江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

希望を届けることが私の仕事です。
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■障害者就労支援・雇用促進フェア:1

2009-03-23 | 障害のこと・精神医療のこと
江戸川区福祉部 障害者福祉課が中心となって、
ハローワーク木場や江戸川区社会福祉協議会の協力を得て、開催をしたフェアです。

■13時30分~14時30分 講演会「障害者雇用と企業の未来」
 講師 大山 泰弘 氏 (日本理化学工業株式会社 会長)

先日テレビでも取り上げられていた、チョークをつくる企業の大山会長が、
障害者雇用について、お話しくださいました。

なぜ、障害者雇用をすることになったのかというと、
当時の、青鳥養護学校(現:青鳥特別支援学校)の先生が、会長のもとを訪ねられ、
「卒業生の子どもたちが、就職できないと、東京には施設が少ないので、
わずか15歳で、地方へ行って、暮らさなければならない。
どうか就職させてもらえないでしょうか」と、お願いされたそうです。
しかし、会長は、「精神薄弱児(当時はそう呼んでいました。今は、知的障害児です。)とは、
精神がおかしい人たちでしょ、そういう人を雇うわけにはいきません。」と、
お断りをしたそうです。
「恥ずかしいことに、障害のことを私は何も理解していなかった」と
率直にお話しくださいました。

しかし、先生はあきらめなかったのです。
2度、3度と足を運び、その度にいろいろとお話をし、そしてとうとう最後におっしゃったのは、
「もう就職のお願いはしません。でも、働くという経験をさせてはもらえませんか。
この子たちは、遠い施設に入ったら、一生働くということを知らずに暮らすことになってしまいます。」
そこまでいわれて、会長は、少しだけならと預かった。

ところが、実際に働き始めると、その卒業生たちは、非常に真面目で、
従業員の人たちが、肩を叩き、お昼を食べようというまでは、
黙々と働き続けているというのです。
その働く姿をみて、従業員から、「私たちが面倒を見るから、雇ってあげてください。」と、
言ってくれたというのが、障害者を雇用する始まりだったそうです。
それは、1960(昭和35)年のことだったそうです。

現在、1975(昭和50)年障害者雇用の国の制度を活用してつくった川崎の工場では、
47人の従業員中、33人が障害者だということです。
もちろん、スムーズに進んでいるわけではなく、仕事が理解できなかったり、
障害者同士でけんかをしたり、あれこれいろんなことがあって、でもそれをひとつひとつ
みんなで乗り越えてきたことも話してくださいました。

障害者の雇用を広げるために、とても示唆に富んだお話をうかがうことができました。

そして、講演が終わったあと、前に座っていた女性から、
次のシンポジウムは、どこでやるんですかと、声をかけられました。
お話しすると、50代のとてもきちんとしている感じのその女性は
「私、精神障害者なの。見えないでしょ?見えないから、大変なの。」と、
ご自分の身の上を話し始めました。

頼るところは、精神科のお医者さんだけというその方に、
精神障害の方のための作業所やデイサービスをお伝えしました。
頼る所、いく所が増えることは、精神の安定を保つためにも重要なことです。

その後、精神障害者就労支援シンポジウムへ。
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2 コメント

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分かるような気が・・・。 (ぐっさん)
2009-03-28 21:38:46
精神障害って、中々理解されないところもあるんだと思います。

疾病を持ったことによって、少なくとも「精神障害者」という立場にいることで、社会生活上マイナスになることを少しでも補える、そういうことで申請する人もいるんだと思います。(自身がそうですから)
ただ、申請してもしなくてもそれころ押しても引いても地獄なこともあるんですよね。

具体的にいうと、やっぱり「職に就く」ということなんです。
周りから言われることは「見た目、障害者とは思えないのに、障害者枠でデカい会社に就職するのはどうかと思う。」と。そうるすと、自分は「障害者」として、暮らしていていいのかなと思うこともあります。

対して企業の側からすると「疾病(障害)を把握した上で採用しないと、事故があったときに双方に責任が生じる」と。把握したら「うちでは責任負えない」「同じ病気の人がいて、もう懲りました。」と。

だから、その人が言った「…見えないでしょ?見えないから大変なの」っていう言葉が、分かるような気がします。
障害者に対する問題は様々でしょうから、優先順位云々は別として、「障害者」でいれば、周りから疑問符を投げかけられ、「障害者」でないという風にすれば、企業からはリスク、通院の都合から採用を断られる、こういう実態もあるんだと思います。
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ぐっさんへ (yumi-m)
2009-03-30 02:06:37
障害を持つということは大変だと思います。
だから、障害なんだと思います。
でも、それを乗り越えていくことができるように、
世界は動いています。

障害者枠ででかい会社に就職するのはどうかと思う、
同じ病気の人がいてこりました、
そのように言う人は、人類の進歩から遠く遅れていると言えると思います。

だから、そういう言葉は、気にしない。
気にしないと言っても、気になるだろうけれど、
気にしない。

ぐっさんはぐっさんの良いところをうんと出せばいい。
だって、真面目で一生懸命なぐっさんだからと、
就職のお手伝いしたいという人だって、
いるでしょ。
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