★★★★
昨年、ドラマを観ていたので期待大。
期待にこたえるユーモア満載の作品でした。
(特に前半)
prefumeの振り付けシーンをはじめ、J-POPをネタにしたユーモア満載。
例えば、「神聖かまってちゃんとかYOU TUBEで勉強するからぁ」
とかいうフレーズなんて、もうツボです。
あと小物も注目。
ドラマでは、岩井俊二映画の「打ち上げ花火…」を登場させ、
90年代サブカル世代の僕たちの胸を締め付けさせていましたが、
今回は。藤本の部屋のベットの横に置いてあった
「まんが道」の全集に、おぉーーー!!と思ってしまう。
もちろん音楽も90年代に青春時代を過ごしてきた僕にとっては、刺さるものばかり。
渋谷系、岡村靖幸、橘いずみ、そしてカラオケ文化。
最近でも在日ファンクだの、N'夙川BOYSなど、うんうんというあたりをついてくる。
(以下ネタばれがあります)
さて、今回の脚本はドラマ(原作マンガはドラマで踏襲済み)と違って、
作者がオリジナルで書き下ろしたもの。
ドラマ版が、主人公 藤本がモテモテになり、
この子もあの子も欲しいと、うーんどうしようかと迷う、
男子高校生のHOT DOG PRESS的な面白さがあったのに対して、
映画版は4人の女性と恋(セックスだけも含めて)の接点を持つものの、
基本的には、長澤まさみ演じる松尾みゆきを追っかけるというスタンス。
(また長澤まさみが本当にカワイイ!!)
そういう意味では、「モテキ」の後を描いているともいえる。
そのため映画のドラマのように前半は明るく、
そして後半は大人への階段的なことを考えさせられる、ちょっと真面目なトーンで描かれている。
そもそも大人への階段への的な人間の成長を描く年代としては、
社会人2~3年目の話だと思うのだけれど、登場する藤本は31歳という設定。
その年にして、人間としての成長というものに気付くというのも遅い。
しかし、20代という若さがゆえに自分に甘く自己中心的で、甘えていたことによって、
そうした自分の成長というものの大事さが、
30歳を過ぎてしまったということが、最近では普通なんだろうなぁと思ってしまう。
(僕自身も20代は、藤本ほどではないにしろ、甘えっぱなしだったし)
自分の成長の大事さに気付かせてくれた松尾みゆき(長澤まさみ)の言葉。
「藤くんだと、成長できない…」
音楽やサブカルという僕らの青春のキラキラしたものに囲まれている映画だけに
この言葉が重くのしかかります
20代を甘えっぱなしだった30歳ぐらいの人たちはぜひおススメの一本です。
■映画「モテキ」の前に、ドラマ「モテキ」を見なおして(音楽まとめ)
http://blog.goo.ne.jp/mailto1979/e/e732a82b4ac929b7da26b0fa05c5a163