百合とオレンヂ城Ⅱ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

タイタニア

2010-06-02 21:33:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック

■タイタニア
 
 ファン・ヒューリックは不思議な人物です。
最初、たまたま軍人になっただけですし、
割りといいかげんだし拘りもないし。


 そんなファン・ヒューリックがケルベロス会戦
で無敵と思われたタイタニア一族に勝利した瞬間
から彼の運命が変わり始めました。

 …といっても本来負けるハズだったケルベロス会戦
で勝利したものだから厄介払い、失業者へ。

『無敵と思われたタイタニア一族に勝利した』

 その武勲はファン・ヒューリックの望むにしろ
望まないにしろタイタニアの圧制に苦しむ人々の
希望となります。

 そしてファン・ヒューリックの意思に反して
なし崩し的に転がり落ちるように逃亡者へ、
更に巻き込まれ落ち続けます。


 とまぁ最初の頃のファン・ヒューリックは
ほとんど受動的というか、ただ流されている
だけでした。


 本人は戦いは好きではないのですが周囲が
ファン・ヒューリックを持ち上げたり期待したり
利用したりします。


 確かにファン・ヒューリックは才能はありますが
才能以上に周囲が彼を祭り上げる事で実像だけでなく
ウワサやウソも含めた虚像までも大きくなっていった
感じがします。



 そんなファン・ヒューリックが目覚めたのは
やはりリラ・フローレンツの存在が大きかった
でしょう。
 


 リラの献身的な行動、特に活動的な性格や
彼女の作るオムレツが素敵です♪


 気の強そうなところや、おへその見える
服装も素敵です♪




 他には「正直じいさん号」のミランダさん、
が良いです♪
 頼れるおっかさんタイプで豪快で少し強引
なところも好きです♪
 かつて亭主の声帯を奪った相手を見つけた時
に冷静さを失いましたが、そんな女性らしさも
含めてミランダさんが好きです♪




 他にはリディア王女、齢10歳でありながら
自国のために自ら人質となる勇気や藩王に会おうと
する行動力や、時々見せる鋭い観察眼に将来性を
感じます。


 そして年齢にふさわしい子供らしさや花を愛でる
少女らしさが可愛いです♪





 タイタニアのストーリーの欠点を挙げるなら
まずストーリーがワンパターンなところ。

「主権の侵害」「独立の維持」という展開が
やたらと多いところです。
(しかも小賢しい輩が多い)

 銀河英雄伝説も小賢しい輩は多いですが。
 
 それと銀河を支配しているのがほとんど貴族
しかいません(^_^;)


 タイタニア一族の構成が銀河のほとんどを
支配する勢力に見えずせいぜい軍閥の1つか
戦国大名の1つくらいにしか見えません
(^_^;)


 

 タイタニア一族には200年の伝統があるそうです。
 そしてタイタニア一族は自分たちの血統に誇りや
権威を感じています。
 
 伝統や権威を維持するためには当然子供を誕生
させて家を継がせなければいけません。
 しかし五家族の内ほとんどが結婚していません。
 
 現在のタイタニアの五家族の内藩王アジュマーンを除いて
ジュスラン、アリアバート、イドリス、ザーリッシュの
4人は共に早熟で10代で家督を継いだ…
わりに20代後半で4人ともいまだに結婚していません。
愛人がいる人はいますが…。


 子供がいないとタイタニア一族は後、数十年で
自然に衰退してしまうんですが…。
 後継ぎがいないんですから…。

 とても200年の歴史がある一族に見えません(^_^;)

 
 



 ファン・ヒューリックがあまり活躍していない、
ように見えますが、要するに田中芳樹先生は、
ファン・ヒューリックをこういう風に書きたい
のでしょうか?↓

 リンク先はキッツイ意見なので要注意


■諸葛孔明
http://www.mikoukenn.jp/rekisi2.htm#3goku


■孫子(孫武)
http://www.mikoukenn.jp/newpage45.htm#sonnbu



 
 欠点もあることにはありますが、
良かったところ、印象に残ったところを
上げます。


 アラン・マフディーのコメディアン
ぶり。最初はいかさまライターで稼ぐような
人物でしたが、そのライターを自分で壊す所に
成長を感じました。
 



(999の鉄郎ではありません) 
 頭はいいけれど食えなくてどこか可笑しい
ドクター・リー。

 ベルティエに代表される、ぬけぬけと生き残った
小悪党共。
 

 テュランジア公国に散った姫と家臣(幼なじみ)
の悲劇。

 
 タイタニアの所為で職がないと呟やいていた
リラ似の女性と、彼女の為に一肌ぬぐヒューリック
と愉快な仲間たち。

 
 意外な形で再登場する靴磨き少女のカレンと
彼女のお陰で立ち直るファン・ヒューリック。


 エライ人を書くのも重要ですが庶民の生活を描く
のも必要ですよね。



 タイタニア五家族の描き方

 武人タイプのザーリッシュ
 策が多く秘密警察長官タイプのイドリア
 万能で凡庸なアリアバート
 
 そしてジュスラン。
 
 将来ファン・ヒューリックのライバルとなるの
でしょうが、人材集めも熱心です、周囲にフランシア
、リディア、バルアミー、アリアバートがいて
癒し空間になっています(笑)


 正直、『タイタニア』という話は延々陰謀や
策謀、逃亡劇だけを繰り返しているので(笑)
リディアやフランシアたちは貴重なオアシスです。



 ファン・ヒューリックとジュスランが将来ライバルと
なるのでしょうが直接対決するまでの道のりが遠い
です。
 お互いを意識し合うまでにアニメで21話も
かかりましたし。


 武田信玄と上杉謙信もそうですがヤン・ウェンリーと
ラインハルトも出会うまでの道のりは遠かったですが
直接対決はそう多くはありません。
 
 実はヤンとラインハルトの年齢差が9歳なのは
武田信玄と上杉謙信からきているそうです。


 ライバルといっても顔を合わせた事もなければ
会話を交わした事すらなく、意識したり名前を
覚えたりする事さえない事もしばしばあります。


 例えばジャッカルとルベル警視、楽殻と田単、
ジョン・デリンジャーとメルヴィン・パーヴィス


 ライバルが全員、宮本武蔵と佐々木小次郎、
ナルトとサスケの様ではない、という事です。
 
 
 田中芳樹先生は『タイタニア』の続編を書く
そうですが、ファン・ヒューリックとジュスラン
はどうなるのでしょうか?