うっとりが大切なの！

今日はまた久しぶりに語ります。長いです（笑）。

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古着専門の私は、いわゆる呉服屋さんでちゃんと着物を見ることってほとんどありません。だから場数を踏んでるとはいえないのでそういうお店ばっかりじゃないとは思うんですが、とお断りをいれたうえで。
コホン。質問です。なんで、呉服屋さんてお金の話しかしないんですか？
今までおじゃましたお店はだいたいどこもそういう印象なんです。今日ちらりとのぞいたお店もやっぱりそうでした。着物そのものの説明なんかほとんどなしで「これはいくらいくら。そうそう、いい品でしょ。そうそうこれは長く着れるよ。ところでいつもお支払いは現金？それともカード？うん、そうそう。・・・あ、いいのみつけたね。こっちもすっごくお値打ちよ。こんな値段じゃよそじゃ買えないよ。そうそう、大島のね。ほら地球マーク付いてる。・・・で、いつもはだいたい一括なの？今だったらボーナス払いとかもおすすめだけど。金利は云々、云々」口はとにかくずうっと動いてるんですが、肝心の着物の話はほとんどなくて、お金の話ばっかりでした。なにか聞いても「これは使いやすいよ～。うん、長く着れる。ブランドものなんて買ったはしから古びて行くけど、着物は三代着れるから」ってまるで標語のように答えて、すぐまたひゅうっとお金の話に戻っちゃうんです。そのうえご親切に私の支払い計画までたててくださいます。そこまでしてくださらなくても自分のことですから、ちゃんと買うって決めたらやりくりできますってば。どんなにいいもの見せてもらってても、横でお金の話やら支払い方法やらを延々とまくしたてられたら正直げんなり。せっかくの着物まで褪せて見えてきてしまいます。
おしゃべりされるのは構わないんです。私は着物を見てるんだから着物の話をしたいんです。だって、どこに買い物に行ってもお金の話って一番最後じゃないですか？例えば電気屋さんに洗濯機を買いに行ったら、まず機能の話をしませんか？どういったタイプをお探しですかって。色は？大きさは？そこをいきなり「これこれはいくら。こっちはいくら。お支払いはカード、現金？」なんてやったらお客さんはみんな怒りだすと思うんですよね。話の途中でやんわりと予算を聞かれることはあっても、だしぬけにお金の話をするようなお店を呉服屋さん以外に私は思いつきません（もちろんごく一部のお店であることは前提として！）。もともとあからさまにお金の話をすること自体があまり好きではないので（数字が苦手）、こういうお店につかまるととても消耗します。同じおしゃべりされるんであれば、着物の話を熱っぽく語ってうっとうしいほどの店長さんのいらっしゃるところとおつきあいしたいと思いながら、でも実際あの反物は美しかったなあとかいろいろごちゃごちゃな感情のまま帰路につきました。
スーパーで食料品を買うのと違って、化粧品や洋服や着物ていわば嗜好品なわけですよね。ドラッグストアで25パーセントオフの口紅をぐわっとつかんでレジに並ぶというのは別ですが、デパートで店員さんと相談しながらゆったりリラックスしてお買い物するのって楽しいし気持ちいいですよね。ちょっとした贅沢を味わうのもあると思うけど、そこに「うっとり」があるからなんだと思うんです。きれいなラインのワンピースを見せてもらって、それを着て出かける自分を思い描いたり、新しい口紅を試させてもらって、あ、これこの間買ったアイシャドウに合いそうって思ったり。今日は決められないからまた来ますってそのまま出て来ちゃったとしても、家に帰る道すがらやっぱり欲しいなあ、手持ちのあれとかにも合いそうだしなあって考えると楽しいし。それと同じことを着物でやりたかっただけなんですが、きれいな反物見せてもらって「うわあ～」って夢がふくらみかけたところをぱちんと潰されちゃいました。あれをあのまま夢を見させたまま私を帰してくれれば今頃私の頭の中は「うっとり」がいっぱいだったはずなのに・・・。もしかしたら明日にはボールペン握りしめてる私がいたかも知れないのに・・・。確実にお客さんを逃がしてしまったんだから、ご商売がお上手とは言えませんよね。

って、ひさびさに更新したかと思えば、また文句たらたらでした。すみません、見苦しくて・・・。