小さな変化 大きな驚き

　普通の住宅が並ぶ通り。
　歩道と敷地の境に低い柵を設け、ウッドデッキを中に作って飲食スペースとしている、小さなレストランがあります。
　メニューをじっくり見たことはないけれど、肉料理が中心のようです。
　ときどき、外のテーブルで食事をしている人たちがいます。
　今日もそこで、おじさん2人が珈琲を飲んでいました。
　通り過ぎながら、何気なく店の方を見ると、折れ戸のガラス扉が全開していて店内が見えました。
　テーブルに広げられた様々なパン。
　パン屋になっている！
　思わず立ち止まると、店の人と目が合いました。

首脳会談日程調整

　わずか4人。
　友人たちと会おうしていますが、なかなか予定が合いません。
　たった4人なのに。
　平日は無理だね、仕事あるし。
　週末は難しいかな、仕事あるし。
　休みは週末だけ、でも急に仕事が入ることもあるから確約はできない。
　あ、ぼくはいつでもいいよ。

はじめてのデートみたいな

　公園の芝生の上で、輪になってバトミントンで遊んでいる人たちがいました。
　大学生くらい。
　数えると、ちょうど男女4人ずついます。
　とても楽しそうに見えます。
　4組のペアならいいけれど。
　しばらくして見ると、芝に座って休憩をしていました。
　男の子と女の子たちが、はっきりふたつのグループに分かれていて、なんとなくよそよそしく、初々しいのは新入生なのか、これからぐちゃぐちゃした関係になってしまうのか、いろいろ考えると心配です、って知り合いではない。

見晴らしのいい

　住み慣れた街を離れて行く列車。
　車窓から見える風景が、だんだん平らになっていきます。
　同時に、空が広く感じられます。
　高い建物が少なくなり、どこまでも背の低い家々が並びます。
　河川敷が見えてきました。
　さらに視界が開けます。
　川沿いに一棟、やや背の高いマンションがありました。
　きっと夏にはどこかの花火が見えて、毎日スカイツリーが見えて、天気がよければ富士山も見えて、いろいろなものが見えて困惑することはないのだろうか。

美味しさの表現

　ほんの少しの期待を胸に、店のドアを開けました。
　小さなパン屋。
　ひっそりと、目立たない店構え。
　桜あんぱん、メロンパン、クロワッサン。
　家に持ち帰って、昼食のテーブルに並べました。
　最初にクロワッサン。
　次にメロンパン。
　あんぱん。
　普通に美味しい。
　それは、普通ということ？　それとも美味しい？