この一週間で一番の企業ニュースは、やはりIntelによるAltera買収の実現でしょう。その額167億ドル(1ドル＝125円ちょっととして約2.1兆円)の大型買収です。
最初にこのハナシを見たトキはモバイル向け強化かな～と思ったのですが、説明資料でGartnerの予想を引いて（p.8）FPGAの需要拡大を期待しているのは、伸び率の面から見てデータ・プロセシングと自動車。
おそらくは、自動車を中心としてIoT（Internet of Things）に次の需要拡大を期待している、というコトなのでしょう。
現在の主な仕向け先であるPCの市場は縮小。それでは、とモバイルに注力して、タブレットで採用例が増えてきたと思ったら、そのタブレット市場も失速。
踏んだり蹴ったりな状況で、次の“出口”を求めるのは、至極まっとうな選択ですナ。
相当に“お高い”買い物であっても、手出しせざるを得ない、というトコロでしょう。
さて同社を含む半導体界隈では、大型のM&Aが相次いでいます。
NXPによるFreeScale買収が今回の件と同じ167億ドル。
AvagoがBroadcom買収に費やす金額が370億ドル。
こりゃスゴい。
産業にとっての環境が変わる中で、企業再編は付き物です。
ゲームの開発費が高騰した頃には、独立ゲームメーカーがパブリッシャーとディベロッパーに分かれる状況が生じました。
クスリの業界では、新薬の対象分野が少なくかつ難しい病気となる中で、創薬メーカーで再編が進んでいます。
半導体でも、牽引役としての最終需要の主役がPCからモバイルに変わるトキに、垂直統合から水平分業に、産業構造が変わりました。
で、直近の半導体メーカーの再編は、ここ数年における需要拡大を牽引してきたスマホ需要が“曲がり角”を迎えようとしているとの認識の下に進んでいるのであろうと思われます。
中国ではLTE化によって大きく伸びたスマホ販売が減少に転じました。インドでも、昨年第4四半期に前四半期ベースではとうとう減速。そうそういつまでも伸びは続かないだろうというコトが見えてきています。
一方でIoTでの需要拡大は、そのタイミングも大きさも、まだまだ五里霧中。資本を大きくして、一時的にでも来るおそれが高まりつつある市場縮小に対して備えようとするのは、自然な動きでしょう。
半導体メーカー再編は、今後も続く可能性が高いと思われます。
順列組み合わせレベルの妄想ですが、個人的にはTSMCがファブレスメーカー買ってIDM（半導体一貫メーカー）としてSamsungとガチンコしたり、Global FoundriesがAMD買っちゃったりするような展開があると面白いかなぁ、とか思ってますｗ
あとは、日本企業がどう関わるか、というのは気にかかるトコロですネ。
さてこうした状況下、ディスコやSCREENなど、半導体製造装置メーカーに対しても厳しい見方が出てきています。
中期的には、半導体メーカーの再編を通じた顧客数の減少による価格交渉力の低下が業績の下押し要因になる可能性があるのは確かですが、今回の格下げは、先進国向けに見られる半導体需要の季節変動（↓）による影響が大きく出るのではないかという見通しのもよう。
去年はソレが中国需要で相当緩和された、という状況がありました。コレに対して中国需要の伸びが無くなるコトで、今年の季節変動（↓）が大きく出るというシナリオは、確かに論理的整合性のあるモノです。
でもねぇ…
インドではVodafoneやVideocomなど、複数のキャリアが4G/LTEサービスの開始を予定。ソレに向けたスマホ需要が、大きく伸びるコトになるでしょう。
ココに向けて、自国の市場が頭打ちになってきた中国のスマホメーカーが相次いで参入。インドにおける今年後半以降のスマホ販売合戦は、相当に熾烈なものになると思われます。
一方で先進国向けを主としたハイエンドモデルは、メモリをLPDDR4にした上で、これまでより大きな容量を積んできます。
APUもメモリもカメラ用CMOS/ISも足りないという状況になるコトで、ソレらを作る半導体製造装置需要の季節的な落ち込みも、言う程大きいものにはならないんぢゃないの？と、個人的には思うワケです。
その結果が明らかになるのは、ざっくり半年後。さぁ、どうなるでしょう。
もっともコチラは所詮、アナリストもどきになってから4年足らずの若輩者（トシだけは喰ってますがｗ）。はずれたらごめんなさい、というコトで。
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最初にこのハナシを見たトキはモバイル向け強化かな～と思ったのですが、説明資料でGartnerの予想を引いて（p.8）FPGAの需要拡大を期待しているのは、伸び率の面から見てデータ・プロセシングと自動車。
おそらくは、自動車を中心としてIoT（Internet of Things）に次の需要拡大を期待している、というコトなのでしょう。
現在の主な仕向け先であるPCの市場は縮小。それでは、とモバイルに注力して、タブレットで採用例が増えてきたと思ったら、そのタブレット市場も失速。
踏んだり蹴ったりな状況で、次の“出口”を求めるのは、至極まっとうな選択ですナ。
相当に“お高い”買い物であっても、手出しせざるを得ない、というトコロでしょう。
さて同社を含む半導体界隈では、大型のM&Aが相次いでいます。
NXPによるFreeScale買収が今回の件と同じ167億ドル。
AvagoがBroadcom買収に費やす金額が370億ドル。
こりゃスゴい。
産業にとっての環境が変わる中で、企業再編は付き物です。
ゲームの開発費が高騰した頃には、独立ゲームメーカーがパブリッシャーとディベロッパーに分かれる状況が生じました。
クスリの業界では、新薬の対象分野が少なくかつ難しい病気となる中で、創薬メーカーで再編が進んでいます。
半導体でも、牽引役としての最終需要の主役がPCからモバイルに変わるトキに、垂直統合から水平分業に、産業構造が変わりました。
で、直近の半導体メーカーの再編は、ここ数年における需要拡大を牽引してきたスマホ需要が“曲がり角”を迎えようとしているとの認識の下に進んでいるのであろうと思われます。
中国ではLTE化によって大きく伸びたスマホ販売が減少に転じました。インドでも、昨年第4四半期に前四半期ベースではとうとう減速。そうそういつまでも伸びは続かないだろうというコトが見えてきています。
一方でIoTでの需要拡大は、そのタイミングも大きさも、まだまだ五里霧中。資本を大きくして、一時的にでも来るおそれが高まりつつある市場縮小に対して備えようとするのは、自然な動きでしょう。
半導体メーカー再編は、今後も続く可能性が高いと思われます。
順列組み合わせレベルの妄想ですが、個人的にはTSMCがファブレスメーカー買ってIDM（半導体一貫メーカー）としてSamsungとガチンコしたり、Global FoundriesがAMD買っちゃったりするような展開があると面白いかなぁ、とか思ってますｗ
あとは、日本企業がどう関わるか、というのは気にかかるトコロですネ。
さてこうした状況下、ディスコやSCREENなど、半導体製造装置メーカーに対しても厳しい見方が出てきています。
中期的には、半導体メーカーの再編を通じた顧客数の減少による価格交渉力の低下が業績の下押し要因になる可能性があるのは確かですが、今回の格下げは、先進国向けに見られる半導体需要の季節変動（↓）による影響が大きく出るのではないかという見通しのもよう。
去年はソレが中国需要で相当緩和された、という状況がありました。コレに対して中国需要の伸びが無くなるコトで、今年の季節変動（↓）が大きく出るというシナリオは、確かに論理的整合性のあるモノです。
でもねぇ…
インドではVodafoneやVideocomなど、複数のキャリアが4G/LTEサービスの開始を予定。ソレに向けたスマホ需要が、大きく伸びるコトになるでしょう。
ココに向けて、自国の市場が頭打ちになってきた中国のスマホメーカーが相次いで参入。インドにおける今年後半以降のスマホ販売合戦は、相当に熾烈なものになると思われます。
一方で先進国向けを主としたハイエンドモデルは、メモリをLPDDR4にした上で、これまでより大きな容量を積んできます。
APUもメモリもカメラ用CMOS/ISも足りないという状況になるコトで、ソレらを作る半導体製造装置需要の季節的な落ち込みも、言う程大きいものにはならないんぢゃないの？と、個人的には思うワケです。
その結果が明らかになるのは、ざっくり半年後。さぁ、どうなるでしょう。
もっともコチラは所詮、アナリストもどきになってから4年足らずの若輩者（トシだけは喰ってますがｗ）。はずれたらごめんなさい、というコトで。
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