maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

巴旦杏

2012-12-08 09:19:28 | 支離滅裂-花鳥風月

庭にハタンキョウの樹が2本有ります。
(残念ながら2012年に1本枯死し、2012/12/08に伐採、1本となりました。)
私が物心ついたときにすでに幹の直径が15センチ以上ありました。
それから50年あまり経った今でも25センチ位にしかなっていません。
元々成長が遅いのか、環境が悪いのでしょうか。

毎年桜に先駆けて真っ白な花が咲きます。
メジロ、ウグイスは蜜を吸うだけなので良いのですが、ヒヨ、雀までもが群がって、この連中は花をムシャムシャ食べます。
それでも初夏には、直径5センチ位の実が鈴なりになります。
熟し切らない内は酸っぱいので、鳥も手を出しません。

6月下旬位から色づきはじめます。
未だ少し硬いのを収穫して置いておくと柔らかくなって、それなりに美味しいのですが、やはり枝で完熟したものとは比べ物になりません。
早く熟れるのは日当たりの良い枝についた実です。

油断すると鳥に食べられてしまうので最初の内は、毎日どれが採り頃かを見極めて収穫します。
色づきかけてから2、3週間すると一挙に全部の実が採りごろを迎えます。
収穫しているそばでヒヨが”ギャーギャー”と抗議しますが、幸いヒヨの言葉を解しないので無視します。

隔年に当たり年があるのですが、多い年はバケツに4、5杯収穫します。
それでもほぼ 1/3 は鳥さんが食べてしまっています。
果物屋やスーパーで売っているどの品種とも、外見も味も違います。

図鑑などでハタンキョウを調べてもはっきりしません。
本によってはハタンキョウ=アーモンド等ど書いてあります。
アーモンドならちょうど収穫時期にカリフォルニアで嫌というほど見ています。
アーモンドは果肉が薄く、熟れると割れて中の種が見えるので全く違うのではないかと思います。

ウチのハタンキョウの種は梅の種のようにコロンとしていますが、アーモンドは扁桃というほどですから、種がちょっと平べったいのです。
まだしも

「ハタンキョウ(別名:トガリスモモ)」も日本スモモの仲間で甘く果汁の多い品種です。
現在はあまり市場に出回っておらず、姿を消しつつあります。
「ハタンキョウ」とはスモモが万葉の時代に中国から伝来した時の古い呼び名だそうです。

と言うのが近いようですが、”トガリスモモ”?尖ってないのです。

一説に依れば、天山山脈と崑崙山脈の間に広がる、タクラマカン砂漠を取り巻くタリム盆地あたりが原産で、今も重要な果樹だとか。
ひょっとしたらホータン(タリム盆地の崑崙山脈側に位置し、今は和田と書きます)の杏で「巴旦杏」?

タリム盆地といえばシルクロードの天山南路、西の端にカシュガル、東の外れにはローランがあります。
蒼さぎの冠毛を髪に飾った楼蘭の少女も、玄奘三蔵や張騫、スウェン・ヘディンも咲き乱れるこの花を見てたんでしょうね。

震災で倒壊した棟を建てかえる時には、何とかしてこの樹を残そうと、何度も図面を引き直しました。

此処数年、樹勢が弱り花は咲いても実があまりならかんかったんですが、今春(2020年)は芽吹かず、その内に”ひこばえ”でも出んやろか、と望みをつないでおりました。
枯れたとなると幹が頼り無いだけに、若し倒れたら寝室の窓を直撃するやも知れず、遂に諦めて今朝(2020/05/10)伐採しました。残念ですわ。

Amebaブログ、ハタンキョウの記事
2001/12/15
2005/04/04 写真入替、加筆
2012/12/08 加筆
2020/05/10 加筆



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