
昨年末に債務買戻し交渉の期限を先送りしたギリシャも、早期にこの交渉をまとめて3月に控えた大量償還前の支援実施を取り付ける必要がありますが、その交渉は難航しているもようです。
イタリア選挙が近づき、ギリシャデフォルトの可能性が見え始める2月半ばから下旬には、実体経済への影響を避けるべくおっかなびっくりながら、ユーロ安円高を進めるためのドイツから日本への“口撃”が強まるんではないかという気がします。
問題は市場がそれをどう受け止めるか、ですが…

+2σに張り付きっぱなし、過熱指標出っぱなしの市場で、調整を求める部分は少なからずあるでしょう。
これがもう少し続いたところでヨーロッパからの危機煽りが出てくれば、素直に調整するんではないかと思います。
今月下旬には調整の可能性あり、と見ておきましょう。

それでも日本側には、日銀次期総裁人事という“次の一手”があります。
仮に市場の調整が実現化しても、さほど大きなものにはならず、却っていい押し目になることに期待したいと思います。

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株価予想について

※当ブログで2011年4月~2012年1月に開示していた株価予想は、日経平均株価の当日大引け値が、前営業日比で高くなるか安くなるかを、ワタシの独断と偏見で予想したものです。また、それ以外の株価に関するコメントについても、同様のものです。 投資判断は、あくまでも自己責任でなさって下さい。その上で、参考になれば幸いです m(_ _)m

Disclaimer

当ブログは、私、糸井正和の個人的意見を記したものであり、現在・過去・未来における所属企業もしくは契約先企業の公式見解を表すものではございません。また、書かれた内容に関する完全性、適時性等を保証するものではありません。なお、投資にあたっては、自己の判断と責任において行って下さいますよう、お願い申し上げます。直接・間接に関わらず、投資に関する一切の結果について、責任を負うものではございません。