お先に下山します☆彡

目指せ!エンディングノート(*^^)v

山岳 HF打上角は迷信か?

2021-03-08 15:33:34 | アンテナ

先週のCWに続き今回ARRL DX Phoneに参加した。月末のWW WPXに向けあれこれ確認したいことがあり実験半分。

確認したいこと:

  • DPで戦えるのか
  • 山の指向性ってどうなんだ
  • 山斜面・海面反射合わせ技の可能性

山岳移動で高さを稼ぎ、且つ、下り斜面と海に開けたロケで打上角を低くする、HFしょぼしょぼ出力でも電波環境でキロワッターと戦えるの、か?。あたりを追っかけたくハリキッテ出かけた。

結論:HF陸上で打上角下げたけりゃ、山も平地も同じ、とにかく地上高あげろ!やなら底なしナイフエッジに立て!

です。あたりめーだろ、とか、アンチチャレンジな方は以下不要です。

ARRL DXは交信相手が北米大陸なのでビーム方向は固定でOK。北東ロケだけ押さえればよい。でスペックこれ、

  • 伊豆スカイライン某所、標高500m、平均30度ほどの斜面で相模湾全面が目視で開ける
  • 第一電波2バンドDP(7MHz,21MHz)逆V、8mh、斜面際に設置
  • ドローンで計測(ノウハウはこっち

HB9CVも持参したが風強く上げれなかった。逆VDPを↑こんな感じで張り、北米が開けるまで7Mhz国内遊び。飛ぶよ飛ぶよ小パイル程度ならオール一発ゲット。CQ空振りもゼロ。うひひな感じで夜を待つ。

北米が開け戦闘開始。およよ、およよ、国内相手の調子とは全く違う。Wのビッグワン勢はなんとか交信できるが2軍勢は無理。聞こえるJA局はキロワットだらけ。ローバンドってキロキロこんなにいるんだね。CQ出すもオール空振り。。ダメコレ、パワーだなパワー!!。もー帰りたくなった。。でもなんとか最適を絞り出そうと朝を待ちアンテナのビームをいじることにした。

朝、風も収まり3~5m/s、ドローンで逆VDPの7MHz指向性を取りエレメントの最適位置を探ることにした。結果、物理的配置と計測値を比較したら、なんと水平方向のビーム中心が20度~40度近くズレてる。アンテナ線の鉛直は北東なのにビーム中心は東南東(ハワイ、南米向け)だった!過ぎた一夜がむなしく刺さる。DPはメーカー品でバラン付き、VSWRも無調整最適化済み、怪しい場所を探る。ドローンでアンテナ周辺をグルグルグル。右エレメント側に強力な輻射を計測する(ドローン側がSGなので正確には輻射でなく受信強度)。左側より6dbも高い!、、、なんだこれー、ダメじゃん。考えるに、右側はエレメント下に車がある。これっきゃ考えられん。。ってことで極力車から離し、ちょっとスローパーライクにすることで所望の北東ビームを得た。夜になり、Wの2軍もそこそこ拾えるようになった\(^_^)/。アンテナ、形だけで妄信すると怖いですコレ。

次に、21MHzの打上角を見てみた(7MHzだとドローンの距離出しで電界強度が下がり混信に埋もれた)。下り斜面だし、正面海だし、こりゃ理想的だべっつことでね。海は3.5Km先なので海面反射合成による打上角計測は無理。山岳下り斜面の反射合成を海面に打ち込む作戦!!(てか、そうなってるだろーの確認)このナンチャッテ打上角を計測した。斜面がビームを水平方向に近づけてくれるっぺーーっつ期待ね。少々凹凸はあるが海に向かい平均約30度で下げる斜面、行け行けドローーン!取ったれデータぁぁ!、、ビーム中心を海面に打ち込むには-8度(海面反射距離=3.5Km)~0度水平(海面反射距離=地球曲率見通し距離Km)くらいにピークがあってほしい。理想の話ね。。が、ががが、結果がショボン。なんとビーム中心はプラス15度、半値8度~22度ですよ。これが現実か、、斜面だけではリアルグランドっちゅー根っ子のボスキャラには勝てないらしい。じゃあ、水平では信号強度減はどんだけだべと見てみた。なんと15dbも落ちる。痛い、痛いすぎる、、もはや裏切られる悲しさに近い。。強度がここまで落ちたらもー降参、海面反射の魔法トッピングは期待外と判断した。

■打上角データ:第一電波ダイヤモンドW721 2バンドDPアンテナ、21MHz、8m高

打上角(度) 信号強度(db正規化) Remarks
28 -9  
22 -3  
15 0 ビームピーク
8 -3  
4 -6  
0 -15 水平、こっから下角度が海面反射が有効になる

どーすかねーコレ。ロケ写真のようにアンテナから海が直接視野なんですよ。しかも下り斜面で欲しい海面反射点までほぼ遮蔽なし。こりゃ海面にぶち刺さるぞーって思うじゃないですか。。でも実際の海面向けビームは、15db以上弱くなるわけ。。逆Vだから垂直成分もあって反射係数も悪化し不利なわけ。こりゃDXあかんわ。。周辺の解析と悪玉探しが必要だけどここまでハズレると改善の気力も失いスルー。熱海の山を全部アルミホイルでラップするしかない!下界の温泉は硫黄成分なんで硫化系イオンで導電率をサポート、町中温泉を撒くしかない!

教訓1:HFアンテナの単独の指向性は周囲環境と一体物!。しみじみ感じた。目で見る想定と電波な形はかなり違う!

教訓2:HFでの山岳下り斜面が打上角を下げる効果はほぼないかも。平地のビームアンテナの方が優秀(たぶん)。

山岳により地形や樹木、地面の導電率・誘電率の違いもあるし決めつけるのは強引だけど、まあ一般的にこんなもんなんだろう。アンテナ地上高を十分とれば良くなると思うが、コスパ的に無謀。

自分的には、山岳移動でF層向けの低打上角を稼だら?の誘惑は消えました。( ノД`)シクシク…

てなわけで、DPでも斜面の他力本願で打上角下げりゃいけるべーなんて面倒なこと考えるより、最初からビームアンテナで絞って下げたほーが吉と判った。そんな平地局の方がエライと判った。王道の八木型は性に合わないので移動用変態ビームアンテナを創造する方向で手打ちとしたい。

だれもやらないから、、迷信?の人柱となってみました。

月末WW WPX SSBは、海辺か山頂タワーに上ってビームアンテナでやる。


追記)

WW WPX SSB本番ログupしました。こっち。



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2 コメント

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Unknown (JO1KVS)
2021-03-26 06:39:44
指向性を実際の空間で3次元計測するとは!素晴らしい。
同じ場所で垂直10mホイップ(バーチカルアンテナか・・・)の測定も是非お願いします。
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Unknown (まろ)
2021-03-26 11:55:07
KVSさんコメントありがとうございます。
そうですね。グランド面が急所のバーチカルアンテナの方が山岳斜面は有効かもしれません。手の空いた時にやってみます。
WWWPXが明日になり海岸に理想的な好適地を見つけました。今度こそ打上角を限りなく水平に近づけられそうです。コンテストやりながらいろいろ計りまたこちらにアップさせていただきます。
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