NHK総合で昨日(20日)放送の「縮小ニッポンの衝撃 労働力激減 そのとき何が」を観た。
この20年で日本が失った現役世代(15~64歳)の数はマイナス1000万人。
これは東京23区の人口が丸々消えたことになる計算。
ニッポンの労働力の縮小が止まらない。
とりわけ介護人材は厚生労働省試算で2025年には38万人不足するという深刻な事態。
「労働力不足」

人口増加の時代が終わり、2008年をピークに減少が加速する日本の総人口は
2053年には9924万人と1億人をきることが予想されている。

2050年代の人口ピラミッドは「棺桶型」。
世界の人口学者たちは日本がこの難局をどう乗り切るのか注視しているという。

その穴埋めをしているのが、現役引退した高齢者。
2017年、全労働者で占める高齢者の割合は12.4%と世界一。
全国1300か所に拠点を置く全国シルバー人材センター事業協会。
73万人の高齢者(平均年齢72歳)が会員になっている公益社団法人である。
高齢者の健康増進や生きがいづくりなど福祉を主な目的として昭和50年代に設立された。
その労働条件は様変わりし、派遣労働が激増。
派遣契約件数は10年で40倍にも膨れ上がっている。

しかし若者がやりたがらない3K(キツい、汚い、危険)の仕事ばかり。
遅い、早くしろ、と暴言を吐かれたり…
生きがいを求めて登録したものの、若者と同じように働かされる現実が。
これ以上仕事を受けきれないという悲鳴をあげるシルバー人材センターも。
また、過酷な職場環境で高齢者が犠牲になる深刻な事故も相次いでいる。
2017年(速報値)60歳以上の労災事故は約3万人、死亡317人というデータがある。
高齢者の労働力とともにもう一つの鍵とされる外国人の労働力。
東京の中心部で進む大規模開発では外国人が現場を仕切り欠かせぬ存在となっている。
しかし現在、最大の労働力供給源となっているベトナムでは、
台湾、韓国、欧州各国などとの熾烈な争奪戦が起きている。
2050年代の日本の未来図として例に挙げられた岡山県美作市。
人口25000人。高齢化率40%
この町の人口ピラミッドは2015年時点で限りなく「棺桶型」に近い。
撤退やサービス縮小を余儀なくされた介護事業者は3年で10か所を数える。
踏みとどまっている介護事業者で働く82人のスタッフ中、16人がパートなどで働く高齢者。慢性的人材不足の助けになっているが、高齢による物忘れミスなどでトラブルも。
市長の外国人3000人受け入れ構想。現在250人在住。
労働力不足を補うため、外国人、特に勤勉で賃金が安いベトナム人を呼び込むべく
彼らが敬愛する「ホーチミンの像のある町」を掲げて現地で求人する。
ベトナム全土で海外人材派遣会社は300以上だという。
ベトナム人獲得に動き出しているのは約30の国と地域。
韓国で漁師として働くことを決めた若者たち。
ルーマニアで溶接工として働きに行く若者たち。

もっとも多くベトナム人を獲得しているのが台湾で約67000人(2017年)
日本より1万人あまり多い。
「日本に行くつもりだったが台湾に変えた」

行く前に勉強が必要な日本。技能実習生として扱われる日本に比べ台湾は労働者。
滞在期間も最長12年(家庭介護は14年)転職可能。
一方の日本は最長5年。技能を身につけることを目的にしているため転職は原則不可能。
台湾はいち早く国内の労働者不足に気づき対策に動き出し、
26年前に大きく舵をきり、外国人を労働者として受け入れてきている。
日本より10年遅れて「棺桶型」の人口ピラミッドになる。
台湾のベトナムからの労働者のうち、3分の1が働いているのが介護業界だ。
ある施設では39人の介護職員のうち、半数の19人がベトナム人。
介護の分野ではかなり大きく日本と制度が異なり、
日本では介護技術を身につけられるよう日本語の試験の合格を条件にしているのに対し、
台湾では語学力も専門の技術も問わない。現場で働きながら習得していくしかなく、
高齢者とうまくコミュニケーションできないこともあるが、人材不足だからやむを得ない。
日本の介護施設でも外国人の技能実習生の求人を検討し始めているが、
日本語の教育に一人当たり5年間で380万円の費用がかかり、
それは施設が負担することになる。賃金とは別に、である。
日本人を雇うよりコストがかかってしまう。
現在の技能実習生制度に疑問を投げかける美作市の施設の理事長。
日本語の習得よりも大切なのはスキンシップ。
最低限の日本語がわかっていれば何とかなるのではないか…
地方ばかりではなく一極集中で繁栄を続ける東京の現役世代(15~64歳)も、
1992年から2018年にかけて20万人減少。それを補うように増えているのが外国人で、
27万人増加している。
東京港区のある飲食店では従業員25人中外国人は実に21人。
オリンピック会場につながる海底トンネルの建設現場の作業員も外国人は欠かせない。
約40人の技能実習生が働いている。
現在日本で働く外国人は2017年現在、過去最高の128万人。
サセックス大学 ロナルド スケルドン名誉教授はいう
「日本はこれほどの高齢化に直面しながら移民を受け入れていない特異な国です。
均質な社会や純血主義は政治的にも社会的にも魅力的に見えるでしょうが、
そんな社会はありえません。
日本がこの未曽有の難局をどう乗り切るのか
世界中が固唾をのんで見守っているのです」
浅草でもコンビニや飲食店で働く外国人はもはや珍しい存在ではなく日常。
外目にも重要な戦力になっていることは歴然としている。
日本の高齢化社会に不可欠な介護施設の深刻な労働者不足には、
AIにも期待しつつ、やはり現状では外国人の労働力を借りるしかなく、
1日も早く技能実習生制度を改革すべきと思わずにはいられなかった。
技能実習生への不正行為(いじめや暴言、給料未払いなど)は2017年で約300件。
先進国日本への失望を語るベトナムから来た実習生の姿。
日本を選んでくれた外国人労働者を大切に迎えなければ、
働きにくい日本から離れて行ってしまうだろう。
「棺桶型」人口ピラミッドが示唆するのが「日本の未来の姿=破滅」にならないよう、
合理的な選択と決断を。
★再放送は…
2018年5月24日(木) 午前1時00分~(50分)
この20年で日本が失った現役世代(15~64歳)の数はマイナス1000万人。
これは東京23区の人口が丸々消えたことになる計算。
ニッポンの労働力の縮小が止まらない。
とりわけ介護人材は厚生労働省試算で2025年には38万人不足するという深刻な事態。
「労働力不足」

人口増加の時代が終わり、2008年をピークに減少が加速する日本の総人口は
2053年には9924万人と1億人をきることが予想されている。



2050年代の人口ピラミッドは「棺桶型」。
世界の人口学者たちは日本がこの難局をどう乗り切るのか注視しているという。

その穴埋めをしているのが、現役引退した高齢者。
2017年、全労働者で占める高齢者の割合は12.4%と世界一。
全国1300か所に拠点を置く全国シルバー人材センター事業協会。
73万人の高齢者(平均年齢72歳)が会員になっている公益社団法人である。
高齢者の健康増進や生きがいづくりなど福祉を主な目的として昭和50年代に設立された。
その労働条件は様変わりし、派遣労働が激増。
派遣契約件数は10年で40倍にも膨れ上がっている。

しかし若者がやりたがらない3K(キツい、汚い、危険)の仕事ばかり。
遅い、早くしろ、と暴言を吐かれたり…
生きがいを求めて登録したものの、若者と同じように働かされる現実が。
これ以上仕事を受けきれないという悲鳴をあげるシルバー人材センターも。
また、過酷な職場環境で高齢者が犠牲になる深刻な事故も相次いでいる。
2017年(速報値)60歳以上の労災事故は約3万人、死亡317人というデータがある。
高齢者の労働力とともにもう一つの鍵とされる外国人の労働力。
東京の中心部で進む大規模開発では外国人が現場を仕切り欠かせぬ存在となっている。
しかし現在、最大の労働力供給源となっているベトナムでは、
台湾、韓国、欧州各国などとの熾烈な争奪戦が起きている。
2050年代の日本の未来図として例に挙げられた岡山県美作市。
人口25000人。高齢化率40%
この町の人口ピラミッドは2015年時点で限りなく「棺桶型」に近い。
撤退やサービス縮小を余儀なくされた介護事業者は3年で10か所を数える。
踏みとどまっている介護事業者で働く82人のスタッフ中、16人がパートなどで働く高齢者。慢性的人材不足の助けになっているが、高齢による物忘れミスなどでトラブルも。
市長の外国人3000人受け入れ構想。現在250人在住。
労働力不足を補うため、外国人、特に勤勉で賃金が安いベトナム人を呼び込むべく
彼らが敬愛する「ホーチミンの像のある町」を掲げて現地で求人する。
ベトナム全土で海外人材派遣会社は300以上だという。
ベトナム人獲得に動き出しているのは約30の国と地域。
韓国で漁師として働くことを決めた若者たち。
ルーマニアで溶接工として働きに行く若者たち。

もっとも多くベトナム人を獲得しているのが台湾で約67000人(2017年)
日本より1万人あまり多い。
「日本に行くつもりだったが台湾に変えた」

行く前に勉強が必要な日本。技能実習生として扱われる日本に比べ台湾は労働者。
滞在期間も最長12年(家庭介護は14年)転職可能。
一方の日本は最長5年。技能を身につけることを目的にしているため転職は原則不可能。
台湾はいち早く国内の労働者不足に気づき対策に動き出し、
26年前に大きく舵をきり、外国人を労働者として受け入れてきている。
日本より10年遅れて「棺桶型」の人口ピラミッドになる。
台湾のベトナムからの労働者のうち、3分の1が働いているのが介護業界だ。
ある施設では39人の介護職員のうち、半数の19人がベトナム人。
介護の分野ではかなり大きく日本と制度が異なり、
日本では介護技術を身につけられるよう日本語の試験の合格を条件にしているのに対し、
台湾では語学力も専門の技術も問わない。現場で働きながら習得していくしかなく、
高齢者とうまくコミュニケーションできないこともあるが、人材不足だからやむを得ない。
日本の介護施設でも外国人の技能実習生の求人を検討し始めているが、
日本語の教育に一人当たり5年間で380万円の費用がかかり、
それは施設が負担することになる。賃金とは別に、である。
日本人を雇うよりコストがかかってしまう。
現在の技能実習生制度に疑問を投げかける美作市の施設の理事長。
日本語の習得よりも大切なのはスキンシップ。
最低限の日本語がわかっていれば何とかなるのではないか…
地方ばかりではなく一極集中で繁栄を続ける東京の現役世代(15~64歳)も、
1992年から2018年にかけて20万人減少。それを補うように増えているのが外国人で、
27万人増加している。
東京港区のある飲食店では従業員25人中外国人は実に21人。
オリンピック会場につながる海底トンネルの建設現場の作業員も外国人は欠かせない。
約40人の技能実習生が働いている。
現在日本で働く外国人は2017年現在、過去最高の128万人。
サセックス大学 ロナルド スケルドン名誉教授はいう
「日本はこれほどの高齢化に直面しながら移民を受け入れていない特異な国です。
均質な社会や純血主義は政治的にも社会的にも魅力的に見えるでしょうが、
そんな社会はありえません。
日本がこの未曽有の難局をどう乗り切るのか
世界中が固唾をのんで見守っているのです」
浅草でもコンビニや飲食店で働く外国人はもはや珍しい存在ではなく日常。
外目にも重要な戦力になっていることは歴然としている。
日本の高齢化社会に不可欠な介護施設の深刻な労働者不足には、
AIにも期待しつつ、やはり現状では外国人の労働力を借りるしかなく、
1日も早く技能実習生制度を改革すべきと思わずにはいられなかった。
技能実習生への不正行為(いじめや暴言、給料未払いなど)は2017年で約300件。
先進国日本への失望を語るベトナムから来た実習生の姿。
日本を選んでくれた外国人労働者を大切に迎えなければ、
働きにくい日本から離れて行ってしまうだろう。
「棺桶型」人口ピラミッドが示唆するのが「日本の未来の姿=破滅」にならないよう、
合理的な選択と決断を。
★再放送は…
2018年5月24日(木) 午前1時00分~(50分)