mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

藤原定家和歌 【夏の歌】その十七

2014-05-29 20:37:41 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
夏の夜は月ぞけぢかき風すずむふせやの軒のまやの余に


大井河夏ごとにさすかりやかたいくとせか見るくだす桴を


あとふかきわがたつそまにすぎふりてながめすずしきにほの湖


池水にすゑうちさわぐ浮草はまづ夕風のふきや初めぬる


へだてつるけふたちかふる夏衣ころもまだへぬ花の名残を


たがためになくやさ月のゆふべとて山郭公猶またるらむ


山のはに月もまちいでぬ夜をかさね猶くものぼる五月雨の空


夕暮れはいづれの雲のなごりとて花たちばなに風のふくらん


夕立の杉のしたかげ風そよぎ夏をばよそにみわの山もと


うちなびくしげみがしたの小百合ばのしられぬほどにかよふ秋風

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