大切なものを見つける

　ちょっと人生を考える。
　いま何かできることはあるだろうかと考えてみる。
　そんなテーマではなかったけれど、映画『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』を見て、考えてみました。
　運もカルマも関係ない。
　いまの行動がその後を決める。
　このプリン1個が、お腹のたるみを作る、みたいなことを。

瞬間移動の旅

　帰りに豆腐屋へ寄って行こう。
　そう思いつき、商店街を歩きました。
　飲食店が隙間なく並ぶ広い通りには、クルマは入ってこれません。
　店の移り変わりが激しく、最近はアジアの味が多くなっているような気がします。
　時折、強い香辛料の匂いが鼻をつき、東南アジアの街角にいるかのような錯覚を起こします。
　豆腐屋が見当たらない。
　来た道を戻り、店があるはずの右側をゆっくり見て歩きます。
　やっぱりない。
　おおまかな場所しか覚えていないので、店が変わったと実感することができません。
　しかも、そのぼんやり覚えている場所の周りは、見覚えのない店ばかり。
　街ごと入れ替わってしまったような印象です。
　もしかしたら、ぼくは本当にタイにでもいるんでしょうか。

暑いのかなんだかわからないです

　やっと猛暑がおさまったと思ったら、雨が降って湿度が異常に高い。
　じっとり体にカビが生えそうな気分です。
　パソコンのマウス、机の上、手に取る紙が汗でべとつきます。
　少し寒いくらいに冷房を設定してみます。
　湿気は気にならなくなりましたが、やはりちょっと寒い。
　今日は冷えますね。
　夕方、電話でついそんなことを言ってしまい、どこにいるの？　と聞かれました。
　家にずっといます。

国際化の波にもまれる

　電車の中は、適度に冷房が効いていて、ぼんやり座っていると眠くなってきました。
　少し眠ったのかもしれません。
　次の駅はどこだろう。
　ドアの上で光っている案内表示を見ました。
　見たこともない駅名。
　乗り過ごしたか。
　表示が変わり、知っている駅名になりました。
　なんだ、さっきのは中国語か。
　どおりで、見たことがない漢字だったわけです。
　英語やハングル、場合によってはフランス語、スペイン語、ロシア語。
　多言語表示に馴れるには、全部覚えてしまえばいいじゃないか。

あまりにも芸術的な

　タリーズで、サンドイッチとコーヒーの昼食です。
　少々物足りないのですが、近くに手頃なところがありませんでした。
　食べ終わり、紙ナプキンで口の周りを拭き、手の中でその紙を小さく丸めました。
　あっ。
　ナプキンが手からこぼれ落ちて、そのまま下にあったマグカップの中へ。
　スリーポイントシュート、あるいはバーディ。
　綺麗にカップに収まった紙は、残っているコーヒーをぐんぐん吸い込んで沈んでいきます。
　まだ飲んでいる途中だったのに、これからゆっくり飲もうと思っていたのに。
　紙を救出するには遅すぎます。
　どうする、どうする。
　カップをつかむと、一気にコーヒーを飲み干しました。