地理バカ日誌 ☆*:. 地図の園 .:*☆

地理ネタ、地図ネタなど、いろいろ気ままに書いています。

             by まつおか秘密研究所

新・とある大学の測量学実習

2021-04-24 17:42:42 | 日記
 新年度が始まり、ある大学で請け負っている測量学実習もスタートしました。

 受講生は40名です。 教員一人で40人の実習をするのはけっこう大変なのですが、TAさんが優秀なので、助かってます。 また、私大は比較的機器等の準備は良く、新しい機材に、メンテナンスもこちらが言えば予算を上手くやり繰りして対応してくれることが多いので(私が知る範囲では、国立大の方が設備は貧相です)、その面では楽なのですが。 

 最初は、30分あまりでざっと測量の流れを説明してから、もう外へ出ます。 一般には最初に理論的なことなど細々説明してから実習作業へ・・というパターンも多いと思いますが、一度にあれこれ話しても学生はそれを覚えられないですし、やはり最初に実際に機器に触れて作業してイメージをつかんでから細かな話を聞いた方が良いだろう・・という考えに基づいています。 また、梅雨時期に入る前に野外作業を終えたいという理由もあります。

 ということで、まずは「歩測」から。 一定の歩幅で歩く練習をして、各自の歩幅を測ります。 かつて伊能忠敬も当初は距離計測に歩測を使いましたが、今でも歩測のスキルは重要です。 これを練習しておくと、屋外での距離感覚も鋭くなることが期待できますので。 国土地理院でも、新人教育の初期段階に歩測の練習をすると聞いたことがあります。

 続いて、標尺の扱い方の練習です。 ウェービングや値の読み方、そしてレベルでのぞかせて、手簿への記入の練習です。 チームプレイが重要ですから、まずは測量精度は度外視して、機器の扱いや身体の動かし方を練習しました。 とはいえ、“コロナ感染抑止”のため、機器の操作を交代するたびに除菌シートで拭ったり、作業者間の距離をとったり・・・どうしても近寄りがちになりますから。 屋外ではありますけど、大学の方針としても、かなり注意深くやってます。 学生さんにとっても、けっこうストレスだろうなとは思いつつ、こちらもしょっちゅう”密になるな!”って声を出さなきゃならないし・・・・・などと、従来は必要無かった苦労を背負いつつ、でも学生さん方も熱心に、また要領良く取り組んでくれていたのですが・・・

 その実習中に、緊急事態宣言の発出を受け、来週から対面授業の停止の旨が通達され・・・・オンライン授業に切り替えです。 ある程度予想はしていましたが、どうしましょうね。 この科目、士補の資格申請の要件にもなりますので、早く元に戻るのを願うばかりです。

 

山崎城跡(天王山山頂)

2021-03-21 21:02:59 | 日記
 天王山の山頂にはかつて山崎城がありました。 羽柴秀吉が、山崎の戦いの後から大坂城の築城までの一時期、拠点としていたとのこと。

 城の主郭内に大山崎町教育委員会による案内板があり、その記述は・・・

 大山崎周辺は京都の出入り口にあたり、南北朝内乱や応仁・文明の乱の際、しばしば戦場となった。その際、軍勢が天王山山頂(標高270メートル)に陣取り、城が築かれることも見られた。
 天正10年(1582年)6月、山崎の合戦で勝利した羽柴(後の豊臣)秀吉は、翌7月、山頂に山崎城を築き、大山崎を城下町として保護した。この時、秀吉は織田信長の後継者を意識し、千利休らと大山崎で茶会を開いた。
 しかし、大坂築城が本格化すると、同12年4月に山崎城は破却された。この時、山崎城の「天主」も取り壊されたといい、高層建築物があったことがわかる。山頂周辺は、字「古城」と呼ばれ、構成も城跡と認識されていた。
 現在も天守台、曲輪、土塁、空堀、井戸、食い違い虎口、石垣などが残存する。 (平成25年3月)

 ・・・とのこと。 城の存続は2年足らずだったわけですね。

 その案内に添えられている縄張りの概要図です。
 


 ① 主郭より天守台をのぞむ。
 
 天守台の比高はわずかです。 天守台上が山頂で、標石(270.4メートル)があります。 これについては、1月5日の『天王山登頂!!』の記事で紹介済みです。


 ② 主郭の西、一段低い曲輪です。
 


 ③ 井戸跡
 
 
 
 ほぼ完全に埋まってしまっているように見えます。


 ④ 井戸の南側の小さな曲輪
 


 ⑤ 小さな石仏・石塔などがあります
 


 ⑥ 天守台北側の曲輪
 


 ⑦ 堅土塁(?)
 
 
 これが堅土塁なのかどうか、よくはわかりません。 なお、ここから主郭へ登ることもできます。

再び天王山へ(天王山トンネル)

2021-03-20 19:06:11 | 日記
 再び天王山へ登りました。 ただし、前回とは違うルートで。

 今回は、サントリーのウイスキー工場の奥にある椎尾神社の登り口からです。

  マップ115 (地理院地図より)
 

  写真 サントリー山崎蒸留所
 

 天王山への登り口は他にも複数ありますが、今回このルートを選んだ理由は・・・

  マップ116 (地理院地図より)
 

 この地図の矢印部分、天王山トンネルが通っていますが、等高線との位置関係を見るとトンネルが谷をまたいでいるように見えます。 実際にはどんな構造になっているのか? 地理院地図の空中写真に切り替えて見ると何やら構造物のようなものがある気もするのですが、判読性がイマイチ。

 そこで・・・Googleマップの空中写真で見ると、こんなものが見えます。 この構造物を現地で見られるかな?ということで、このルートを選んだワケです。

  Googleマップより
 


 写真 椎尾神社
 

 椎尾神社の鳥居です。 桜が咲いていました。

 神社の奥、拝殿のところまで進むと、その南側の谷には砂防ダムが築かれており、そこからトンネルの構造物を見ることができました。

 

 さらに、いくらか登って行くと、トンネル構造物の上部を確認できます。

 

 これ、正体を知らずに見ると、ちょっと怖いかも・・・

 トンネルを過ぎて谷を登って行くと、
 

 道沿いにはスミレが咲き、春到来です。