数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

結果待ち

2023-03-02 09:11:04 | 日記
 昨日は,多くの高校でも卒業式が行われ,それを伝えるSNSなどを見ると,以前とは違った雰囲気に,かつて勤務していた高校のその様子に少し驚きました.
 当時も制服はなく,その為,男子は大学への入学式と兼ねて,スーツ姿が殆どでした.それは今も変わらない様子でしたが,あれから15年もたち,最期に担任した生徒達もすでに30歳を越えました.
 女子の卒業式の服装は当時は,9割以上が袴姿でした.その後,袴はお金がかかるという理由で,おそらく禁止になったのでしょう.当時は民族衣装で参加した生徒もいたり,おじいさんの紋付き袴姿で出席した生徒もいたり,それは華やかな時代でもありました.
 そんな卒業式も,進学先も決まっていない,国公立志望の受験生がたくさんいる高校では,発表待ちの中での息抜きの1日というのが卒業式でした.
 一方で,前期試験が終わってから,後期試験が迫ってくる中で,合否の発表に対する不安で落ち着かなく,なかなか後期対策の勉強がはかどらないのが,ほとんどの受験生でした.
 この2年ほど,私の教えていた受験生も,早稲田には合格して,後は東大の発表を待つばかりの状況です.
 早稲田の数学では,直前にも勉強した問題の類題が出題され,確実に解けて数学で合格点が確保できたようです.もっとも,英語が難化して,不安に思っていたようですが,難化した科目は,それで配点が下がったようなものだからその影響は,合否には少ないのではとアドバイスしました.
 もっとも,理科などでは選択科目,たとえば,物理と生物で科目間の難易度が得点差に表れる場合に,その大学がどう対応するかは,多くの大学では前もって明示されていないのが現状です.そこが共通テストとは大きく違うところの一つです.また,受験後もそのことが発表されることはありません.
 高校で受験生に指導する際も,なかなか難しいところですが,受験生に送付される受験結果などから推測することができます.
 例えば,京大では各科目の得点が知らされるので,出来具合からも,得点修正が行われていないことがわかります.一方,名古屋大学では,各科目の得点は公開されなく,総合点のみですが,過去に医学部医学科に合格した生徒は,物理が全くできなくて,不合格を覚悟していたものの,合格でしたが,総合点を見て,物理に得点修正が加えられていないと考えられない得点だったようです.
 このように結果的には合否に大きく左右する選択科目間の難易度の問題はあまり表ざって,議論がありませんが,現実には直接合否に直結する問題でもあり,もっとクローズアップされてもいいかと考えます.私学の医学部等では得点調整を行っているところも知ってはいますが,今後も引き続いていく問題でしょうね.まあ,京大などは前年易しかったも科目が翌年は難しくなったりと,ある意味わかりやすいのですが,名古屋大学や東大はどうなんでしょうかね.
 大学入試に関して,他にもいろいろ分からないというか,極秘なことも多いのですが,私の経験からもいろいろ考えられます.例えば,
①入試問題の出題者の選定や作問の時期
②入試問題の作成者や入試委員の選定に関して,自分の子供との関係.例えば,第3親等までを関係者も持つ場合は,その任務から外すとか.
③記述式の採点をどう行うか.何人で採点するか.
④採点者は受験生の学部または学科等をどう配分して採点するか.これらは採点のブレを抑えるためと,合否に影響が少なくするための工夫ですが.
 さて,私の受験生も実際の東大を受験して,それを報告してくれましたが,文系の数学は易しかったものの,理系の数学は難しくなったとまわりの受験生の声でした.理科の物理や生物も難化したようで,意外と国語,英語で得点差がつくような今年の東大の理系の入試問題でした.
 数学に関しては,確率はどの大学も文理共通になる傾向があるかもしれません.整数に関しては,整数だけでなく,多項式と関連して来ると今後も考えられます.互除法やGCDも多項式での話でもあり,高校の教員もそのことは意識したいです.計算機代数では,多項式の話から互除法やGCDの話も展開されますので.以下の本は,高校生に教えるときに教える側が予備知識として持っていたい内容が多く含まれていて,読みやすいのが特徴です.


 
 

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