手を振ってお別れ

　マイクロバスに揺られ、埋立地の突端近くまで来ると、左手に水平線が見えてきました。
　東京湾の先、小雨の中かすかに見える工場らしき影は、川崎のコンビナートでしょうか。
　晴れていたら、きっと気持ちのいいところです。
　バスが着いた場所は、大きなガラス張りの建物の前。
　柱に大きな数字が書かれ、前方にも「2」「3」と番号が続いていて、空港のエントランスを思わせました。
　旅立ちとお見送り。
　故人の行き先は海外旅行ではないけれど、旅立ちにふさわしい建物にしたのかもしれません。