流動のイイ女

妻子もちと別れ⇒いじめで会社を退職⇒脱無職⇒上司と不倫関係⇒約3年の不倫にピリオド⇒復縁、妊娠⇒未婚の母に

好き

2008-06-05 | 新しい仕事
仕事を休んだものの、今日中にやらなければいけない仕事があって、ナオさんにやってもらうために会社に電話した。
『ナオさん、今一人ですか?』普段事務所にはナオさんとテツさんがいるんだけれども、ナオさんとテツさんは犬猿の仲だから、きっとテツさんは事務所にいないだろうなと思っていたけど、
「テツさんいるよ。代わる?」そう言われたのでドキっとしてしまった。
本当はテツさんに確認したいことがあったんだけど、急ぎの用事ではないし、テツさんには代わってもらうことなくナオさんに用件を伝え、電話を切った。
テツさんに代わってもらったら、甘えてしまいそうで嫌だった。
そして、なんとなくだけど後で個人的に電話がかかってくる予感もした。

アタシは明日の夜から東京へ出かけるので、今のうちに洗濯と用意を済ませておこうと思い、行動に移した。
今夜は実家に猫を預けなければいけないし、何かと忙しいはずだった。
アタシはパソコンの前に座り、暢気にネットをしている。
ネット依存症はマジでやばいと思う。何もできなくなる。
そうこうしているうちに時間は5時を回っていた。
テツさんから電話はこない。もう定時は過ぎているのに。
アタシの思い過ごしだったのだろうか。
アタシは、テツさんと知り合って(?)から、ある直感が働いている。
それは、アタシとテツさんが深い関係になるということ。
テツさんは既婚者だから、つまり不倫。
いつかはこの関係になるのではないか、こんな予感がする。
もちろん、これはアタシが単に個人的に好意を持っていて、こうなればいいなって思っているだけに過ぎないかもしれない。
ただ、この予感はダーリンの時と同じくらい感じている。
ダーリンともああなる予感はしてた。破局は痛かったけど。
(何を期待していたんだか・・・)アタシはため息をついて、洗濯物をたたもうとした。
すると携帯が鳴った。
着信は・・・テツさんから。
ほらね、思ったとおりでしょ?

定時を過ぎ、みんなが帰り一人になるのを待って電話をくれたテツさん。
嬉しかった。声を聞きたかった。
でも、そんなテツさんは、ある一言でアタシを泣かせた。
悲しかった。自分に酔ってるのかと思うくらい泣いてしまった。
テツさんは泣かせようと思って発言したワケではなかったので、戸惑っていた。
何度もごめんなさいと謝ってくれた。
わざとつまらない冗談を言ったり、明るい声を出したりして慰めてくれようとした。
悲しかったのは本当、生理前でナーバスになっていたというのもあったけど、本当はテツさんのことを困らせたかったのかもしれない。
「俺もまいさんにずいぶんと甘えて仕事を任せてしまってたから、まいさんも限界にきてたのかもしれないなと思って、悪いと思ってます。ずっと顔色悪かったし、休んだから心配してました。俺はね、素で言うけどまいさんにずっといて欲しいと思ってます。俺が言った言葉はすべて忘れてかまわないけど、明日・・・来てくれるよね?明日からまた元気な姿を見せてください」
時々変に大げさに言うから冷めたりもしてしまうけど、本当に言いたいことはちゃんと言ってくれてる。
アタシはアタシのことを思ってくれる人が好き。
でもテツさんは女好きの女たらしだから、こんなセリフは簡単に出る。
だまされちゃいけない。ほだされちゃいけない。
でもアタシを見て、もっとアタシのことを思って。
もっと携帯に電話をして声を聞かせて。
面倒くさい女だな・・・他人事のようにそう呟いた。

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